心は自ら不安になりたがる

私たちは常に流れのなかにいる
逆にいえばその流れこそが
私たちという幻想を浮かべている

あなたもそう
私もそう
この人間社会すべてがそうだ

思いや記憶は流れの残像にすぎず
未来について考えていることでさえも
それは未来じゃなく
過ぎ去ったあとの残滓にすぎない

つまりいまここで
すべてが起きているだけなのだ

ではその流れについて
私たちはどのような手立てが
できるのだろう?

実は何もすることはできない

これまで進学や生活上のことなど
様々な問題解決に励んできただろう
だからこれからも自力で
頑張らなければならないと思っている

だがそうじゃない
あなたは何もしていなかったのだ

時が来てカードが揃っただけ

知性は起こり
身体は動き
状況はその道を開きはじめる

ただそれらに従って
動いていただけなのである

つまりあなたは全体を信頼しないから
いつも落ち着きがなかっただけなのであり
それが不安や焦り
そして努力へと向けられていた

だが実際は物事は改善するまでもなく
ひとりでに改善されてきたのだ

 

1.

あなたは自分のことばかりだろう

「自分はどうすれば幸せになれるのか」
「あれを選べば自分が損するじゃないか」

いつもそんなふうだから
すべてに委ねるということが
怖くてできない

だからいつも余計な遠回りをしている

そうした個人的な考えとは
知性からのものではない
ありもしない仮象のなかを
闇雲に足掻いているだけである

もちろんそれでも全体は流れ続けている
その流れのうえであなたが勝手に
妄想を浮かべているのだ

たとえば人間の赤子は
自力では生きてはいけない

あなたがいまそこにいるのは
育ててくれた人々や
人間としての素養を学ばせた
社会があったからだ

あなたは言うだろう

「そんなの当たり前じゃないですか
親や学校があったから
自分はいま生きているのです」

それらがあったからこそ
自分はいま存在していると言うわけだ
食べ物も空気も太陽も
なんでもそうだとね

だけども私が言っているのは
そんなことじゃない

それらは一体「何なのか」ということだ

それらはあなたがいまそこに
存在していることの裏付けとして
記憶のなかに用意されたものではないのかな

 

2.

人間は根拠や理由の集成として
ここに存在している

それはまるで砂で作った
お城のようなもの
ひとつひとつは砂粒なのであり
それはお城ではない

人間がそうであるということは
つまり人間が見ている世界が
すべてそうであるということだ

自分を構成する砂粒のひとつが
「本」ゆえに世界のなかに
「本」を見つけることができる

だから事物を捉えようとするとき
根拠や理由を据えなければ
どんな物事も自分のなかで
証明することができない

そうだろう?
新しい何かを理解したり納得するには
自分がすでに知っている何かを
引き合いに出して
それと照合しなければならない

だから「理解しようとする限り」は
それがどんなに偉大なものであれ
己の枠を超えたものとして受け取れない

必ず「自分の理解できるレベル」にまで
圧縮される

成功者の話をきいても
「なあんだ、そんなことか」と
収まってしまう

上司の顔をみるだけで
嫌な気持ちなってくる

つまり何かを理解するためには
既知という財布から
それ相応の対価が必要だということだ

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