後ろの笑顔

かなり昔の話なんだけども
ある雑誌をめくっていたら
フォトグラファーの連載コーナーがあってね
1枚の写真に目が留まった

夏の空と見渡す限りの大草原

青空に溶け込むように
小道が奥へと伸びていて
そこを10代半ばぐらいだろうか
異国の少女が2人
それぞれ自転車に乗って走っている

そんな写真だった

2人とも立ち漕ぎしながら髪を靡かせて
先頭の少女を追いかけるように
後ろの少女も軽快に風を楽しんでいる

写真からは(つまり私からは)
少女たちの背中しかみえなくて顔はわからない

後ろを走る少女も同様に
先頭の少女の背中だけがみえているわけで
言ってみれば
みんなが他のみんなの背中をみている様子にある

だから先頭の少女もまた
誰かの背中をみているのだろう

とはいえ彼女が”みているもの”は
私たちにはみえないがね

というわけで写真をみたとき
何ともいえない儚さとともに

この一見よくあるような構図が
「私たちの世界」をうまく表しているように
感じ取れたんだ

 

それぞれの人生

さて毎日いろんなニュースが流れる

我が子が行方不明になった母親や
不況に苦しむ店主たち
時代の変化で行き場を見失った人々

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