エンドロール
パッケージに期待して借りたのに
退屈だった映画は多いだろう
最近は内容よりも
宣伝を派手に打つことで
注意を集めようとするから
特にそんな経験が多いかもしれないね
これは娯楽だけでなく
人間そのものもそうだ
見せかけばかりで
あとは使い捨てみたいな
そんな生き方をしていたら
あなた自身も周囲も楽しめない
確かに興行成績を伸ばさなければ
投資した資金の回収さえできない
だが近年の傾向として
最初に「これはこういう話ですよ」なんて
結末まで見えるようなPRを打って
そこまでの映像美や構成の流れを
楽しんでもらおうとするような風潮がある
つまり物語の本質ではなく
二義的なものが売りであり
いわば遊園地のアトラクションを
体験してもらうような感じになっている
成績を怖がって冒険できないゆえに
はじめからわかっている要素を
お約束的に楽しんでもらおうとするわけだ
だが映画の本質はその物語の展開にあり
それ自体が冒険的なものゆえに
冒険者が冒険をしていないことになる
だからそのまったくの予定調和に
観客も「冒険ができない」わけである
「私たちはこれだけのことをやりました
さあ、楽しんでください」
しかしさあ楽しんでくれといわれて
“楽しまなければならない”のは
それはまるで目の前でいきなり自慢の歌を
聴かされているような状況と変わらない
じっと我慢しながら歌の終わりまでに
適切な感想をみつけなければならないという
観客への強制的な押し付けでもある
ところがさらに厄介なのは
そのあまりに鉄板なビジネスが
常態化しているゆえに観客の側も
「想定できないものには手を出さない」
という常識が生まれてしまっていることにある
つまり人々は
笑いや感涙といった感情でさえも
既成の何かに引き出してもらわなければ
表現できない様子になってきている
実際SNSやらを眺めてみれば
「これは楽しかったです、おすすめです」
というような
まるでそう言わされるしかないような
偽りの肯定さで溢れかえっている
いや、確かにそれは楽しかったのだろう
それは本人には素直にそう思えたものだ
私はそこを言っているのではない
ただ「これは楽しいですよ」と
提供されたものだけを
楽しいものだと錯覚しないように
気をつけなければならない
いまの世の中はそのような兆候が出ている
つまり「真に肯定する」ということの意味を
誰もが見失っているゆえに
「おすすめ」と言われる場所にしか
向かうことができない
“それ以外”のものを
買うことも
好きになることさえもできない
こうして社会は相互的に
「つまらない世界」を積み上げていく
最近はショッピングモールなどに
出店しているアパレル店舗などが
売上げの低迷に苦しみ続けている
「いま何が売れるのか」
「いまターゲットにできる客層はどれか」
そうやって”調査”したあげくに
結果どの店に入っても同じ服が売られている
当然価格の叩き合いとなり
低迷するのは必然的なことだといえる
以前のような独自のブランド性は失われ
かといってそれを再興したところで
もう低価格に親しんだ客はついてこない
これら悪循環の根源はすべて
「未来(結果)」を想定していることにある
では常に危険に身を晒せば
いいのかといえばそれは違う
その「常に危険に身を晒そう」という
意図さえも予定調和であるからだ
だから視点を逆転させよう
そもそも「意外な展開をする映画」が
面白かったのはなぜなのだろう?
そこに人生をハッピーかつ
エキサイトさせる「鍵」があるのだ
1.
