マイペースが世界を変える

お金持ちになりたいと願うひとがたくさんいる。それはなんでだろうかといえば、ものがたくさん買えるからというよりも「働かなくていいから」ということが実は根底にある。

じゃあなぜ「働かなくていい」ことがそんなにも素晴らしいのだろうか?

それは時間の切迫から切り離されるからだ。もちろん仕事が好きという人もいるのだけども、彼らは自由に仕事に挑んでいる。つまり時間に支配されず、仕事を自分から推し進めている。あとで話すけども、この「違い」がとても重要なポイントとなる。

「いやいや、自分は支払いに追われていて、時間よりもお金がほしい」というなら、その焦りは「支払い期日」という時間に迫られているからだ。そこに気づく必要がある。お金を手に入れることはその焦りをどうにかしたい、未解決の問題を埋めたいという手段でしかない。

また、いつも落ち着かない気持ちであるならば、それも同様に心の奥底で時間に支配され続けているからである。

旅行に出かけていても存分に楽しめず、読書をしていても頭に入ってこない。これじゃだめだと次々と散財してしまう。だが何を手にしても心から楽しむことはできない。

だから盲目的にお金が欲しい、お金持ちになりたいと言っている人は、たとえそうなれたとしも常に縛られた感覚で生き続けることになる。「もっとお金があればたくさんものが買えてこの閉塞感から抜け出せるはずだ」なんていって働き口を増やしたり、高給になれるからと多忙なポストに就いたりしたらますます苦しむことになる。

1.

だが「すべて不幸の原因は時間にある」ということに気づいたら、世界の光景は途端に変わる。

別にお金持ちになる必要もなく、即座に満たされた人生を歩み出すことができる。その気づきにあるならば、働き口を増やしても多忙なポストに就いてもそれは関係がない。仕事そのものを楽しむことができるし、休日も存分に満喫している。

要点を逃してはならないよ。お金を払って解決することはたくさんあるけども「そもそも何が解決するのか」を知っていなければ、苦しいままにずっとお金を求め続けるだけの人生になるということだ。

「時は金なり」と言われてきたが、それはいろいろな意味が含まれた真実だ。しかし幸福になるためにはその意味を理解したうえで「逆転した方向」から捉え直さなければならない。

よって今回は私たちを支配し続けている「時間」について考察しよう。

2.

いつもあなたを容赦なく追い詰めるこの「進行し続ける時間」とはいったい何か。この時間とは「他者」のことだ。あなたが支払い期日や明日の仕事に思い煩っているとき、それは”自分ではない”「他者との約束」に思い煩っている。

仕事がスランプのときもそう。早く済ませなきゃという焦りは自分にではなく他者への面目に向けられている。

だから時間からの解放とは「他者からの解放」を意味する。これをまず頭に入れておこう。

先の通り、人は「お金が自分を豊かにしてくれる、苦しみから解放してくれる」と思い込んでいるけども、お金を得るにしても支払うにしてもすべて他者を介しているわけであり、お金の所有そのものを目的とする以上「他者(つまり時間)との拘束」に掴まれ続けるということにある。

3.

人間世界には2つの「時間」が存在する。

ひとつは出勤や支払日、締め切り、約束などからまったく切り離された「個人的世界の時間」となる。一緒に暮らす家族との家庭内での独自の流れ(食事やお風呂、就寝のタイミングなど)、そしてあなたなりのまったく無理のない過ごし方(娯楽など)が緩やかに流れている様子にある。

そしてもうひとつの時間の流れとは「外的世界の時間」である。

たとえばあなたの家庭と、よその家庭ではあらゆるタイミングが違うわけであって、なんらかの約束をする場合には「共通の時間」を定める必要がある。

そうして生まれたのが、今の私たちが理解している「時計」なのだ。実際「共通の時間」としての時間概念が人類に浸透したのはつい最近のことで、つまり資本主義社会の発展が関係している。

日本は江戸時代が終わって、つまり鎖国をやめて「開国」したわけだが、そうしてはじまった明治時代になってから、諸外国から工業化の波が押し寄せてきた。新しい社会の体系、すなわち資本主義が浸透しはじめる。

ひとりのオーナーが多くの労働者を抱える業態が、製糸工場などで現れるようになってきた。こうした日本の産業革命が起きたのは1900年ごろだから、まだ100年ほど前のことだ。

4.

だから「共通した時間」が生まれたのもほんのつい最近のことになる。このことから現代の私たちと100年前の人々との「幸福の概念」はまったく違うものだったことがみえてくる。

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  2. Ricchan3588 より:
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