信じる力が自分を救う(後編)

究極の問いとは
「汝を知れ」ということにある

私は誰なのか
何者なのか

当たり前のように生きているこの世とは
本当はいったいどこなのか

そこに気づくかどうかなのだ

もちろん知識としてではなく
己の存在(思考としての自己)を
溶かしきることができるかどうかにある

聖書全体に表現された厚顔無恥とも
受け取れるイエスの数々の言動は
そのまま受け取るものではないし
また釈迦がなぜ仏像など必要ないと言ったのか

コンビニで陳列された商品の並び方や
コーヒーカップの手触りにいたるまで
すべては私の外にではなく
「私の内側にあるもの」なのである

 

12.湯船に泳ぐ風船

私がそれに気づいたとき
どうして自分が不幸だったのかがわかった

空っぽだったからだ

その暗闇を照らすために
幸せを求めて
温かさを求めて
安心を求めていた

意識のライトで
煌びやかな外の世界を照らし続けていた

だが私自身が空っぽだから
何を見つけても満たされない

膨らませた風船を
湯船のなかで泳がせているようなものだ
豊かさは常に外にあり
中はいつも空洞だった

何に触れても触れてなどおらず
妻の手を握っているつもりが
私は何も握ってなどいなかった

その空虚さの中にあるのは欠乏だけ
常に不安と焦りに浸されていた

だからいつも切ない気持ちになっていた
「いつか離れなければならない」
こんな悲しい思いをするために
私たちは出会いそして

このような苦難の旅を続けているのかと

だがそうではなかった

では妻はどこにいるのか
それは私のなかにいるのである

外を照らすのではなく
己のなかを照らして
彼女を見つけてあげればいい

心のがらくたを退かせて
光の通り道を
その木漏れ日を
己のなかに照らせばよいのだ

彼女と出会ったあの日のように
偶然話しかけたあのときのように
嬉しくて舞い上がった
あの奇跡が起きた日のように

私のなかの彼女の手を握るとき
私はその手の温もりを知る
そして私自身も溶け去っていく

それが永遠の絆
すなわち「融合」なのである

 

13.私は何者なのか

この「融合」はとても大事な部分なので
詳しく話しておこう

探求し続ける日々のなかで
親しかった人たちの死があった
つい先日まで彼には声があった

声は空気を通じて伝ってくる
いまはそれが物理的に成されない
なのに心のなかの呼びかけには
すぐに返してくれる

「きっと彼ならこう言うはずだ」とは
それは己のなかで彼に話をさせている

だが彼に「話をさせている」とは
どういうことだろう

どうして私の想定しない返答を
私が作り出すことができるのだろう?

対話というのは再帰的なものだ

ある土台ができて
その土台のうえにまた土台が
重ねられていく

話した何かに対して何かが話される
それが会話というキャッチボールとなる

現実もそれとまったく同じ構造にある

ある不幸が土台になると
その土台のうえに新たな土台ができる
そうして自己参照が重ねられながら
己の現実はつくられていく

つまりいま自分がいるその地面は
以前に自分がつくったものだ
ゆえに「すべてが真実」となるのだ

だが死はその根本にある土台を葬り去る

するとうえに積み重ねられていたものは
瞬時に崩れ去るが
意識は隙間を否定するゆえに
そのもとあった場所には
残像だけが残ることになる

そのとき不思議な現象が起こる

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