幸福はみえないもの
ごく当たり前の風景があるだろう
見慣れた部屋、家具、家族
つまりあなたの日常だ
だがね、その「ごく当たり前」とはなんだい?
そうして糸を辿ると
ふと気付くときがある
なんでこの人は
いつも私の世界にいるのだろう?
なんでこの椅子はここにあるのだろう?
記憶を辿ればたしかにストーリーはある
椅子はあのとき買ったものだとか
もしくは貰ったものだとね
だがそうじゃない
いま目の前に椅子がある
ただそれだけが真実なのだよ
どのようにしてそれがあるかなんて
真偽を確かめることなどできない
真偽すらないのだ
事実はただ目の前に椅子があることだけ
なぜか同じ人がいつもそばにいるだけ
そんなごく当たり前の風景
なんでもない日常
あなたにとって退屈なものだろう
何の刺激もないから外に出掛けたくなるが
それもいつも同じ繰り返し
いつも同じ人との同じ会話
いつも同じ光景
退屈を取り払ってくれるような
刺激は見つからない
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ところがある日「不幸」に陥ったとき
いつもこう思うはずだ
「あの何でもなかった日に戻りたい」とね
でももっと不幸な日々がやってきたら
こないだまで不幸だと思っていた日々が
まったく幸福だったんだと気づく
つまりあなたはいつも幸福にいるのだよ
たしかに何もなく退屈で
ただその日常があるだけ
だけども「それこそが幸福」なのだ
だが幸福は幸福として
捉えることができない
捉えようとするならば
不幸の草を噛みしめなければ
ここが幸福なのだと認識できないからだ
Notes あなたの世界, マインド, 世界, 幸福, 観念