運命の赤い糸

幸福は求め得るものではなく
余計なものを落とすことで到達する

つまり「何もなさ」がそれなのだ

たとえばコンプレックスを抱えていて
長年のそれが解消されたとき
何かが得られたわけではない

執着していたものが落ちて
「何もなさ」に到達したのである

問題を抱えている間は
「これが解消されたらきっと
華々しい夢世界が現れるに違いない」
そう思っている

だが実際それが叶ったとき
そのような光景は出現することなく
ただ何もない世界が広がっているだけとなる

だがその「何もなさ」こそ至福であることに
気づかなくてはならないのだ

欲求も同様である

念願の欲しかったものを手に入れても
買った時点で幸福は消え失せ
もう別の何かを欲している

恋人の浮気疑惑などで
ほっとする一言で安心したところで
すぐにまたフツフツと疑念が沸き起こる

このように物欲や愛欲、性欲など
執着心から起こされる欲求は
実はそれらを得ることではなく
「何もなさ」に戻りたいがために生じている

つまり「その欲求そのものを落とすこと」に
欲求しているのである

だが人は欲求が解消した途端に広がる空虚を
どう扱っていいのかわからない
常に何らかの問題を抱えていなければ
落ち着かない癖がついてしまっているからだ

よってまた別の何かを探し求めるが
どれだけのものを手にしても
やはり「何もなさ」が広がるだけ

そうして「何をやっても虚しい」という
結論に至るのだけども
何かをしていなければパッとしない

そんな堂々巡りで
お金も健康も圧迫されていく
人生の大部分はそうして消えていく

欲求は自らを「解消」するために
欲求しているのに
あなた自身はそれを取り違えて
ずっと不幸を生産し続けているのだ

 

1.魅力的ではない真の幸福

ではなぜ「何もない」が
それほど魅力的に映らないのだろうか

得たら幸せになれるのではなく
得たい気持ちが消えるから
幸せであるということが理解できないからだ

つまりその「軽さ」には
通常のあり方では気づけないからである

たとえば歯の治療による解放は
実際に歯痛にならないとわからない
健康な歯の状態では
その幸福を見つけることができない

糖質(炭水化物など)を控えた
血糖値の安定も大事なことであるが
だが実際、炭水化物を控えた時点では
何が良くなっているのかは
わからないものだ

だけどもしばらく糖質を控えてから
再び以前の食生活に戻したときに
いかにそれが重いのかがわかる

ずっとその重い鎖に縛られて
生活していたのだと気づくわけである

すなわち「何もないこと」こそが
幸福であるのだけども
その幸福の効能は「何かある」ときに
はじめてわかることになる

つまり幸せとはそれ自体で実体を持たないのだ
だから幸せを求めるというのは矛盾している
逆説的に不幸を求めれば
幸せを知ることはできるが
それは純粋ではないだろう

歯痛の解放を味わいたいために
わざわざ虫歯になろうとするようなものだ
だが人々はそんなことを繰り返している

そうではなく何も求めないからこそ
その「何もなさ」と溶け合うのである

よく喩えるが
雲は実体であるけども
雲が去ったあとに広がる青空は
実体的なものではない

それは最初からずっとそこにあり
どこからどこまでという区切りもなく
つまり大きさも方向性もない

そのつかみどころのない
「漠然とした何か」と
ひとつに溶け合うということ
以降の話のために
それが幸せであるとここでは定義しておこう

 

2.不幸について

不幸とは何かといえば
執着心のことだ

だから執着心を捨てれば
あなたは幸福になれる

執着とは欲望の根源であり
それによって
対人関係も自分自身に対しても
常に無理を与えることになる

だが執着は達成されると
途端にその姿をくらましてしまう
あなたを操るだけ操って
どこかへ隠れてしまう

するとあなたは落ち着かなくなる
なぜならこれまで
自分自身の力で動いてこなかったからだ

よって自ら再び
執着という魔力を求めてしまう

だがその力で得ようとしているのは
ただの幻でしかないうえに
その力が作用しているあいだは
精神も肉体もその目的に縛られてしまう

つまり日常や仕事などの
「やるべきこと」や
また他のやりたいことなどに
存分な力が発揮できなくなる

だが当人はその重さに気づいていない
血糖値の話を出したのはこのためだ

つまり物事が面倒だとか感じるのは
その物事に原因があるのではない
普段から重い鎖に縛られており
その不自由なままで
挑まなければならないから辛いのである

欲望に囚われることや
誰かについて思い煩うこと
他者の評価を気にすること

執着もいろいろあるが
見落としがちなのは
「やるべきことを先延ばしにしていること」である

これも不幸を形成する大きな要因だから
注意しなければならない

 

3.真に幸せであるということ

さて幸せとは「何もなさ」であるのだけども
あなたはこう思うはずだ

「それって楽しい人生なの?」とね

それは「何かに幸せを見よう」とするから
そう思うのである

だから視点を逆転させなければ
「真の幸せ」を取り逃がしてしまう

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