手紙

母からもらった手紙がある。

よくある柄の便箋に手書きの文字だ。もう二十年も前のもので当時の私を労う一筆が記されている。

頑張りなさい。お母さんも頑張ってるからね。

この一枚の紙を指で触れるとき、私や母という個人は消える。ただ「伝わる思い」だけがここに存在する。

ただの紙きれであるし、そこにボールペンのインクが乗っているだけにすぎない。だがなぜ特別な何かを浮かび上がらせるのだろうか。

お情け頂戴の話をしているのではない。

この手紙のうえに浮かび上がる「形なき何か」は、私以外の誰も「同じもの」を見出すことはできないということだ。長年連れ添った妻でさえもそれを知ることはできない。

家族への思い。仕事への思い。生活への思い。

このように世界を見渡せば、この世とは「思い」以外に何があるというのだろう。現実が先にあるのではない。思いが世界を形象しているのだ。

ずっとわかっていたこと

私は妻と出会う前から妻を知っていた。そんな話を彼女によくする。いまの仕事もいまの暮らしもそうなる前から知っていた。

間違えてはならないのは、思いが現実化するのではなく、

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  1. tomonori より:
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  2. tamatama3 より:
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