神の語りかけに気づく(後編)

前回までに話したように、この世界の光景は眼ではなくが作っている。世界は頭のなかに起きているわけだ。だから外の世界には色さえも実在しない。光の刺激を神経回路が反応し、様々な要素が統合された結果に見えている現象にすぎない。すべて無意識に処理される。

ここで誤りやすいのは、私たちが何を考えても頭の中の「人間語」でみるわけであり、その人間語で捉える限りは、それは「事実になる」ということだ。

つまりそこに赤いものもあるし青いものもある。だがそれでも「色は実在しない」ということを理解する必要がある。人間語でみているから、それはそこにあることになるのである。

25.

たとえば人間は色付きのものを見ているが、動物は色を知らない。しかし人間の解釈的には動物は確かに色を感じていることになっている。どのようにテストしてみても、その程度はあれど生物が色を識別しているようにみえる。だがこれは動物の視覚のデータを「人間が解釈しているから」に他ならない。

だから動物も人間でいうところの色は「感じている」が、色として「みていない」のである。色とはあくまで言葉の産物であって、彼らはただ光の波長の違いを感じているだけなのだ。闘牛は赤色に興奮するのではなく、人間が赤色として認識している光の波(赤=700ナノメートル)に反応しているにすぎない。

そもそも光は3原色などで分けられる性質のものではないからね。様々な波長が入り混じっている。だから無限の波の中から「ある特定の範囲だけ」を切り抜いたのが色という表現であって、わざわざそんな芸当は人間しかやらないのである。

26.

虫は偏光を察知できると話したが、もちろんどうやっても人間にはそれが見えない。

最初の回で「回復した指の動きに対応する脳の部位ができた」と言ったが、ならば察知できない光があるのは網膜と脳の自己組織化が留保されているからだと、とりあえずは落ち着けるようにみえる。

だがここで「じゃあ生体的な進化が大事なのか」といえば、それは要点を逃している。

そうではなく、いま現実に現れているすべては「人間語」によって見分けられているだけだということ、人間世界としては「いま」は常に完全であるということにある。同じサイズの紙にどれだけ緻密なマス目をつくっても、大雑把なマス目をつくっても、紙のサイズは同じなのだ。

つまり偏光や可視光という概念がなければ、そもそもの無限の光の世界をただ感じているだけとなるのである。

まわりを見渡してごらん、すべて完璧だろう? 世界に隙間はない。

幸せも不幸も、正義も悪も、健康も病気も、成功も失敗も、生成も崩壊も、ちゃんと全部ある。「この世にないものはなにか?」と問うほうが難しい。世界は完璧すぎてその答えは見つけられない。だがその「完璧すぎて見つけられない」というところに現実を見破るヒントがある。

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