無意味なことほど価値がある

スピリチュアルや宗教などに
携わっているなかで
たとえばこの世界の「外側」には

・大きな愛がある
・神が守ってくれている

そのように考えているかもしれないが
それは注意しなければならない

肝心のところを逃しているからだ

「外側がある」と考えていることさえも
内側で考えていることにすぎないからである

つまり現実という悪夢を包みこむ「天国」は
この現実のなかで作った幻想でしかない

どのような言葉を用いても
どのようなイメージを浮かべても
それはこの絶望のなかの希望であり
やはり絶望でしかないということだ

だから言葉というものを
まずよく理解しておく必要がある

 

1.

言葉というのは何かを言い表すもの
何かを表現するものであって
記号のようなものだといえる

人はまず「もの」があって
それに名前がつけられていると思っている

つまり犬や猫の「原型」があって
その原型に犬や猫という呼び名を
人間がつけたのだと考えている

だがこの論には妙なところがある

それはその原型というものが
本当に実在しているのかということだ

名前をつける以前にあるそれ

だがそれは
「この犬はニーチェという名前にしよう」
ということではなく

そもそもの「犬」という呼び名のまえに
いったいそこに何があったのか
ということだ

もしここであなたが
「犬と呼ぶことでそれは犬という
現象としてみえている」
と気づくなら鋭い洞察にある

つまり大いなるひとつを
言葉で分化することによって
あなたの現実世界は構成されている

だがその大いなるひとつを
「大いなるひとつがある」と
言葉で理解しようとすれば
それはすでに分化されたものなのだ

外側にある思っているものが
実は内側でみているにすぎないのである

 

2.

仏教やキリスト教など
宗教の真髄にはこうした
「真の外側」を内側にみてはならない
という絶対的な基礎がある

ゆえに偶像崇拝の禁止がされてきた

実際釈迦は
「仏像などを創ってはならない
そんなものを拝んでどうする」と言った

キリスト教やイスラム教も
その前身であるユダヤ教の戒律から
偶像を禁止していた

だが仏像もあるし
イエス像やマリア像があるのはなぜか

人は現実世界のなかに
閉じ込められているゆえに
その「真理」の意味がわからなかったからだ

だから後世の指導者たちは
まずそうした錯綜している人たち(凡夫)
のためのファーストステップとして
偶像を設置せざるを得なかった

いわば本来の「見えないもの」を
「見える」ようにしたのである

ところが彼らは
その偶像を必死で拝みこむことから
抜け出せない

自分の理想や希望を
その偶像に押し付ける

だから「神」は自分にとって
都合の良いものの象徴であり
己の創作物となってしまった

 

3.

これはあらゆることに言えることだ

あるアイドルを追いかけている
熱狂的なファンにとって
そのアイドルの存在が
自己充足の鏡になっている

つまり己自身を希望や期待を
そこに映し出しているのである

恋愛や何かに対する憧れなどは
まさにこの典型だといえる

購入する前はあれほど盛り上がっていたのに
実際手にすると気持ちが
消沈してしまうのはこのためだ

燃え上がった恋愛も同じであり
あれだけ結婚したい一緒になりたい
そう願っていたのに
いざ結ばれると何かが違う

目の前にいるのは
自分の親や兄弟なんかと変わらない
単なる生物であって
いったい何に対して熱情があったのか
わからなくなる

それじゃいけないと過去を振り返って
当初の気持ちを思い出すようにする

だが現実はやはりただの人間であり
自分の期待の大きさについてこれない相手に
いつもイライラする
ついには破局する

だが離れてみたらみたで
また不思議な幻想にとらわれる

一緒に暮らしていたときの
あのつまらない姿は
「自分のほうが変な幻想に囚われていた」と
後悔するわけだ

あの人の「本当のこと」が
見えていなかったのだとね

確かに「本当のそれ」は
見えていなかったのだろう

だがこの話の場合においては
一緒に暮らしていても
離れて気づいているつもりのそれも
どちらも己の幻想なのだ

外にあると期待しているものは
やはり内側にあるものをみているだけ

これが各宗教が偶像を禁止した理由であり
しかし何千年経った今もなお
人々の多くはやはり他者や
目先の物事に振り回されているわけであり
いまだ偶像崇拝の世界を生きている

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