自己矛盾の中に真実を読み取る

悟りや涅槃の境地などといわれるもの
言葉はなんでもいい
到達する場所はたったひとつだが
そこへ至るまでの道は無限とある
道は険しく
あなたのその時の定義により
とても危険な旅となる
探すほど求めるほどに
蜃気楼の如くそこには届かない

なぜあなたにとってそんなに難しいのか
なぜあなたは幸福になれないのか
この言葉でピンと来るかもしれない

悟りの境地とは
矛盾の境地のことだ
あるけどもない
ないけどもある

人は白黒を付けたがる
思考はそのようにするためのものだからだ
あなたは数学を学んできた
1+1は2だ
一度覚えてしまったら離れられない

「何か」をしたら「何か」が起こる
そのような原因と結果の法則に縛られ
あなたは非矛盾を貫いてきた
人生そのものが数学計算
点から点へ渡るための計算式
あの点へ行くためにはどうすればいい?
何もかもが直線
あなたの意思は捕捉した何かを捉える
それについて考察する

「それは何々でこれは何々だ」
「これをするにはこうしなければならない」
「それはあるが、あれはない」

すべて直線的
ちゃんと点と点が繋がっている
そのつじつま合わせが最良とされる
だが点と点を繋げられないとき
あなたは不幸を感じる

「いまの状況を打破するには勝ち続けるしかない」

あなたは点を探す
何でもそうだ
本を読めば脈絡から求めようとする
絶えず「意味」を探している
無意味な本など読めるかい?
何の意味もない本
書いてることもおかしい
なんだか変だ
そもそも読むことに何の成果もない
どこかに進んでいくような性質の内容ではないし
なぜだか同じ場所を
グルグルと回っているような感じ

あなたがそこに「これはきっとこういう意味だ」と
定義すればそれはそうなのだろう
「これは宝の地図だ」
「これは宇宙の真理だ」
だけどもその定義こそが蜃気楼
あなたは必ずそこに意味を与え定義する

 

“謎”こそが真実

目の前に椅子がある
その時点で椅子に縛られる
そうすることでしか自己を確立できないのだ
それが思考の為す術の限界
無意味な本、そこに本などないのだよ

よく覚えておきなさい
真実は「真実の外」にある

巨大なクエスチョンマーク

巨大なゼロ
生と死は同じ場所にあり
未来と過去は同時にある
矛盾はすべてを包括する
抽象的な視野になれとか
観照しろだとか
古来の経典だろうとも
そしていまこの文章が
ある答えに導くために結論へ向けて
書かれていることなど
すべてが秩序的、つまり非矛盾である
冒頭の「到達する場所は〜至るまでの道は」など
まさに愚の骨頂
だがそう書かざるを得ない
そうでないと
あなたに伝わらない
あなたの認識するもの
理解できるもの
すべてが非矛盾的だ
そうして伝わる

だけども「真実」はそうじゃない
だから言葉ではそのものを表現できない
伝えることは難しい
点と点の関係でないがゆえ
あなたが感じ取らなければならない

ある一本道があり
ここからあそこへいくんじゃなく
中心も端もない
そんな空間がただ漠然とある
その矛盾の境地
それが悟りの境地だ
この世界の真実であり
あなたそのものの姿だ
だから幸福とは幸福にあらず
ただあなたがハッピーでいたいのなら
最初はそうでいい
だがそのようにあることが
あなたにリラックス、いわば受容を育て
すべてがただ矛盾の如くある
そういうことが感じられるようになる

 

解明の意思が真理を遠ざける

理屈は白か黒をわける
だが「真実」を直線的に伝えることはできない
指し示すことはいくらでもできるがね
完全なる矛盾とは思考を超えたものだ

科学は矛盾を超えられない
最初は矛盾があった
だが科学が定義していく
ゆえに定義が矛盾を作りだしている
誰も気付かない矛盾がそこにあった
それが定義され
定義されたことで矛盾が見えてしまう
しかし科学は最後の矛盾を超えられない
計算が合わないからだ
物質を細かく調べれば調べるほど
途方もない空間が出てくる
だから別の定義をぶつけて説明するしかない
だけども定義はさらなる矛盾を生み出す

本当に何をも貫く矛と
本当に何をも跳ね返す盾
だがそこに矛と盾があることが
すでに矛盾ではない

矛盾とはその裏側にある立証できない性質のもの
神聖なる領域

研ぎ澄まされ、ただその実を
さらけ出しているような純粋な姿

ジョークなどで「自己矛盾」について語られる
一度調べてみなさい

「僕は黒人と差別が大嫌いです」
「問題がないことが問題なんだ」

ざっと検索するだけで色々出てくる

あなたのお馴染みの秩序な世界観とは
ある点がある点へ向かう性質を持つ
文章ひとつでもそうだ
起承転結、起こりから結びに向かう
それが伝達であり
あなたの思考回路の基本プログラムだ

だがこの自己矛盾というジョークの世界は
その文脈中の生命が「決してどこにも進んでいかず」
同じ場所に漂っていることがわかるかね
これがゼロだ

自己矛盾とは良い表現だね
禅問答と同じものだ
釈迦も人生とは冗談のようなものだと言う
最後にはすべての教えを捨てろとあるのは
伝えるも伝わるもない、そういうことだ

備わってしまった数学的な概念を捨て
あなたが人生に自己矛盾を見たとき
あなたはもう到達しているのだよ

そこが境地だ

 

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