社会で生きていくために(2)

前回は「心のない世界」と称した物質変化だけが繰り返されている本当の地球の姿を話した。私たちはそこで産まれて、今日もその諸行無常のなかを生きている。

だがあなたの抱える人生の苦悩、重さはそうした地球本来のあり方に抵抗することで発生している。ではなぜ抵抗してしまうのか、その「心」が形成されるメカニズムを記していこう。

この理解を得ることで、人間社会のなかで非常に生きやすくなる。やりたいことも気軽に始められるようになるし、そして対人関係は別のアプローチでそれを見ることになり、これまでの苦悩は消滅する。

 

心のある世界

私たちの生きているもう一層の世界である「心のある世界」について進めよう。この層は前々回の手記の通り「育った環境」により形成される。

つまり「心のない世界」が自然界であるならば、「心のある世界」とは社会を意味する。

 

社会

さて社会とはなんだろう。それは人々が集って生活を営むものである。街や公園は整備され、1日でも長く生きるための医療や福祉サービスがあり、欲しいものがあれば働いたお金を出して交換し、ひとりの異性と結婚して、我が子を社会に適応できるように育てていく。

表向きはそのようであるのだけども、正しくいえば社会とは「タブーを許さない集団」のことだ。

タブーとは何かといえば、前の手記でも話したように同性愛や近親相姦、偏執した性的フェティシズム、殺人、強奪もそうだし、もっと身近なところでいえば、浮気なんかもそうだね。

そうした行為について、無意識に「NO」という反応が起こること、その起こりのことがタブーであり、いってみれば洗脳のようなものだ。なぜNOなのか、その理由を述べてみるといい。

たとえばあなたが本当に同性を愛そうとしたときに、なぜ壁がそこに見えるのか、欲しいものがあってなぜ奪ってはならないのか、その理由はなにかね。単に「してはならないこと」という理由だけではないかな。

後述するけども「反社会的であれ」ということを言っているのではない。その「社会性というルールの上で生きていること」にあなたは気付いているのか、ということだ。

 

浮気を怒るのはなぜ?

なぜあなたが浮気を怒るのかといえば、それは社会のルールに反していると思っているから、もっといえば、1人以上の異性を好きになることはしてはならないこと(タブー)であると深層心理に刻みついているからである。

よく社会を野球に例えるけども「じゃあルールを捨てればいいんだよね」と簡単に言い放てるものではない。実際、恋人が浮気をしたらあなたは怒り狂うだろう。それは野球を「はい、やめた」と次はサッカーのルールに従おうと身軽なものではない。

また無礼な人を目の前にしたとき、あなたは苛立ちを覚える。それも同じ。はいやめた、と変われるものではない。

つまり目に見えない鎖に私たちは縛られているのだ。こう書けば「じゃあ浮気を許せというの?」と思うかもしれないが、そう思う時点ですでに縛られているのだよ。

別に浮気を推奨するわけでもない。ただ「浮気」という概念があること自体に疑問を持たなければ社会という鎖に気づくことができないということだ。

 

3.心について

あなたは親または社会にて「社会的」に育てられたことで「心」というものができあがる。説明に便利なのでまたフロイトを使うけども、彼はそれを3つの段階に定義した。エスと自我、そして超自我だ。

エス(本能)

まずエスというのは「本能」のことだ。つまり細胞の知性のこと。「イド」とも呼ばれる。地球が求める動きに即したそのままのプログラム(欲求)を意味する。

いまそこで細胞分裂(子作り)をしろという欲求が起こればその通りにして、もう用はないから死ぬ欲求が起こればその通りに実行する。それは感情的なものではない。植物が生育するようなものだ。

つまり本能を抑え込む制御がない状態、社会的にみれば暴走している状態のことがエスにあるということだ。だがそれはあくまで人間社会としての暴走である。野生生物などはみんな本能のままに生きている。

本来はそれに従うことが、不幸のない状態=心のない世界となるわけだが、人間の世界はそうはいかないし、そもそも人間というのはそうした低次(一旦こう表現しておくよ)の存在ではない。

自我(自分)

これは日頃のあなた(エゴ)のことだ。「自分」ってやつだね。あれこれ迷ったり、悩んだり、良い気分になったり、それ自体が固定されたものではなく、他の何かに常に影響されているもの。

後述するけども、エゴはあらゆるものへの反発から生み出される。スピリチュアルで自他分離などいわれるのはそのためだ。

ここで重要なのは「反発する何かがある」ということだ。それが次の超自我となる。

超自我(檻)

スーパーエゴという。これがあなた(つまりエゴ)を支配するもの、表現としては「良心」とも呼ばれるが、スピリチュアル的には牢獄のことだ。

幼き日にあなたの心に養われたものはスーパーエゴであり、それは両親との関係性、生活環境によりその性質が変わってくる。

またエスが「暴走」しようとするのを制止するのも、このスーパーエゴの作用だ。ゆえに「良心」と呼ばれるけども、それは良くも悪くもあなたを制限する。

たとえば悪人は「よし悪いことをやろう」として悪事を働くのであり、良心に歯向かっている様子にある。つまりエゴがスーパーエゴに反抗しているということだ。

 

4.自然vs社会

さてあなたの肉体(エス)としては、プログラム通りに全うしたいわけだけども、社会的に成長した心(スーパーエゴ)がそれを許さない。

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