頑張らないほうがうまくいく?

「頑張ることが大事」だと
私たちは教えられてきたけども

実はほとんどのことが
“頑張る”とうまくいかなかったりするわけで

たとえば恋愛がそうだね
意気込んで頑張るほど
相手は離れていくことになる

あとファッションも頑張りすぎると
おしゃれを通り越して滑稽なものとなり
しかもそうして頑張ってる自分は
自らのその姿になかなか気づけない

同じ意味なら会社や仲間内で
「どうしてみんなわかってくれないの?」と
悩んでいる人もそうだ

頑張っている自分がいかなるものかが
自分でみえていないんだ

商売も同様で
「頑張りどころ」を間違えると
大切なものを見失ってしまう

その意味でいえば順調だった頃は
むしろ頑張っていなかったからこそ
うまく回っていたように
思えたりするんじゃないかな

だがそれは
怠惰であれということではない

そう、ここにポイントがあって
頑張ることがダメだという話ではないんだ

 

傷つくことが怖い

幼少の頃に最初に教えられた「頑張る」が
だんだん取り違えたことになってきて
本来の意味が忘れ去られているわけでね

そこに気づかないと
頑張るほど人生は苦しいことになり
逆に頑張らないほど
人生は一見順調にまわるように思える
そんな逆説が生じるようになる

この「一見そう思える」というのが罠だね

たとえば頑張ったゆえに
壁にぶつかった経験が多いほど
いつの頃からか
頑張らないほうがいいと思うようになる

相手への思いでいっぱいだったのに
そのために嫌われてしまったこと
最新の服でドキドキしながら歩いてみたら
嘲笑されて恥ずかしい思いをしたこと

そんな傷ついたトラウマと同時に
「頑張らないほうがいい」に
だんだんなってしまうわけだ

やがて無気力や無関心でいることが
正しいことだと思い込んでしまい
いつかの自分と同じような頑張ってる人を
見下すようになる

自分は決して物事の当事者になろうとせず
ただ外野から野次を飛ばすだけの
中身のない人生が定着してしまう

そうなると人生はただ虚しいだけで
何をすることもできないうえに
結局はといえば
自分が他人の目ばかりを気にしているからこそ
他人にあれこれ口を挟んでいるだけ

そんな不毛な循環から抜け出せなくなる

また恋愛にしても
相手が自分を追いかけてくれなければだめで
常に優位に立っていなければならない

そうして愛されているという実感に浸るが
ところが相手が離れていくとき
傷つくことが怖いからどうすることもできない

常にボロボロな自分の心を偽りながら
別の出会いをひたすら待つだけ

ところがいいなと思う相手が現れても
自分の本心をみせることができない

まして自分を信じることができないから
相手がどのような好意を伝えてきても
それが上辺のようなもの
つまり嘘をつかれているとしか思えない

結局いろんなことで相手を試して
相手の弱みを見つけてようやく
自分は相手を「従わせる」ことができるんだ

そんなの恋愛でもなんでもないね

そうして虚しさと退屈と
傷つくことや失敗への恐れが入り混じりながら
人生は無意味に流れていくことになる

とはいえ、この状態に陥ってる限りは
頑張るほどうまくいかないわけでね

だから「ある勘違い」を解かない限りは
「頑張る・頑張らない」のどちらを選んでも
結局不毛な人生となるわけだ

 

本当の「頑張る」

いったいどこで間違えたのだろう?

それは話したように
一番最初に教えられた「頑張る」の意味が
いつからか取り違えられてしまったからにある

“その意味”ではたしかに
頑張らないほうがうまくいくといえる

同様に”その意味”でなら
私も日頃はまったく頑張っていない

しかしそれは上の恋愛例とは違って
「頑張ること」を否定するものではなく
また怠惰に生きてれば
運が味方してくれるという話でもない

そうではなくて
「頑張る←→頑張らない」の二者択一を
離れたところにその本当の答えがあるんだ

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