他者を自在に操る

人間というのは
わかりやすい生き物である

それぞれ個性があるように見えても
「人間である」ということ自体が
時代という土壌に咲いたものでしかない

自分は周囲とは違うと言ったところで
それはいまある社会において
「違いを演出しているだけ」であり

つまり自分は違うと考えている時点で
人間という枠組みにいることを
自ら強調しているにすぎない

だから人間てのはなんだといえば
相対的な存在でしかなく
それ自体、その絶対的な個体が
存在しているわけではないのだ

眠っている夢のなかですら
私たちは「人間」をやっているように
人間という実体などは存在せず
あるのは交流という関係性だけなのである

だが誰もがそれに気づかず
関係性そのものを
自分という個人だと思っている

自分は惨めな人間だとか
自分はあいつらとは違うだとかね

あなたはどんな人かな?
いくつかあげてみるといいが
それは本当に「あなた」なのだろうか

本当にあなたは惨めであり
本当にあなたは誰よりも特別なのだろうか

そうではないはずだ

料理が得意な自分も
読書好きな自分も

誰かを憎む自分も
何かに喜ぶ自分も

何かとの間に生じた「関係」
あなたは自分だと思っているだけなのだよ

これまで誰かに何かをしてもらって
どんな言葉を返そうとか
どんな表情をしようとか
そんなことに迷ってきただろう

だがなにを選択しても
白々しさがつきまっていたはずだ

本当に祝福するとはそういうことではなく
そこに生じた関係性を享受することにある

この世のすべては実体を持たない
だから感謝とは
相手の存在に向けるものでもなく
自分の存在に向けるものでもない

そこにふわっと浮かんだ
喜びという現象を
手放しで体感することにあるのだ
スピリチュアルではそれを
「神に感謝する」といったりする

美しいという現象がそこにあるのであって
美しいと「思っている自分」がいるのでも
その「美しい対象」があるのでもない

自分や対象だけをみてしまうから
誰もがその美しさに
指一本触れることができず
人生は虚しさだけに包まれるのだ

 

1.

だから意地悪に言えば
この人間という幻想を逆手にとれば
自在に他者を操ることができる

いくらでも異性にモテるだろうし
会社の人々、友人知人たちにも
大いに受け入れられることができる

簡単なことだ
たとえば

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