自己を破壊して自在なる力を手にいれる

人間は本来発揮できる力、すなわち自由なエネルギーをで抑え込んでいる。その抑制は無意識的なものゆえに、自らで制限させていることに気づいていない。人生が恐れと不安に悩まされ不自由であるとする原因は、自分を取り巻く他者や社会にあると考えている。

だから常々、そうした心の抑制から解放させてくれるものに興味が向けられる。たとえば躍動感のある音楽や映画もそうであるし、恋人がほしいという気持ちもそうだ。身にまとうもの、ファッション全般もそうであるし、タトゥーなんかも自己解放欲求の現れであるといえる。

そうしたものに包まれると気分が高揚する。つまり心の抑制が弱まるわけだ。何でもできそうな感じ、物怖じせずまっすぐ歩いていける感じ、稚拙な表現だが、子供たちがよく口にする「無敵な感じ」といったような「己の内奥から溢れ出るパワー」とひとつになる喜びは大人になっても変わらない。

なぜならその喜びこそが本来の自己の姿であり、そしてそうであることで「世界を自在のもの」にすることができるからだ。

1.偉大なるパワー

たとえばタトゥーは宗教的なものであろうと現代人がファッションとしていれるものであろうとも、その根源にある理由は変わらない。何かをシンボルにすることによって自分の弱さを克服しようとする。この弱さこそが「抑制する心」のことである。

愛するひとや神の名を肉体に刻むことで迷う心を払拭して「愛の解放」を促すことであったり、恐れを生む心を消滅させて「己の攻撃性」を解放することであったりするわけだ。

それらはパワーを呼び覚ます「手段」が違うだけ、つまり「どのように解放させているかだけの違い」なのであり、自己を真に存在させたいという欲求であることに違いはない。愛も破壊も突き動かすものは同じであるということだ。

家族の写真をペンダントにして身につけたり、机に飾っていたりすることで、仕事や生活での不安や焦りに振り回される自分を引き離し、心の軸を見出そうとする。つまり実存のパワーが流れ出せる「隙間」を開こうとする。神棚を祀ったり御守りを持ち歩いたりすることも同じ原理だ。

またアウトローな映画などで登場人物が拳銃や日本刀を手にして悦に浸っているようなシーンがあるけども、そうした武器に魅了されているその姿も同様に、日頃の弱い自己が溶け落ちている様子にある。子供のいう「無敵な感じ」が自己を深奥から貫いているのである。

戦いに備えて自己解放を駆り立てる原始部族のダンスもそうであるし、受験生が気分を高めようと炸裂するメタルミュージックを愛聴することも同じ。すべては自分という心の壁の破壊を目的とするものであり、その瓦礫の向こう側から偉大なるパワーが流れてくるのだ。

2.自己破壊への欲求

地球上の全存在が活動する源はそのパワーにあるのだけども、人間だけが心でそれを封じている。社会生活のなかで「客観的な自分」が自己内部で育ち続け、やがてその虚構の存在が本来の自己を追い出してしまうからだ。

そうして私たちは何らかのシンボルを拠り所にする。言うなれば、食べることや眠ることなど生物的に生存すること以外の「出費」とは、すべてが心の解放を望むものであるといえる。

スポーツや芸術などを追求してそのマスターレベルに達するということは、紛れもなく自分という障壁が崩れ去った果てのものであり、その道程が「自己の解放である」と理解している者ほど上達が速い。

逆にその道のりを外側への探索として捉え、その対象のなかに解決を探すようであるならば「到達」は遠いものとなる。

恋愛でもビジネスであっても目の前にそびえる壁は「自分のなか」にあるのだ。つまり「客観的な自分」である。ゆえに自己破壊の欲求こそが、生きること、つまり「前へ前へ進むこと」への意志表明であるのだ。

3.罠

ところがここで大きな罠と遭遇する。

私たちはシンボルを求めて、それらを解放のきっかけとしようとするのだけども、それに寄りかかるあまり今度はそれらが抑制の種となってしまう。

何かに魅了されるというのは、それがなければ自己解放できないという奴隷状態にあることを意味する。だがその「主人」はいつもあなたを助けてはくれない。

たとえばあなたがタトゥーを入れてそれを眺めるたびに「自分の強さ」を感じているとしよう。それは神の名であり、自分は「パワーとひとつである」ということをそのタトゥーによって思い出すことができる。つまりそのたびに心の抑制を弱めることができる。

だがもしそのタトゥーのデザインを他人にバカにされたら、あなたはそれまでと同様に心の弱さを払拭し続けることができるだろうか。

これは二重の意味がある。つまり他人にバカにされている原因がそのタトゥーであるのだ。それに頼り切っていたあまり、今度はそれが心に抱える荷物となる。

4.喜びが憎悪に変わる

ゆえに神が絶対的であるために、惚れ込んだりバカにしたりできないように「姿形を持たない」ものとして伝えられてきたのだ。釈迦でさえも生前は仏像を作ってそれを崇拝することを禁じていた。

つまり外部の「カタチあるもの」は移ろいやすいただの物でしかないのだ。劣化し朽ちていく。そんなものに自己を同化している限りは、次から次へと「主人」を探し続けなければならなくなる。

それは高級車であったり、羨望を集めるための立場であったり、結婚相手であったり、人はそれらに自己解放を求めるがゆえに、やがてはそれらに裏切られそしてそれらを憎むようになる。勝手なもんだ。

ではどうすればいいのか。

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