不思議な力を呼び覚ます

私たちは個々自らでつくりだした
幻想の世界を生きてる

この幻想を”現実”と呼ぶのだけども
ゆえに現実は私たちそれぞれで違う

むしろつくりだされた幻想のなかに
(つまりその関係性の世界において)
“自我”が生まれるのであって
日頃の「自分」がここにいるわけだ

よって”本当のあなた”は
他者や日々の出来事に思考したり
感情を露わにする”自分”ではなく
まさにこの現実世界そのものにある

 

全知のあなた

たとえばいまこの文章がここにあるけども
これは私が書いたものを
あなたが読んでいるのではなく
“あなたが読んでいるもの”を私が書いている

つまり”書いてる私”こそがあなたなんだ

この視座にまで到達したならば
先に話した
「私たちそれぞれで現実が違う」というのも
その字義通りではないことがみえてくる

なぜなら”この現実”で見聞きする
すべての他者があなたであるからだね

しかしここで「自分の知らないことを
教えられたりするのはなぜ?」と問うなら
それはあなたが自分に同一化しているからにある

つまり”あなた”は
なんでも知ってるのであり
むしろ知ってるからこそ問うことができる

様々な知識や新しい文化だけでなく
未来のこともそう

あなたははじめからすべて知ってるわけで
だから”自分”はあなたに導かれているにすぎない

その導きが人生や運命と呼ばれているもの

よって本当のあなたは
“自分”のような個別的な存在でないわけで
無限の可能性のひとつの結晶としてある

そう、この”現実”のことだ

 

他者はいない

ゆえにあなたはあなた自身のなかで
自分や他者を創り出し
また体験する物事を創り出しているけども

より正確にいえば
“あなた”が構成されるとき
その内部で関係性が必然的に生じているにすぎない

無限の要素が集められて
そのうちの何かを認識するには
それ以外の何かが必要だからだ

話したようにこれを書いてるのもあなたであり
見上げた空に飛行機がみえたなら
それを操縦してるのも設計したのもあなたにある

だがそうしてあなた自身を認識するためには
自分という”あなたの反対物”が必然として生まれる

これもよく話すことだね
ダイヤは自らの輝きを知るには
ダイヤそのものから離れて眺めなければならない

つまり”自分”はその時々の
単なる”視点”でしかない
「あなた自身」を眺める視点にある

だから本当は客観的な世界しかないんだ

前にも話したことがあるけども
それはつまり
“他者しかいない”わけだが

他者しかいないというのは
自分がいないのだから
「他者は存在しない」ということにある

他者しかいないかゆえに
“他”者は存在しない

この一切のすべてが「あなた」なんだ

 

他なる者

ところがダイヤを離れた
単なる視点にすぎない”自分”は
他者と同じように自ら存在してると思い込んでしまう

つまり自分が存在してしまうわけだが
そうなると”他”者が存在してしまうことになる

魔法使いが自らの魔法に
閉じ込められてしまうという
そのお間抜けな出来事の発端は
“他”者が存在してしまうからにある

なぜかといえば
他者のまなざしに
自分を生み出してしまうからだ

あなたはいつも
「他人に自分がどう思われているか」を
気にかけているだろう

相手が家族であれ病院の主治医であれ
通りですれ違う人であれ
コンビニの店員であれ
他人の目に映る自分を意識している

いわば自分は他人によって
つくられてしまい
その自分を生きはじめてしまうわけだ

わかるかい

自我が”現実”に振り回され
その対処をし続ける限り
この幻想は永続していくというパラドクスにある

もちろん当初はあなた自身を知るための
(ダイヤの輝きを知るための)
ただの視点として自分はあった

だが自分が”自我”を持つとき
それは同時に他者が”存在”しているのであり
すると自分と他者のあいだに幻想が生ずるようになる

これはダイヤが自らを知るための現実ではなく
まったく不毛で実りのない幻想でしかない

この偽りの幻想から抜け出すには
幻想そのものを相手にしていては
だめだということだ

 

チャンスを掴むには「なにもしない」こと

ここで近い話を先日に
相談者の方へ回答しているので引いておくよ

──

他者は実在ではない。あなたにそのようにみえてる他者がいるだけだ。

かといって銀行強盗をしてやろうとか、他人の心を傷つける行為はもちろん「あなたの現実」によって裁かれることになるのであって、世界のなかに閉じ込められている自分からすれば「いったいどうすりゃいんだ」としかならないだろう。

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