最良の生きかた

犬は自らの感情を偽ることはしない。その意味で私たち人間がどうあるべきなのか、そのお手本を示してくれているともいえる。

彼らは生きている間ずっと己の生命を素直に喜び楽しんでいる。純粋で無垢であり、気持ちが開く相手となら種を超えて誰とでも仲良くなる。つまり自分自身に正直なんだ。これらはどれも私たちに欠けている要素だといえる。

自分の容姿が変なんじゃないかとか、自分は何のために生きているのかとか、自分だけ最低な家に飼われたとか、そんなことに気を病んだりしない。

つまり問題を自ら作り出すことはしない。そのため、人間みたいに保身を賭けた愚かな争いなどはしない。

 

人生が己に伝えているもの

このようなまなざしで世界を見渡してみれば、他の動物や植物も、そして椅子やドアノブや、さらには掃除や洗濯などの行為にしても、そのすべてが悟っている存在だったことがみえてくる。

言いかえれば、己以外のすべてが悟っているんだ。

どれほど愚かにみえる他人であれ、みんなが悟っている。なぜならあなたからみれば、その人はそれ以上でもそれ以下でもなく、つまりあるがままの存在だからにある。

ここが大事なポイントだね。

人生で関わるすべてはその姿を通じて、大事な何かを伝えているんだ。

 

お互いの思い出

さて、散歩についてはいろんな考え方があるのだけども、海岸沿いであれ自然公園であれ、私は犬たちを好きな方向に歩かせるようにしている。

尻尾を振って意気揚々と歩くその姿からは「今日はこっちのほうに歩いてみようよ、どんな発見があるだろう?」そんな冒険の喜びが伝わってくる。

こうして一緒に歩いた道を、彼は良い思い出にしてくれるだろう。だが同時にそれは「彼は良い思い出にしてくれただろう」と思えた私の思い出でもある。

彼らが幸せに満足して眠っているとき、私はその満足して眠っている”夢”をみているのであり、この私もまた、他者のみている幻にすぎない。現にいまもそうだね、あなたの夢として私は存在している。

私たちは私たちという”素材”をつかって各々の夢をみているが、つまり私たちがなければあなたも存在せず、だがあなたが存在しなければ私たちもいない。誰が私たちを知るのか。

 

最良の生きかた

この個と全体の不思議な関係を感得しているとき、つまり何かを得ようとしたり何かになろうとするよりも、”本当の己”は最初からすでにすべてを持っているのだと気づいているとき、あなたの世界がどのようであれ善き人生となるだろう。

なぜなら、”私たち”に欠けているものなど何もないからだ。

それゆえ、犬たちのように素直に生きるべきであり「すべてでひとつ」という実感において、”自分”を超越した生き方、すなわち、これまで求めても成し得なかった素晴らしい人生が開きはじめる。

個人的に開拓するのではなく、全体が一挙に開拓されるのだから

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