自己管理の法(17)

あなたの目の前に広がる無限の空間は
あらゆる可能性(タスク)が敷き詰められている
いつもそこにいることを人は認識できない
水中で一生を過ごす魚が
水を知らないのと同じ

無限の空間からタスクを探し出し
心の負荷なく体験していくこと
それが人生を楽しんでいく秘訣なのだ

人生とは体験の連続である
言い換えれば体験することが人生であり
あなたの正体が空なのであれば
体験することそのものがあなたの存在性となる

タスクハンター

最初に5つのポイントを覚えておきなさい

・タスクに意味はない
・タスクは常に「いまここ」に起こる
・タスクは終わらせるためにある
・タスクとは「あなた」のことだ
・人生に起こるすべては「結果的にそうなる」もの

学校に通っているから
テスト勉強をしなければならない
生活があるから
働いてお金を稼がなくてはならない

あなたは卒業や生活費のために
生まれてきたのだろうか?

そんな何の奥深さもないちゃちな設定が
あなたの誕生や消滅という生命の神秘を
凌駕するとは思わないだろう
「何かが違う」
あなたはいつもそう思っている

そこであなたに伝えたいのは
目的という枠を作って
その構成要素(タスク)を浮かび上がらせたら
もう目的は捨ててもいいということだ

目的を捨てると
タスクを終わらせる快感だけが残る
怪物を片っ端からぶった斬っていく感じ
お使いゲームをバンバン進めていく感じ
タスクを見つけては完了させていく
いわばタスクハンターのような状態になる

これがサマーディだ
外科医は執刀に集中しているとき
ひとつに溶けているような感覚になるという
手術中の彼の頭に
目の前のこと以外はすべて消えている

人は最高を求めてどんどん増やそうとするが
物事を終わらせて抹消していくことこそが
最高のフィーリングを湧かせてくれるのだよ

あなたが存在している理由は
世界に出現したカタチを無に帰すこと
つまり出来事を体験することにある
決して目的を目指すことではない

目的という概念を忘れ
ただタスクだけに夢中になるとき
苦悩という重さはない
そうして気が付いたら
勝手に世界は平和になっている

世界を管理する

私はこの世界の管理を続けている
世界がどれだけ広いと聞かされようが
所詮、私の見えている範囲でしかない

つまり私の見ること、聞くこと、触れること
それらが行われている瞬間が世界なのだ
宇宙には中心も端もない
この意識が中心なのだ
私が歩けば世界も歩く
私が見れば世界も見ている
如来や菩薩に後光がデザインされるが
各々が意識世界の中心であることを示している

だからその世界を管理できるのは
あなただけとなる
どれだけの金持ちがいようが
優れた美男美女がいようが
すべてあなたが見たからそこにいる
彼らは実在しない

目の前にいる旦那さんや奥さんも
あなたの知ってる通りの姿でそこにいる
自己中や無神経だと罵倒するが
そのように見ているだけなのだ

だからあなたが世界を管理しなくてはならない
あなたの意識がすべてを幸せにする
そこにいる架空の存在たちに
笑顔が溢れるようになる

現実というハリボテの裏側では
エネルギーの脈動が常に起きている
体験が起こりだすとき
あなたの脳はヴィジョンという夢を見る

いくつかのデジタルツール

以前にも伝えたが
道具を使うことが重要じゃない
作り上げた観念を崩すこと
そのニュアンスだけを受け取りなさい

読めばわかると思うが
すべて瞑想的なライフスタイルを
支援するものだ

・Evernote

誰もが記憶を有効活用するために使うが
私はその逆で、記憶を抹消するために使う
つまり頭をカラにすることだけが目的だ

忘れないためではなく
忘れるために使っている

現在の分類は以下の2つ

・着想
・収集

着想とはインスピレーション、
思考せずに脳内にわき起こったものだ
歩きながらiPhoneに音声入力をすることが多い
ひらめきやハートを流し込んでいく

収集には外からのものが入る
ネットで拾った情報や魅力的なビラ
カフェや渓流などの収録音
スキャンした文書、公共料金
各種アカウント情報
Twitterや写真、体重などのライフログが
自動で流れていく

つまりEvernoteの中を見れば
私が体験したすべてがわかる
私の生きている世界が私を通過して
そのままここに集約される

だが記録したものを後から使うなどの
利便性や効率性は一切考えていない

もちろん確定申告と検索すれば
去年分が参照できるし
JPG パエリアなど入れれば
妻と楽しんだオリジナルパエリアの食卓が蘇る
内容にキーワードを含まないものや
別の意味を持たせたいものには
後からタグを付けたりなどもあるが
基本的にスルーだ

