瞑想が到達するもの

何のために生きているのか?
いま目の前にある数々の重苦しい問題
こんなものの為に生まれてきたのか?

これらが古来より多くの人が抱えるテーマだ
答えはないから
当然、永遠のテーマとなっている

ある哲学者が人生を哲学する
ある画家は人生の意味など見向きもせず
ただその時の感性で描く

「何のために」
「目の前にある問題」
「こんなものの為に」

この3つは画家には見当たらない
彼はただ過ぎていく人生という風景を描く
喜びも悲しみも出会いも別れも
ただ過ぎていく
それを眺めている

哲学者は過ぎ去ろうとするものを追う
そこで立ち止まる
すべての出来事に意味を求める
だが答えは見つからない

瞑想とはここで話しているところの
画家になるということだ

何も必ず座って半眼をしなきゃならないわけでもない
狂ったように喜怒哀楽を吐き出すことでもない
あくまで歯車を押し出す切っ掛けとして手法があるだけだ
一度歯車が回りだせば何かをする必要もなくなる

瞑想とは観照のこと
あなたの外側で起こること
つまり五感で察知する物事
社会の出来事も、あなたの体の感触も
視界も聞こえる音も
それを感じている「あなた」を見る
そのエリアがある

そしてあなたの内側で起こること
思考や感情、そういった内部的なものも
それを感じているあなたを見る

あなたの見たことは、あなたの見たことであり
あなたではない
あなたの手は、あなたの手であり
あなたではない
つまりあなたが察知するすべては
内外限らず、他のものだ
察知するすべて、一体誰が察知しているのか
あなたはあなたを感じている
だからそのあなたは、あなたではない
本当のあなたは
そのあなたを察知している別の場所にいる
それがその「エリア」だ

そのエリアは最初とてもすぐ近くにある
だから少しの油断で
簡単にマインドに引き寄せられてしまう
だが徐々に普段のあなたとそのエリアの距離が離れていく
とても遠くにある部屋からあなたを見ているようになる
そうなってくると
もう簡単にはマインドには引き寄せられない
引き込もうとするマインドを容易に見据えている

ピッチャーマウンドとバッターボックスの駆け引き
選手同士はその世界に没頭している
だがあなたは観客席
もしくはテレビ中継で見ている
それほどの距離だ
ゲームに没頭している彼らを
そしてその駆け引きを、見ている

そのエリアの距離が離れるほど
複雑なことができるようになる
最初は食器洗いが精一杯だろう
それすら気が付いたらマインドの檻に戻っている
だけども離れていくと
24時間何をしていても
あなたは観客席からあなたのゲームを見ているようになる

傷付くこともない
悲しむこともない
失うものもない
苦しむこともない
悩むこともない

言葉で書けばそうなる

世界のすべてが愛おしいものになる
マインドからの愛じゃない
思考的な愛情じゃない
存在としての受容だ

過ぎていくもの
それだけで世界はできている
だからあなたは儚さを感じていた
恐れがあり
悲しみがあり
不安があったのだ

だけども
無数の光が過ぎていく
ただそれを眺める場所に到達したとき
あなたは何も過ぎていくものなどなかったことを悟る

ポケットに消えていくビリヤードボール
落とされた玉はもう戻らない
プレイヤーの勝負は緊迫していく
だがあなたはそのビリヤードゲームそのもの
プレイヤーからは玉は消えたが
あなたは玉を循環させているだけだ

光がある
街ですれ違った可愛い子も
こないだ食べた美味い料理も
すべて光だ
あなたの人生で、見えるもの聞こえるもの
すべて実体は光なのだよ
光のシャワーの中であなたは感じ続けていた

夜空を見上げなさい
星がある
だがそれは星じゃない
光だ

あなたが観照のエリアに
長くいられるようになってきたら
様々な不思議なことが起こるようになる
実は今までもそうだったのだが
まったく気付いていなかった
それに気付くようになる

そして時間が流れなくなる
つまり未来と過去が同時に起こるようになる
最初はそれまでの感覚とのギャップに迷うだろう
だがその違和感もだんだん薄れていく
何が事実なのか理解ができなくなるが
理解をする必要はない
そもそも理解できる類いのものでもない
そうあれば、そうなのだ
その意味もいずれわかるようなる

あなたがその人間概念を抜けきれたら
素晴らしい世界が待っている
まずは歯車を押し出すこと
だから瞑想を始めてみることだ
瞑想は「マインドの世界」で数千年も続けられてきた
マインドから抜け出すためにね
その起爆剤となる

あなたが一度瞑想的な生活を手に入れたら
もう技法にこだわることもない
その生活のすべてが瞑想となるからだ

そうしてすべてが光であるということ
様々な不思議なことが起こっていた
そういうことの原理が見えてくる
つまりすべてがあなただったということだ

何もかもを起こしていたのだ
あなたが知っているすべて
感じるすべて
それはあなたしか
あなたに与えることができなかったのだとね

あなたのその生活の中で
誰一人として実在せず
毎日の儚い出来事は
ただあなたの為だけに
あなたが経験させている
そういうことがわかってくる

だからすべて愛おしくなるのだよ
ただ「有り難い」という気持ちになる
その感謝で溢れた気持ち
それしかない
それだけの世界にいたのだ
まったくわからなかった

それがわかる

 


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  1. ONEPOINT より:

    コメント欄がないのでタイトルが近いこの手記にコメントさせてもらいますが
    新しく追加された「Meditations」というコンテンツは
    この画像を通して何かを掴みなさいということでしょうか。
    単なる写真集ではないと思いますが。

    • 自分 -涅槃- より:

      ONEPOINTさん

      私にとっては
      文章も写真も食べ物も
      さらには人も虫も空も
      すべて同じものだ

      単にマインドの解釈により
      それらが分断されているだけだから
      そうしたことが伝承できれば、
      ということで掲載している

      なんでもいいのだよ、全部同じなのだからね

      あなたも私であるし
      私もあなたの茶碗なのだよ

    • ONEPOINT より:

      そうでしたか。
      どうしても何か深い意味があるのではないかと
      思ってしまうのですよね。
      それならもっと気軽に見ようと思います。

    • 自分 -涅槃- より:

      ONEPOINTさん

      意味を持たせれば
      すべてが「意味のもの」となる

      だがそれはあるがままを認めていない

      水を水だとせずに
      ただ眺めてみなさい

      水を許してあげなさい

      そうすると
      水は水であることを捨て
      周囲の風景が溶け合わさってくる

      すべては(一)となる
      ワンネスだ

      それはマインドの認識を超えたもの
      すべての背景、
      シーンそのもの

      名付けることのできない「それ」

コメント・質疑応答

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