現実という夢
仏教にこんな逸話がある。
ある残虐な人殺しがいて、彼は殺した人々の指を集めては首輪にするという卑劣極まりない行為を繰り返していた。誰もが彼を恐れていたが、彼にはそれなりに殺人鬼になる経緯があったわけだ。生まれや環境、人生で起き続けた憎悪のドラマ、そうしたものが結果的に彼を殺人者にしてしまったのだ。
そうしたある日、山で釈迦と鉢合わせになる。彼は釈迦に止まれというが、釈迦は歩いたまま「私は止まっている」というぶっ飛んだ返答をする。
当然怒るわけだが釈迦の次の一言で彼は改心してしまう。その一言とはこうだ。
「私は止まっている。動いているのはあなたの心だけだ。ずっとそうだったのだ。あなたは誰も殺してはいない。」
つまりこれが瞑想から感得される真理となる。今回はこの境地に到達できるように話を進めてみよう。
観照
よく中国の公園などで太極拳をやっている人々がいるが、あれは静止した視点で自分の動きを眺め続けている様子にある。私もよくやる。あなたもやってみるといい。別に型にとらわれる必要はない。
息を吐き出しながら、流れるままにゆっくりと体を動かしてみる。動きは自由でいい。コツをつかむまでは「両手で押し出す」という動きを重視しておくといいだろう。
また地面に立っている自分の体重を感じることだ。大地と引き合う位置エネルギーを受け入れることで、地面に張り付くような、沈み込むような感覚が起こる。
そしてそうした体の動きを「心で目撃し続けること」だ。ただ観ているだけだ。やがて体は勝手に動いていることを知ると同時に、それを観ている静止した自己を発見するだろう。
体や思考は世界と一体であり、全体がただ動き続けていたと知るのだ。
浮かぶ世界
「じゃあ物事が悪い方向に向かったら、どうすることもできないのでは?」「あの殺人鬼だって現に多くの人を殺めたわけでしょう?」
そんな疑問が起こるだろうけども、そうじゃない。
Notes あなたの世界, あなたの正体, あるがまま, いまここ, ゼロ, ワンネス, 宇宙, 幻想, 循環, 意識, 時間を超える, 無為自然, 神秘, 自己想起, 自由
関連記事
- PREV
- みんなそれぞれ生きているからこそ世界は感謝で溢れている
- NEXT
- 顔の泥は自分ではみえない
コメント・質疑応答
必ずお読みください
・会員記事のコメントはログインしないと表示されません。
・会員の方はユーザー名が入ってしまうので別名をこちらで申請してください。必須。
・追記などを投稿する時は自分の最初のコメントに返信してください。
・記事に無関係な投稿は禁止です。良識範囲でお願いします。
・対応の状況によりすべてのコメントに作者が返信できるものではありません。
・規定の文字数に満たない短文、英文のみは表示できません。また半角記号(スペースやクエスチョンマークなどの感嘆符)は文字化けなどのエラーになりますので使用しないでください。使われる場合は全角文字でご使用ください。
・他の利用者を勧誘や扇動する行為、誤解を与える表現、犯罪行為を正当化するコメントなどは禁止です。その意図がなくても事務局でそのように判断された場合はその箇所を修正削除させて頂く場合があります。予めご了承ください。
・同一者の投稿は1日1〜2件程度(例外を除く)に制限させていただいております。連投分は削除させていただきます(コメント欄が同一者で埋まり独占的な利用になってしまうのを防止するためであり日を跨いだ投稿も調整させていただく場合があります)
・個人情報保護法により個人情報や会員情報に関する箇所が含まれている場合は該当箇所を削除させていただきます。
・投稿内容に敏感な方も多くいらっしゃいますので、暴力的な表現など他の利用者様へ影響を与えそうな文面はお控えください。
・意図的であるなしに関わらず、文章が途中で途絶えているものは掲載不可となります。もし誤って送信された場合は早めに追記として再投稿してください。
・マナーを守らない場合は規約違反となります。また他のユーザーや当事業部、作者への中傷や毀損と思われる言動は会員規約に則り強制退会および法的措置となりますのでご注意ください。
・投稿者による有料記事の大部分に渡る引用は禁止しております。
・スパム広告対策にセキュリティを設定しております。投稿後に承認待ちと表示される場合がありますがしばらくすると表示されます。また短時間の連続投稿はスパム投稿とみなされるため承認されません。時間をおいてください。
・コメントシステムはWordpressを利用しておりますので他でWordpressアカウント(Gravatar)を設定されている場合、アイコン画像がコメント欄に表示されます。会員登録されたメールアドレスで紐づきますので、もしアイコンを表示させたくない場合はお手数ですがこちらより涅槃の書の登録メールアドレスを変更してください。