本書を読むときに注意すべきこと

多くの人々が本書を自分の世界に生み出している。だが各々の独自世界ゆえ、手記の見え方は千差万別となる。

あなたの見ている「世界の見え方」がこの世のすべてであり、それ以外にはありえない。闇に染まっているならば世界は闇であるし、バニラ色であるならばそうなのだ。闇の向こうに光の王国があるのではない。

だから闇の世界のなかで「バニラ色に染める方法」が書かれている魔術を獲得したところで、最初からその書物は闇に染められている。ゆえにいくら紐解いてみても闇のなかでバニラの香りが漂うだけでしかない。

ここが大事なのだ。

つまり見方を変えるというのは、目を凝らしたり、上目遣いをしたりすることではなく「見る」という「絶対的な行為そのもの」を変えるということにある。もともとの立ち位置を変えなければ何も変わらないのである。

ゆえに本書読むときの注意事項があり、「そのこと」が常に頭に入っていないと、どの手記もつかめなくなってしまう。本書を説明書のように読んでいても何の役にも立たないということだ。

逆にいえば本書は「そのこと」を伝えているのであり、そしてそれを理解することであなたは自在に現実を変えることができるようになる。

1.

では「そのこと」について話していこう。

たとえば三角形がある。三角というのは角が3つある図形のことだ。それはわかるね。△のことだ。

三角形の定理、すなわち成立の条件は「内角の和は180度である」という風に習ったはずだ。どのような三角形であろうとも、内側の角度を全部足せば180度になるということだね。

これはユークリッド幾何学という大昔に制定された公理をもとに説明されている三角形の条件なんだけども、この例題が本書の注意すべき点と、そしてあなたの現実を変えることに役立つ説明となる。

あなたはそのように習ったし、実際に三角形を描いてみたらちゃんと「内角の和=180度」になる。だから絶対の真理だ、そう信じているわけだ。

もう無意識に「これはこうだ」という確信がある。確かめてもいいし、確かめなくてもいい。どうであろうと「それはそう」なのだからね。まったく疑う余地もない。

この三角形の定理の確信と同じものが、あなたの現実のすべてを構築している基礎となっている。

2.

さていま挙げた三角形の定理は、あくまで平面上でのおいての話である。試しに膨らませた風船に「角が3つある図形」をマジックで書いてみればいい。その内角の和は180度を超える。

この話は非ユークリッド幾何学、つまり前提とされる公理が違うゆえにそうなるもので、よく数学のネタ話などに使われるものだ。

だがこの話は「なんだそういうことか」と納得して終わらせてはならない。

この話の怖さは、絶対的な真理を信じるあまり、三角形を描くときに「わざわざ平面を持ち出して」それを証明しようとしている無意識な自動思考にあるのだ。

つまり「公理があるからそれが成立している」と思い込んでいるだけで、実は「自分から公理に合わせにいっている」ということに己が気づいていないことにある。

3.

あなたが何かを考えるとき、その考えていることの前提となるもの、それについては完全に盲目になっている。つまり何かを思考しているときには、すでに「平面」があるのだ。気づかぬうちにそれを「用意してから」そのうえに三角形を描こうとしている。

あなたの注意は三角形ばかりに向けられている。その三角形が正しいかどうか、つまり内角の和が180度であることを、なんの疑いもない「確信」のままに描いている。

ゆえにあなたは「三角形は内角の和が180度とは限らない」と唐突にいわれたとき、それを受け入れることができない。だって明らかに「和は180度」なのだからね。平面を自らそこに用意していることに気づいていない。

だから非ユークリッド幾何学という、新しい前提を持ってこられると「なあんだ」となるが、いいかい、それも「同じことを繰り返している」のだ。

どういうことかわかるかね?

球体に描かれる三角形の和がどうとかそういうことではなく、つまり大事なのは、私はいまユークリッド幾何学や三角形の話など「まったくしていない」ことにあなたが気づいていないということだ。

やはり「逃している」のだよ。

4.

この話は現実すべてに影響している。

たとえば、

・好きに遊んでてお金がもらえる
・苦労して汗を流して給料をもらえる

この違いはなんだろう?

現象としては同じものだ。何かを行為してお金が渡される。だが「絶対的な真理」が違うから、まったく異質のものとして受け取られる。

あなたはいま不幸だって? それはどうして不幸なのだろうか。確かに「三角形」は不幸なのだろう。それはどのように変形させても「内角の和は180度」のままだ。

あなたが現実を変えたいというとき、いつもその内角の和だけを変更しようとする。だがそれは不可能な話だ。なぜなら「わざわざあなたが用意している平面」にそれは描かれているからだ。

その土台から変えなきゃならない。それが「見方」を変えるということ、逆にいえば土台が変わるから、見え方は「勝手に変わる」のだ。

それは苦労してお金を得ていたこと、つまり働かなければお金を得られないという世界からの解放を意味する。

5.

さあ話はもっと深くなっていく。

「何かを行為してお金が渡される」も絶対的な真理だ。

「何かを行為すること」と「お金が渡されること」はいまある土台のうえでイコールされているにすぎない。

つまり働く=お金ではないのだよ。

その真理(土台)ゆえに「どこで働こうか」とか、「どのように稼ごうか」ということで悩むことになるのだ。

さらに深めていけば「お金」という存在でさえも、いまある真理が浮かべているものであるとわかる。

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