あなたは最初からすべてを知っている

今回の話は科学そのものが幻想であるという帰結になるのだけども、とりあえずその足がかりとして実体的な観点から進めてみよう。

よく本書でとりあげるベンジャミンリベットの実験報告をはじめとして、現在の認知科学(脳科学や神経科学、エピステモロジーなど)が出した答えのなかで最も重要なのは、それは私たちが「現在に生きていない」ということだ。

たとえば自分の指を動かすとき、当然自分が指を動かせているつもりで指を動かしている。だが実際に指が動いているときというのは、私たちが指を動かせている「つもりになる少し前」に、すでに指が動くための電位(指示)が脳に発生していたのである。

この意味がわかるかな。

つまり己が意志する以前に、己の体はすでに「なんらかの力」によって動かされることになっていたのだ。つまり私たちはその「なんらかの意志」を自分の意志だと思い込んでいるにすぎない。

言ってみれば動いた後のものを、それは「自分が動かした」と説明をつけてみているのである。

よっていまリアルタイムに見ている世界(認識している世界)はすべて、とうに過ぎ去っている世界を「いま思い出して、そしてそれをいまのことだと思っている」状態にある。

1.

意識は0.5秒遅れて物事を浮かべている。車の運転中に人が急に横切って急ブレーキを踏んだとき、そのブレーキ動作が実際には0.1秒後のことであっても、それでも意識は0.5秒後になってようやく「あ、人が飛び出してきた」と知る。

つまり意識が知るときには、人が飛び出したことはおろか自分がブレーキを踏んだことさえもすでに完了しているのだ。だが意識はその一連の説明において、人の飛び出しもブレーキ動作もリアルタイムに行なっていたと話す。「飛び出してきたのが見えたのですぐにブレーキを踏んだ」とね。

つまり過去に起きたことを「現在のこと」だと思い込んでいるのである。いまもあなたは「己」ではない他の何かが体験していることを、あとで己の体験だと置き換えている。

ここに「心の世界」のトリックがある。

2.

まずここで重要なのは、普段私たちが自分の存在の実感として感じている「意識」というもの、そして直接的に意識することができない「無意識」という2つの領域があるということだ。

すなわち私たちの体を動かしているのは、無意識による意志であり、その巨大な無意識層(深層意識)のなかに己の意識(表層意識)があることになる。

意識は無意識に完全に支配されている。意識がどれだけ好きなことを述べたところで、それは「述べさせられている」のだ。

この原理を突き詰めていけば、「シンクロニシティ」や「運命の出会い」といったもの、また「嫌な予感」や「デジャヴ」などが容易に解明できることになる。無論、最初から「実はわかっていた」からだ。

この「実はわかっていた」をわかることができるのが瞑想であり、つまり表層意識を抜け出るということにある。

3.

だがこのことを真に理解するには、深層意識に到達するだけではまだ浅い。つまり無意識層の外にまで飛び出さなければならない。その外の領域を今回は仮に「超自然」としておこう。よく私が「砂漠」と表現としているものだ。

つまり意識→無意識→超自然となる。

私たちは常に「無意識」に見せられてる夢のなかにいる。つまりこの世は夢そのものだといえる。

「意識が体験するよりも先」にこの夢は現れている。つまり私たちは「最初から」騙されている状態にある。だから「この世」のなかではどこにも自分を騙しているものを見つけることができない。これがタネの見つからない手品である「現実」のカラクリなのだ。

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