不死とエゴ、そして新しい人生(3)
前回からの続きとなる。今回はあなたを幸せにも不幸にもする「欲望」について話していこう。この話であなたの人生観が大きく変わるはずだ。
1.欲望について
古来からの宗教やスピリチュアルでは「欲望を断ち切れ」という教えがされる。だがこれは欲望を抱くなということではない。欲望に溺れるなということだ。
そもそも「欲望」とは抱くことができるものではない。つまり欲望はあなたのものではないのだ。大事なところだから覚えておきなさい。欲望はあなたが狙いを定めた目的ではなく、欲望そのものが原因なのだ。
つまり欲望のほうがあなたを引き寄せるということだよ。まるで捕食するかのようにね。
実存世界と私たちの現実
前回、前々回と渡って、私たちが見えている「心の世界」とは、その土台に「実存の世界」があると伝えてきた。いってみれば実存とは巨大な有機体のことだ。その蠢く体内であなたは「個人」や「暮らしている世界」という「夢」を見ているにすぎない。
だから日々起こる出来事というのは、心の世界でどのような解釈をしたところで、その背後では実存の生命活動がただ起きているだけのこととなる。
2.できることできないこと
もちろんその巨大な生命活動に「則った在りかた」で生きるというのは、実存にとってはストレスフリーなんだけども、厄介なことにあなたは社会の一員として生きている。つまり実存の要求通りにできることと、できないことが出てくるわけだ。
誰もが「できないこと(してはならないこと)」を成長過程で洗脳される。つまり自らの行いを審判する「スーパーエゴ(良心)」が心に植え付けられる(以前の手記を参照)。そうして「私たちの社会」が構築されているわけだ。
野生生物は社会では生きていけない
だからスーパーエゴを無視すれば表面的には、恥じらうこともなく、苦しむこともなく、ただやりたいことだけをやっていける。だがそれは野生動物のように成り下がることでしかない。つまり自己の存在性がいまよりも低次に向かう。
なぜならあなたは社会のなかで生きているからだ。それはチームで野球をプレイしているなかで1人だけサッカーやテニスをやろうとしているようなものでしかない。平気で残忍な凶行をする「心のない」犯罪者もその次元にあるといえる。
渇き
「心なんてなくなればどんなに楽だろう」なんて声を聞くことがあるけども、実際にはスーパーエゴの監視からは逃れられない。四六時中、心のなかで罰せられ続けるようになる。となるとその辛さから逃れるように何かでごまかし続けるしかない。結果、心を麻痺させる刺激物に走るようになる。
そうして繰り返される渇望はもうひとつの「罠」といえる。
たとえば犯罪者は犯行を繰り返していくわけだけども、その「喉の渇き」とはなんなのか。あなたもそれは何度も経験しているはずだ。「わかっちゃいるけどやめられない」というような悪い習慣をね。
3.魔の花
たとえば過食。甘いものを無意識に貪る。気が付いたら全部たいらげてる。お金遣いもそう。財布にお金があれば歯止めがきかない。便利なネットショッピングで凄まじいカードの請求がくる。男性ならばマスターベーションのあとの虚しさ。いくらでもあるね。ギャンブル、アルコール、自傷癖、さらには「苦悩すること」でさえも気が付いたらすでに手を出してる。
なんでもそうだが「やる前」や「やってる最中」にあれだけ高揚していたのが嘘みたいに、いまは隙間風にさらされてる。まるで「何かに引っ張られていた」かのように吸い尽くされて無残な姿だけが残される。
つまり欲望とは、あなたが自発的に狙いを定めた目的のことではないのだ。あちらがあなたを吸い尽くすために引きずり込んでいるもの、つまりそれ自体が生き物なのだよ。
Notes あなたの世界, あなたの正体, あるがまま, エゴ, お金, それ, 世界を変える, 充実感, 幻想, 引き寄せ, 心, 意識, 技法, 生きる意味, 自己想起, 自由, 観念, 身体, 願望
関連記事
- PREV
- 不死とエゴ、そして新しい人生(2)
- NEXT
- 不死とエゴ、そして新しい人生(4)
コメント投稿の注意事項
以下をかならずお読みください。
・公序良俗に反する内容、品性に欠いた文章、その他、閲覧者に不快感を与えると判断された投稿は掲載不可の対象となりますのでご留意ください。コメント欄は常時多くの方が閲覧しておりますことをご理解の上投稿してください。
・会員記事のコメントはログインしないと表示されません。
・会員の方はユーザー名が入ってしまうので別名をこちらで申請してください。必須。
・追記などを投稿する時は自分の最初のコメントに返信してください。
・記事に無関係な投稿は禁止です。良識範囲でお願いします。
・ハンドル名が変わっても固有idに基づき本人の同一性が保たれます。
・対応の状況によりすべてのコメントに作者が返信できるものではありません。
・規定の文字数に満たない短文、英文のみは表示できません。また半角記号(スペースやクエスチョンマークなどの感嘆符)は文字化けなどのエラーになりますので使用しないでください。使われる場合は全角文字でご使用ください。
・他の利用者を勧誘や扇動する行為、誤解を与える表現、卑猥な表現、犯罪行為を正当化するコメントなどは禁止です。また全体の文脈の意図を汲み取らず言葉の端や表現に用いられた構成部分だけを抜き出してその箇所のみへの質疑や意見する投稿も当事者にも他の閲覧者にとっても無益となりますので禁止です。それら意図がなくても事務局でそのように判断された場合はその箇所を修正削除させて頂いたり、または掲載不可となりますので予めご了承ください。
・同一者の投稿は1日1〜2件程度(例外を除く)に制限させていただいております。連投分は削除させていただきます(コメント欄が同一者で埋まり独占的な利用になってしまうのを防止するためであり日を跨いだ投稿も調整させていただく場合があります)
・個人情報保護法により個人情報や会員情報に関する箇所が含まれている場合は該当箇所を削除させていただきます。
・投稿内容に敏感な方も多くいらっしゃいますので、暴力的な表現など他の利用者様へ影響を与えそうな文面はお控えください。
・意図的であるなしに関わらず、文章が途中で途絶えているものは掲載不可となります。もし誤って送信された場合は早めに追記として再投稿してください。
・マナーを守らない場合は規約違反となります。また他のユーザーや当事業部、作者への中傷や毀損と思われる言動は会員規約に則り強制退会および法的措置となりますのでご注意ください。
・投稿者による有料記事の大部分に渡る引用は禁止しております。
・スパム広告対策にセキュリティを設定しております。投稿後に承認待ちと表示される場合がありますがしばらくすると表示されます。また短時間の連続投稿はスパム投稿とみなされるため承認されません。時間をおいてください。
・コメントシステムはWordpressを利用しておりますので他でWordpressアカウント(Gravatar)を設定されている場合、アイコン画像がコメント欄に表示されます。会員登録されたメールアドレスで紐づきますので、もしアイコンを表示させたくない場合はお手数ですがこちらより涅槃の書の登録メールアドレスを変更してください。