自己管理の法(番外)
デジタルツールの実践に入る前に
少し余談を挟もうか
私は「私の世界」を管理している
そんな細かいことをよくやるなあ、と
思うかもしれない
息苦しさを感じるかもしれない
「自分は何にも縛られず、そして何も縛らず
自由に生きていきたいんですよ」
そう言うかもしれない
だがね、あなたが自分の生というものを理解し
完全にコントロールできなければ
人生はただの浪費となる
あなたには憧れの人がいるかもしれない
憧れのライフスタイルがあるかもしれない
いまの生活環境を改善したいという願いがある
いつの日か、自分にも何かが始まるはずだと
ずっとそう思っている
時間の経過や周囲の状況で自分もそうなっていくと
いつも期待している
いつも待ち望んでいる
だがいいかい、残念だがそのままでは
死の間際までそれを「期待しているだけ」となる
待ち望むというループが何度も繰り返される
そして何も始まらないという真実を知ったとき
あなたは絶望に打ちのめされる
その絶望感が冥土への手土産となる
じゃあ人生とは一体なんだろう?
生きていることとは
一体なんのことなのだろうか
すべては「組み合わせた結果」である
以前、すべてはコラージュであると
伝えたことがある
様々な食材を組み合わせて
ひとつの料理を作る
太いマシンビートにジャズのワンフレーズを乗せて
ブレイクビーツを作る
いろいろな経験や感情の中を過ぎて
あなたが作られる
水は水素と酸素の組み合わせの結果だ
天才のアイデアも
既存の情報の組み合わせによるもの
ゴッホやモーツアルトも
人生経験という糧から名作を生み出した
ヒットする商売も
希に見る新発明も
客の心を手玉に取る商売女のトークセンスもそうだ
目の前にギターがあるならば
ボディの木材、スチール弦、牛骨ナット
そういった素材だけでなく
弦を弾くという行為そのものから
形状、音、思想、
それが物体であるということ
手で触るもの、など
そういう概念的なものも含めた
様々な要素の組み合わせの結果がギターであり
その限定的なトータルがタイミングを含めて
いまここであなたの目の前に出現しているのだ
原子レベル的な「要素」がこの空間には充満しており
その中からどれとどれを組み合わせるかが
このカタチの次元を「生きているということ」となる
つまりギターという概念の枠組みがなければ
ただ漠然と「牛骨」や「手で触ること」だけが
そこに落ちているだけなのである
あなたが目にしたり触れたり聴いたりするものは
すべて膨大な要素が組み合わさったものだ
因縁生起というマトリクス
そして、それは「もの」だけじゃない
日々の出来事もそう
あなたがコンビニに飲み物を買いに行くとき
その一連の行動には無限に近い要素が絡み合っている
それらの要素のどれかひとつが欠けていたら
あなたはコンビニに飲み物を買いに行くことはできない
コンビニへ行くという発想すらも浮かばない
すべて準備されているから
あなたはその行為を行うことができたのだ
それがこの連載で伝えている「枠」という一筋の光
つまり枠がカタチなのだ
コンビニへ飲み物を買いに行くというプロジェクト
それが起こることで
靴や自転車、その構成パーツに至るまで
すべてが光に照らされるようになる
自転車のダイナモを止めているボルトは
今日この瞬間にコンビニへ飲み物を買いに行くためだけに
存在しているのだ
その為だけにあなたのワンシーンに現れたのだ
ボルトを作っている工場で働く17歳の少年は
つきあっている彼女の誕生日プレゼントを買うために
アルバイトを始めたところだった
夜遊びに度々出かける彼女に
少年はいつも不安な気持ちでいる
まったくやる気の出ない仕事を終わらせて
今日も彼女に会いに行く
あなたの自転車のパーツは
その彼の手を通ったものだった
もう何年も前の話だ
だがその何年も前の出来事が
いまそのシーンに起きているのだよ
あなたが目にしている自転車というカタチが
17歳の少年を連れてきた
コンビニへ買いに行くという「カタチ」が
その過去を作り出した
過去はいま、ここにあるのだ
このように「コンビニプロジェクト」を分解すれば
いくらでもバックボーンが発掘されてくる