たとえばその映画を観ているあいだは
いったいどうなるのだろうかと
先の見えない展開にハラハラしていた
それがどうして
「面白かった」と言えるのか
それは観終わってから
「そうか、物語の途中のあれが
実はこういうことだったのか」と
それまでの全貌が”明らか”になったからだ
つまりPR重視の映画紹介は
先に未来を「提示している」が
本当に面白い映画とは
「後になって過去がつくられる」ことにある
実際己の人生もいま振り返れば
どんなに小さな物事も
一切の無駄なく
関係していたことがわかる
人生とは常に「いまの地点」という
映画のエンディングにあるわけで
言いかえれば「いまの地点」を
どう捉えているかによって
過去のすべてはその与えられる意味が
「変化する」ということにある
これが現実変容の要となる
人々は過去ではなく未来を想定して
現実を変えていこうとするが
それは神でさえ失敗するだろう
なぜなら未来は
「まだ何も起きていない」からだ
その空白に何かを描こうとするとき
人は短絡的に
「将来のヴィジョンを描くもの」だと
取り違えてしまう
いつかはこうなりたいとか
いつかはあれを手に入れたいとか
それは当然
「いまの地点」とは異なるものだ
もちろんそうでなければ
夢見ようとしないわけだからね
だがいまの地点とはかけ離れたものを
呼び寄せようとするゆえに
いつまで経ってもそれは実現してこない
だからそうではなく
「面白かった映画」の法則に従うことだ
すなわち映画のエンディングを
ハッピーに捉えているならば
それまでのすべては
幸せに基づいたものであったとなる
現実という文字をひっくり返せば
実現となるように
すでにいまあるものを
別の風に「組み替えること」で
新しい世界が広がるのである
Notes あなたの世界, あるがまま, ゼロ, タオ, ワンネス, 不幸をやめる, 世界を変える, 創造, 宇宙, 幸せになる, 愛, 永遠, 無為自然, 生き方, 豊かさ
関連記事
- PREV
- 己の「毒」を捨ててはならない
- NEXT
- 溢れる光のなかで世界と戯れる
コメント投稿の注意事項
以下をかならずお読みください。
・公序良俗に反する内容、品性に欠いた文章、その他、閲覧者に不快感を与えると判断された投稿は掲載不可の対象となりますのでご留意ください。コメント欄は常時多くの方が閲覧しておりますことをご理解の上投稿してください。
・会員記事のコメントはログインしないと表示されません。
・会員の方はユーザー名が入ってしまうので別名をこちらで申請してください。必須。
・追記などを投稿する時は自分の最初のコメントに返信してください。
・記事に無関係な投稿は禁止です。良識範囲でお願いします。
・ハンドル名が変わっても固有idに基づき本人の同一性が保たれます。
・対応の状況によりすべてのコメントに作者が返信できるものではありません。
・規定の文字数に満たない短文、英文のみは表示できません。また半角記号(スペースやクエスチョンマークなどの感嘆符)は文字化けなどのエラーになりますので使用しないでください。使われる場合は全角文字でご使用ください。
・他の利用者を勧誘や扇動する行為、誤解を与える表現、卑猥な表現、犯罪行為を正当化するコメントなどは禁止です。また全体の文脈の意図を汲み取らず言葉の端や表現に用いられた構成部分だけを抜き出してその箇所のみへの質疑や意見する投稿も当事者にも他の閲覧者にとっても無益となりますので禁止です。それら意図がなくても事務局でそのように判断された場合はその箇所を修正削除させて頂いたり、または掲載不可となりますので予めご了承ください。
・同一者の投稿は1日1〜2件程度(例外を除く)に制限させていただいております。連投分は削除させていただきます(コメント欄が同一者で埋まり独占的な利用になってしまうのを防止するためであり日を跨いだ投稿も調整させていただく場合があります)
・個人情報保護法により個人情報や会員情報に関する箇所が含まれている場合は該当箇所を削除させていただきます。
・投稿内容に敏感な方も多くいらっしゃいますので、暴力的な表現など他の利用者様へ影響を与えそうな文面はお控えください。
・意図的であるなしに関わらず、文章が途中で途絶えているものは掲載不可となります。もし誤って送信された場合は早めに追記として再投稿してください。
・マナーを守らない場合は規約違反となります。また他のユーザーや当事業部、作者への中傷や毀損と思われる言動は会員規約に則り強制退会および法的措置となりますのでご注意ください。
・投稿者による有料記事の大部分に渡る引用は禁止しております。
・スパム広告対策にセキュリティを設定しております。投稿後に承認待ちと表示される場合がありますがしばらくすると表示されます。また短時間の連続投稿はスパム投稿とみなされるため承認されません。時間をおいてください。
・コメントシステムはWordpressを利用しておりますので他でWordpressアカウント(Gravatar)を設定されている場合、アイコン画像がコメント欄に表示されます。会員登録されたメールアドレスで紐づきますので、もしアイコンを表示させたくない場合はお手数ですがこちらより涅槃の書の登録メールアドレスを変更してください。