自己管理の法(5)

ところであなたはその人生を
どのようにありたいのだろう?
有り余るほどの金持ちだったかな?
やりたいことをやれる自由な環境?
趣味などを突き詰めたい?
それとも甘い恋愛かね?

それらは「ある状態」に戻りたいがための
単なる手段であることを覚えておきなさい
金でも恋人でもなく
それらを通じて得られるハートが欲しいのだよ
あなたが遠い昔に包まれていたものだ

自己啓発でもスピリチュアルでも
手段が目的とならなければ向かう先は同じ
それらの教えの先には至福、
ノイズレスなマインド
つまりリラックスへの到達ということになる

例えばいま私は
自宅近くのカフェでこれを書いている
MacとiPhone、そして香りの良いコーヒーだ
木曜日の午前10時
賑わう店内、BGMにピアノジャズが流れている

この人間という着ぐるみを着た私は
様々な体験をしてきた
あらゆる地獄の底を這いずり
絶望と悲惨の数十年間だ
もはやそれがデフォルトであると諦めても
隣をみれば豊かな人々が笑顔で暮らしている
この違いはなんだろう、とね

それがお前の運命だよ
そう言う知人に怒りと悲しさを覚えていた
選んだわけではない
そう思っていた

だがそうじゃない
選んでいたのだよ
私が地獄をチョイスしていた

義務感から他人のケツを拭き続け
私はすべてを失い
それでも拭き続けた
便器の中にまで入って拭き続けた
最終的な私の答えとは
人生とはクソ以外の何物でもないということだった
たちの悪いジョーク
惨殺される為に送り込まれる兵隊のよう
最初から勝ち目はない
嫌な気持ちを経験するために
私は生まれてきたのだ

酷く辛い生活環境を脱するには
自由が必要だと思っていた
「自由が必要」とはおかしな話だがね

迫り来る正体不明の焦燥感に襲われ
何をやっていても落ち着かない
人と関わり合うことも
避けるようになっていた

いつも考えていたものだ
何かが足りない
そのよくわからないものを
一体どうやって求めればいいのだろうかとね

空が晴れた日

平日の午前、カフェでこれを書いている
いま私の頭はスッキリしている
とてもクリアだ
今日のルーチンはすでに完了しており
有り余った時間を優雅に楽しんでいる

次にやることはマインドが準備している
何がどうなっているのかすべて知っているから
不安も恐れもない
以前まで私を散々に苦しめていた彼は
いまや忠実な執事だ
マインドは私に世界の楽しさを経験させてくれる
すべて順調に事を運んでくれる
そのような関係になっている

私はこの「私だけの王国」でいつも遊んでいる
現実逃避でもビョーキでもない
好きな時にマインドと共に冒険し
新しい刺激を楽しみ
新しい人々と知り合う
そしてまた好きな時に無限の世界に漂っている

現実が「現実」であるなら
これが「生」のすべてであるならば
取り組み方を変えればいい

自由であるとは
「無制限である」ということではない
どんな状況が訪れようとも
それを楽しめるかどうかのことだ
だが苦境を楽しもうとしてそうするのではない
そんなものただの拷問にしかならない

ここ最近テーマにしていたことだが
あなたが自分の不幸を受け入れて生きるとき
心の抵抗を全く感じないまま
「NO」が言えるようになる

なんでもかんでも
NONONO!
と言い放つことができる
そこには躊躇がない

完全なる断言
そこに真の自由がある

大地に枠を立てる

あなたが自由になりたいのならば
制限を作ることだ
逆説に聞こえるだろうがそうではない
自由と制限はそれでひとつ
つまり枠があって
あなたは安心して自由に泳ぐことができる

制限のない自由を探すから
見つからないのだよ
そんなものはない

アイドルを目指して
親が裏金を渡してそうなっても
彼女はすぐに飽きるだろう
スケジュールに追われるだけの
単に不自由な日々だ

だがストレートに入門したのなら
そこに行き着くまでの過酷なステップ
いつ降ろされるかわからないというリスク
だから輝くのだ
心から喜び合うのだよ
あるひとつのカテゴリーの中で
「それそのもの」になる
それが自由というものだ

精神性の解放、つまりカタルシスとは
枠を前提とする

これらはマインドをラクにさせる話
だからマインドを躍動させたいなら
枠を与えてやれば良い
会社勤めで疲れ切り
やっとの連休が訪れても
何をしていいのかわからない
そんな経験があるかもしれないね

つまり先の見えない広大なフィールドでは
マインドはまったくの役立たずなのだ
怖がってどうにもならない
動こうともしない
だからポイントからポイントまでのエリア
つまり制限を作る必要がある

ただしそれは人生の檻という意味の制限ではない
「現状を知るという制限」だ
いまあなたはどういう状態にいるのか
それを知らなければならない

いくらのお金があり
それはいつ尽きるのか

どれだけの活動時間があり
今日はどれぐらいの空き時間ができるのか

あなたは何も知らない
だから不安なのだ

だだっ広いフィールドに
ポツンと置かれたマインド
これがあなたの渇望していた
無制限の自由だ
そこで何をするのかね?

日曜日にテレビゲームをしていても
落ち着かない理由がこれだよ

不幸とは何かを見極める

マインドの視点では
不幸=制限となる
つまり彼にとっては
現実=不幸だ
なぜそんなにもマインドは
不幸を生みたがるのかわかるかい?

彼は不幸の中でしか生きられないのだよ
これがヒントとなる
つまり、不幸とは不幸ではないのだ
マインドの生息地
執事の部屋
彼はそこを拠点とする
彼らが恐れるのは
境界線が見えないときだ
ちゃんと居場所を与えてやれば
彼らはとても活躍する
能力をフルに発揮する

彼らの居場所、つまり制限こそが
あなたへ至福や自由を沸き起こす
パワーの源となるのだ

よく覚えておきなさい
制限とは不幸というジャケットを
羽織ることで見えるあなたの王国のことだ
その王国で遊ぶとき
不幸とはただの幻だったのだと気が付くのだ
その素晴らしい居心地の良さに
あなたは驚くだろう

その懐かしさ
その優しさ
その高揚感
「そう、私はこれが欲しかったんだ!」
心から喜びの声を挙げるだろう

彼とあなたという2面性

マインドは二元性の賜物だから
二元世界から出そうとすると
途端に恐怖に怯え始める
もちろんあなたが恐怖に駆られる

彼には彼のスタイルがあるのだ
現実とはマインドの舞台だ
カタチの次元の住人

ところでいつもの「意識の講釈」とは
指さす方向がまったく逆向きだから
このシリーズを読むときは注意が必要だよ

あなたがこの夢の世界で自由に生きたいならば
マインドの奴隷をやめなければならない
あなたが主人だということ
それに気が付くには
マインドの反乱をどうにかしなければならない
だがいまのあなたは
彼の暴動を抑えることは難しい

そのカチコチの現実レベルをどうにかする法が
このシリーズとなる


Notes, タオ, マインドハック

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