遺跡発掘地での恐竜の骨は
6600万年前から出番を待っていたのではなく
いまそこに現れたのだよ
それを構成している要素の要素、
さらにその要素の要素、永遠なる無限連鎖が起こる
あなたがそこで椅子に腰掛けているとき
椅子や肉体もそうだが
座るという概念、座ることのできる状況、環境など
あらゆるものを包括している
逆にいえば、それらの組み合わせで
あなたに「腰掛けていること」が起きているのだ
投げ縄を放り投げて
いくつかの商品を取り囲った様子と同じ
その取り囲った状態が「カタチ」だ
それをギターといい、椅子に腰掛けていること、という
すなわち
それが椅子であるかどうかなんて
誰にもわからないのである
あなたはそれを椅子と認識する
だが椅子の座面を歩いている蟻からすれば地面だ
椅子なんてものは
最初からどこにもないのだよ
ギターもなければ自転車もない
あなたもなければ家族もいない
水中で境界線を引いているようなものだ
すべて、あらゆる要素が絡み合い
それをそのように映し出しているに過ぎない
構成要素も無限にミクロ化していき
最後には、やはり「何もない」に到達する
この想念の世界、
想像力の世界
あなたは世界の本当の姿を理解する必要がある
だからそこに観ているものは
あなたが放り投げた輪っかの範囲内、
つまり「概念」なのだよ
人生を”楽しめない”方法
さて長くなったね
つまり人生とはカタチを感じるか、感じないか
そのどちらかの選択のことだ
自由に生きたいという気持ちはわかる
だがそれは制約の中で生きているから
そう思っているだけだ
もしそこを飛び出した後、
カタチを作らずに漠然とした世界に降り立つとき
あなたは虚空という不毛の地を歩くことになる
それは本来の場所だ
涅槃ともいう
だが不完全なマインドが
その場所に入るとき
気が狂うだろう
あなたは正気ではいられなくなる
マインドはその無限を受け止めるだけの
キャパシティを持っていない
60年代に世界的にLSD-25が流行した頃
多くの若者の精神が崩壊してしまった
LSDとは当時、仏陀マニアの心理学者が再開発、
パブリッシュしたもので
釈迦が得たといわれる悟りの意識状態へ
強制的に覚醒するための科学薬品だ
もしいまあなたが社会で
ネガティブに塗れているのならば
虚空に落ちる一歩手前にいる
その灰色の世界
その重く鈍い世界
何のために生きているのか
何で生まれてきたのか
そうしたマインドに囚われている状態で
「要素」の羅列だけが無限に広がる大地に立つとき
不安と虚しさという巨大な渦に飲み込まれてしまう
覚えておきなさい
生きることとは目的を作ること
すなわち、光を射すことなのだ
どこかから射してきて
あなたのヘッドが光るのではない
あなたが射すのだよ
あなたが光を射してその中を歩むのだ
それが「生」だ
繰り返すがね
やるかやらないか、だ
楽しむか、楽しまないか、だよ
あなたが人生を楽しみたいのならば
これまでそうならなかった原因を理解し
そして変えていかなくてはならない
まとめ
今回覚えておくべきことをまとめておこう
世界にはすべての材料が並べてある
あなたの光輝く投げ縄で
あれもこれもカタチにすることができる
だが縄を外せば真っ暗闇だ
マインドは恐怖に立ちすくむしかない
何をどうしていいのかわからない
あまりに臆病なので勝手な妄想に突っ走って
さらに強い不安を作り出してしまう
だからマインドを
うまくコントロールしてやる必要がある
制御の範囲で有効に活動できるようにするのだ
我が子の手を引くように
優しく誘導してあげればいい
見なくていいものは見せる必要もない
彼がやらなくていいことはやらせる必要もない
あなたが光を放たずにいるということは
その子を暗闇に置き去りにするということだ
ちょっとしたことで不安になって
すぐに大声をあげて騒いでしまう
だからあなたが守ってやればいいだけだ
それが自分を大切にする、ということだよ
気軽に「最高」を楽しめるようやっていこう
あなただけが、あなたの世界の管理人になれるのだ
それは責任を持ってやるべきことなのだよ
では次回