私にとってEvernoteは思考ツールではなく
積もり積もってくる体験を
マインドに掴ませないためのクリーナーだ

世界とは体験の集合である
活動的であるほど
入力が出力を上回っていく
そのとき覚えていなくとも
意識の深層では忘れていない
「忘れる行為をした」としない限り
潜在意識は掴んだ手を離さない

だからEvernoteにインプットする
もう忘れてオーケーだ、と
我が子に許可を出す
どんな素晴らしい出来事も辛いことも
体験をしたら忘れなさい
もういいのだよ

逆説的だが忘れるためには
「忘れることをする」必要がある
あなたがネガティブを手放したいのなら
紙などに書き留めて破り捨てることだ
行動が伴うことでリリースされる

嘘つきが自分のついた嘘を忘れる
それは「嘘をついた」という
行動を起こしたからだ
彼の中で「嘘」は消化されてしまった
もう手中にはない
そうして嘘だったことがばれる

そんなものだ
忘れるには外に出せばいい
そのためのツールがEvernoteとなる

・OmniFocus

タスクを見つけて終わらせていく道具だ

GTDなど効率的な使い方があるが
私はタスクさえ浮かび上がれば
それでいいとしている

Apple製品向けだが
似たようなアプリは多いので
別のものを選んでもいい

この人生でいろいろな経験をしてきた
これが終わったら一段落だ、などと
人生にはスパンがあると思って生きていた

だがすべて連結していたのだ
どこまでも続くレールのようなもの
だから見なければならないのは
そこに起きている個々のタスクである
タスクだけが事実であり真実であり
そしてあなたという生の本質なのだ

この話をしよう

オリンピックでメダルを取ること、
それだけを目指して生きてきた青年が
晴れて表彰台、金メダル、祝福の嵐
歓喜の中を堂々たる姿で凱旋をした
最高のハッピーエンド
彼の魂は世界とひとつに染まった

だが無情にも翌日はやってくる
奥さんの味噌汁の匂いと平凡なテレビ番組
さあ、これから何をすればいいのだろう
これがプロジェクト志向の罠だ

その枠のお陰でいろいろな体験ができた
トレーニングデイズ、栄光への軌跡、
後の妻となるマネージャーとの出会い
だが彼は目的から目を離さなかった
いつも先を見ていた

それが達成するなりすべてが崩壊する
もうトレーニングもない、情熱もない
その理由がないからだ
ギラリと輝く金メダルに
彼は人生を吸い取られてしまった

だが奥さんは違った
彼との日々だけを見ていた
彼が入賞しようがどうでもよかった
マネージャーとしての仕事
妻としての役割
そして一人の女として
すべての瞬間が愛おしいものだった
散りばめられた宝石のようだった
どこまで広がる永遠なる喜び
メダルがどこにあろうが
私はいま、味噌汁を作るタスクがある

彼はマインドの人で彼女はサマーディの人だ
躍動する体験の中を生きたいのならば
遠い先にそれを求めてはならない
いまここで感じられるものだ
決して目的志向になってはだめだ
それは人生の浪費以外の何ものでもない

そこでOmniFocus
私の使い方は至ってシンプルで
以下に該当するものが浮かび次第
どんどん入れていく

・やるべきこと(仕事や妻からの頼まれ事など)
・やりたいこと(映画、料理、アイデアなど)

あと前回にも記したように
OmniFocusはプロジェクトだけでなく
コンテキストを設定できる

・Mac
・電話
・車
・ホーム

私の場合は以上
いかにシンプルにするかがポイントだ

私は移動が車なので
買い物や役所廻りは「車」で片付いてしまう
わりと便利な場所で暮らしていることもあり
〜方面というコンテキストすらいらない
つまり車=屋外だ
自宅がオフィスを兼ねているから
仕事やら家庭での作業は「ホーム」となる

「Mac」というのはノートパソコンでの作業だが
屋外でそのコンテキストをプレイしたいとき
近くにあるカフェやファミレスでの
ノマドワークとなる

だから私は車に乗ってMacと電話を持ち運べば
縦横無尽にタスクを完了させていくことができる
‥という実感のあるシステムを
あなたも作ってみることだ
人生がとてもイージーとなる

