目覚め

観ていた映画が
夢のなかに出てきたことがあるかもしれない

もちろん物語や設定がそっくり同じではなくて
その映画のワンシーンやわずかな共通点が
みている夢に重なるような感じだね

たとえば少年が主人公の話で
河原で笛を吹く老人をみたシーンがあったとして
それはほんの数秒のことだったけども

そのあとの夢のなかで
あなたの家族が土手に腰掛けて
ハーモニカを練習していたりするわけだ

広々とした場所や吹奏楽器
そして何かに取り組んでる誰かの姿

しかし目覚めたときに
「昨晩みた映画と同じだ」と気づくことは
あまりなくて

変な夢だったなと思いながら
忘れていくことが大半だろう

 

潜在意識

さて、これと同じことが
眠っているときの夢だけでなく
普段の日常でも繰り返されてるわけでね

つまり先の例でなら
広々とした場所や楽器
そして何かに取り組んでる誰かの姿が
現実の光景に”重なって”起きてくる

映画でなくても漫画でもテレビドラマでも
ネットでみた誰かの話でもそう
さらにはあなたが日頃心に浮かべる妄想もそうだ

あなたが知覚する情報は
意識の深いところに潜在して
他の記憶と絡み合う

だが夢に出てくるときと同じで
そのことを掴み取っている自覚はない

つまり「さっきみていたのと同じだ」と
気づかないかぎりそれはただ
“現実”としてあるだけとなる

 

現実が夢

ここで注意しておくべきことは
むしろそれこそが
あなたの現実のすべてであり

たとえば「さっきみた何か」が
いま知ってる人の姿に重なって現れてるからといって
それは”夢ではない”ということだ

「さっきみた何か」のように
その人とトラブルになって
大きな問題を抱えることになったり

または素敵なサプライズがあって
そこから関係が進展したりして
あなたの現実は紡がれていく

まさにそれこそが現実にある

だが言いかえれば
“夢”しかないからこそ
このすべてが現実なのだということ

それゆえ理解しておかねばならないのは
辛い現実をいつか抜け出して
遠くにある夢をつかもうとするのではなくて

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