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素晴らしいです。
小説を読んでいるようです、はやく先が読みたくなります。
次回を、心待ちにしております。
梵天さん
ブログが不調でね
書いていた記事が飛んでしまった
現在調整中だ
ついでに以前の記事も少しずつ
修正している
移転前のブログのレイアウトに合わせていたものでね、
完成はしばらくかかりそうだ
何かが起きた原因を探ると結局すべてはビッグバンにまで行き着いてしまうのですよね。
人間社会では原因究明は大切なことですが、本当は「原因」などないのかもしれませんね。
ONEPOINTさん
その通り
原因とはいま作られたものだ
そして常にいまが結果なのだよ
大嫌いだった夫の姉、わたしのマインドをすべてまとった人です。だから大嫌いでした、今も嫌いですが…。
私自身を表現してくれてるんだなとは思いつつ、認めたくありませんでした。
今朝のwho am iの記事を読んで、まぁいいか…と思えました。一人ですべてまとってくれてるから分かりやすいわ!
夫が仕事の話しをする時、いつも自分のやり方が正しいのに皆は分かってない!と愚痴を言うのを聞くのが苦痛でした。
それも私でしたね。私は間違ってないのに、あの人-夫の姉-がわがままな人やから…と思ってました。
やっと少しずつ受け入れられるようになりました。
記事は途中までしか読んでないので、楽しみに待っています。
maychanさん
例えばその部屋にあなたとご主人がいる
当然あなたは
自分と、主人が、部屋にいる、と認識する
ではそこから1時間を経過させよう
いまあなたはひとりでスーパーに買い物に来ている
ご主人はいない
1時間前を思い出してごらんなさい
部屋にご主人がいる光景が蘇る
さてあなたはどこにいるのだろう?
しばらく考えてました。場面の中にいるのが私なのか…と。
私は、映画の一場面を見るようにただ見てるだけですね。その場面の中に私はいません。
それが1時間前でも一瞬前でも同じことですよね?
私は、アスファルトの道路に降り落ちる淡雪のように、落ちるそばから消えていくんだなぁと思ったのですが。
maychanさん
1時間前を思い出している、ということすら
そのスクリーンに映った内容だ
透明な無重力空間に
その現実がヴィンジョンされている
刻々と変化しているように見えるのは
時間が経過しているということではなく
見え方が変わっているだけだ
>その場面の中に私はいません。
その距離を維持できるよう努めなさい
涅槃の書・自分さま
4月よりブログを拝読しております。いつも更新楽しみにしております。
質問させていただきたいのですが、「私の世界を管理している私」とは、
「マインドに同一化した私」を指すのでしょうか?
いつもこちらで述べられているように、あなたが私と思う私は存在しない、
私と思っている以外のすべてのものが私である、思考と行動は分ける、
制約あってこその自由、枠を作りそこを流れる、全くその通りだと思います。
私事で恐縮ですが、先日悟りを開いたように、
10年以上苦しんできた気分変調(うつ病)が解消されたのですが、
治ったと思ったのと同時にこれまで私とみなしていた心的構成物が崩壊しました。
スコット・フィッツジェラルド「崩壊」三部作に描写されるような心境でした。
無気力でも不健康でもないにもかかわらず、これまでの私とうって変わって、
仕事をしたくない、学問もしたくない、遊びにすら行きたくない、
友人も恋人も家も車も欲しくないなどと、人間失格の心境が続いています。
人生にプロジェクト、目的を示すことがすっかりできなくなってしまいました。
私を失くした後に、私生活の見直しをするとは皮肉なものです。
遺品整理をするように、自室を埋めていた物品を売却&廃棄しました。
ベッドのマットレスを新調するとよく眠れるようになりました。
音楽スピーカーやアロマディフューザー、体重計を新たに購入し使っています。
アプリを活用して人生を再構築し管理できると素晴らしいとは思うのですが、
人生を管理する私、プロジェクトや目的を立てる私、
マインドをコントロールする私とは、誰(何)を指すのでしょうか?