もはや、○○の為のタスクという感覚はなく
タスクそのものがひとつの完結となる
そうして気が付いたら世界は平和になっている
最小の労力で最大の成果が起こり続けている

常に数十のプロジェクトを抱え
それらにぶら下がるタスクだけで200前後
そういう状況でさえ私は常にいまに在る
常に目の前のタスクだけに溶けている
OmniFocusはそのフローな状態を
サポートしてくれる便利なツールである

次回は残りのツールを解説する


Notes, タオ, マインドハック

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  1. 29歳 より:

    無意味で無目的な場所を、涅槃と呼ぶのでしょうか。
    悪くはないが続けていても無意味だと思う日々ですが、
    そんな時は「無意味」に溶け込むようにすることにしました。

    「OmniFocus2 ユニバーサルアプリ」を購入しました。
    どんなに小さい案件もinboxに入れて、期限とコンテキストを登録。
    デザインがスマートで、操作も気持ち良いです。
    Macでの2週間試用版もやってみました。

    タスクを可視化することから始めています。
    意味を持たないタスクの集合が「私」ならば、
    タスクから「私」を再び構成すべく試みます。

    タスクさえできれば目的を忘れてしまっても構わない、
    ぐらいなのは至極もっともだと同意します。
    ただタスクを作成するためには、やはり目的が必要となる。

    なんでもできるように感じられてきたのに、
    そうとも見られているのに、未だ願望を持つことができない。
    全く持たないということはあり得ないので、正確に言えば、
    タスクが多段化されたプロジェクトを発生させることができない。

    目的をいつも明確にしていた昔ならば、プロジェクトをすぐに思いつき、
    タスクもたくさん作ることができたはず。
    しかし「目的=私」が崩壊した今は、多段化されたプロジェクトを
    必要とするまでの願望が生じず、思いつくタスクの数が少なくなる。
    そんなジレンマが私に起きているのかなと思ったりしました。

    アンチョビパスタ
    ・ダイソーでアンチョビ缶を購入(車)
    ・スーパーでキャベツ半玉を購入(車)
    ・調理する(ホーム)

    廃品回収
    ・古本をヒモで縛る(ホーム)
    ・回収センターに持っていく(車)

    今はプロジェクトといってもこれぐらいのものですが、
    日付と手段が異なるアクションで分けると便利ですね。

    かつてはあったはずの、複雑で高い階層を必要とする願望は、
    「いずれ起こる」に任せるしかないのでしょうね…。

    OmniFocusが、毎日や曜日のルーティン管理には、
    あまり適していないこともよくわかりました。
    残りのツールの解説も楽しみにしております。

    • 自分 -涅槃- より:

      29歳さん

      無意味で無目的とは
      マインドの表現だ
      マインドはそのグラスが空ならば
      「なにもない」と解釈する
      コーヒーもジュースも入っていない、
      だからなにもない、とする

      だが真実とは「ないもない」が「ある」のだ
      あなたが何かを対象とするとき、
      先の例でいけばコーヒーやジュースがあり
      それを飲み干したとき
      「あったもの」が「なくなった」

      だが真実の視点でみれば
      常にある、となる

      コーヒーやジュースというラベルではなく
      あなたの生という風景はいつも変わりなく
      そこにある

      そこに気が付けばあなたには何の不足もなければ
      時間の経過すらなかったことがわかるようになる
      ただ漠然と「私はいる」となる

      OmniFocusはMac版もおすすめするよ
      レビュー機能やパースペクティブの設定は
      単純な思想ながら、
      実際に生活に取り入れてみると
      日常がますます気楽になっていく

      新しい手記でルーチン管理のツールについて触れてみたが
      次回はそれらを組み合わせた方法を
      私の瞑想的な観点で伝えてみようと思うよ

  2. より:

    自分さん、自分さん

    涅槃の書を書いてくれてありがとう。

    今日はお礼を言いたくなったから書いた。

    • 自分 -涅槃- より:

      鯤さん

      私もあなたに感謝している
      あなたの見ている世界に私が出現したように
      私の世界にあなたがいるのだ
      このブログを通じた他の人々もそう

      あなたが何かを発すると
      私が呼応する

      つまり私は反応でしかない
      その世界に起きた出来事に対応をしているだけでしかない
      だが私の世界でのあなたの動きとは
      まさに未知なるものだ

      私はその未知を受け取り、
      そして映し出す
      つまり私はあなたである

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