変な質問で申し訳ないのですが、お聞きしたく思いました。
29歳さん
はじめまして
>私の世界を管理している私」とは、
>「マインドに同一化した私」を指すのでしょうか?
あなたがコメントしている「自己管理の法」に於いてはその通りだ
もっと上昇した視点では
悩み苦しむことですら輝かしい幸福なのだが
多くの人は自分自身に執着しているから
ネガティブやら不幸やらに自ら包みこんでしまう
だからマインドという性質を理解し
それをコントロールするところから伝えている
「自己管理の法」とはファーストステップなのだよ
マインドという私が「存在できている空間」に
意識を置くことが本来あるべき状態となる
>なにもしたくない
それまでなんの疑問もなく
マインドと同化していた人が
そこに疑いを見いだすとき
必ずそうした「虚しさ」に囚われるようになる
いわば経過点のようなもの
なぜ虚しくなるのかといえば
虚しさが本来の空であるからだ
つまりマインドはすべてに意味を求めていた
これをやれば、こうなれる
これを買えば、手に入る
だがあなたが向かっている先は
何の意味もなく
何の目的地でもない場所だ
当然マインドはついていけない
その様子が
いまのあなたの心に現れてくる
そのまま、無意味に進みなさい
やがて超える
自分さま
お忙しい中、早速なお返事をいただき、とても嬉しく思います。
>つまりマインドはすべてに意味を求めていた
>これをやれば、こうなれる
まさしく昔はこのような世界観で生きていました。
>だがあなたが向かっている先は
>何の意味もなく
>何の目的地でもない場所だ
>当然マインドはついていけない
>その様子が
>いまのあなたの心に現れてくる
>そのまま、無意味に進みなさい
>やがて超える
現状が不幸だとまでは思っていないのですが、
このまま変化を起こさなくて良いのかと思ったり、
新しい目的を立てることができず居心地の悪さを感じることが、
「マインドがついていけない」状態なのかもしれません。
そのような考えが浮かび「いまここ」にいないと感じられた時に、
音楽や匂いの力を借りて、過去や未来に向かう思考、
現状を否定する思考を打ち消そうとしたりしています。
私が向かっているのは、無意味で無目的な場所ですか…。
戴いた助言を心に留めて、もう少し様子を見てみます。
どうもありがとうございます。
29歳さん
>私が向かっているのは、無意味で無目的な場所ですか…。
その通り
あなたは今まで意味のあることや
理由のあること
そういうことを目的に生きてきた
だから意味や理由で満たされないときに
不平不満、欠乏を感じてきた
だがその意味や理由とは
マインドが勝手に作り出したものだ
無償の愛という表現があるが
そこには愛という漠然とした様子があり
愛する先への理由付けはない
意味や理由がないから
無限で永遠のものとなる
あなたはそこへ向かわなくてはならない
そこに到達するとき
一切のネガティブは消える
素晴らしい内容なのでコピーしようとしましたができません。PCを持ち歩くことはできないのでいつも手元で見たいのですが。
kouitiさん
遅くなってすまないね
メールの方も確認した
コピーできないとのことだが
特にそのような設定はしていない
あなたの環境がわからないが
全選択をしてテキストか何かに貼り付けて
印刷してみてはどうだろうか?
以前も書きましたが休みの日の時間の使い方がとても下手です。
ゲームやネットでダラダラするのも悪くないと思うのですが
それだからいつまでたっても変わり映えのしない人生なのかもしれません。
かといってスケジュールで予定を固めてしまうと息苦しさもあり
またアドリブがきかなくなりそうです。
やはり何もなくともスケジュールは立てたほうがいいのでしょうか?
ONEPOINTさん
あなたのいう、予定を作るべきか
そうでないか、とは
意識が外に向いてしまっている
だから迷うのだよ
そうではなく
内側に向けなさい
やるべきことは
勝手についてくる