幸せへのチケット(前編)

恋愛に友情に仕事に、人生を楽しんでいるかね。どうすれば楽しめるのかといえばそれは簡単なことだ。あなたがそれを「創ればいい」のだ。

今回はこの単純ながらもなかなか理解し辛いプロセスについて、その原理と実践について3回にわたって連載していこう。大事なのは固定観念のネジをいかに緩めて、心のなかを再構築していくかということだ。

 

さて、恋に人間関係に働くこと、毎日を暮らしていくこと、それらは人生の苦悩の代表項目でありながら、だけどもそれらなくして人生で何を楽しむというのだろうか。歯が痛いときや怪我をしたとき、治療で麻酔を打って痛みが麻痺すれば、神経なんて「邪魔なもの」だと思うだろうけども、でもそれがあるから愛する人や動物たちの柔らかさや温もりを感じることができる。

でも多くの人たちは痛みばかりに目を向ける。孤独という痛みから抜け出たと思えば、今度は出会った他者への苛立ちという痛みに悩まされる。その過敏すぎる神経は、世の中を不条理なものとしてしか映し出さない。

1.

人はそうした苦痛から抜け出したいがためにスピリチュアルや宗教の門を叩くけども、それは全身に麻酔を打ちにくるようなものだ。単なる一時的な解放であり、そしてその誤った見解から「人間の心を失えばいいのだろうか」という疑問がつきまとうようになる。

結局は何からも抜け出せていないのだ。どこまでいこうとも、何を会得しようとも、それがどのように新しいものにみえたとしても、同じ構造のなかで走り回っているだけでしかない。

つまり恋愛にせよ芸術にせよ「すでにあるもの」を楽しもうとすれば、それはゲームに参加していることになる。するとそのルールに縛られる。その通りにやらなければならないという心の制限が起こる。ゲームは勝利してはじめて価値を持つものだからね。

だけどもあなたが「独自のゲーム」を創造しているならば、勝っても敗けても「楽める」ようになる。

2.

その「楽しさ」はこれまでどこをどれだけ探しても発見できなかったものだ。

だからいまこの話を聞いても「負けても楽しい? それって失恋してもお金を失っても病気になっても楽しいということ? 冗談じゃない。とてもそうは思えない」と言うだろう。

だがそれはいまあなたが「気づかずに参加してしまっている損得のゲーム」のなかでこの話を聞いているからである。

そして、もしその「楽しさ」を発見できたならば、さらに大事な理解を開くことができるようになる。

それはゲームの要素として招かれた素材(人々や家事や仕事など)のそれぞれは、「本来自由なもの」だと知るということだ。あなたが人生に深い充実と幸福に満たされるには、このことを知っているかどうかが最も大事なポイントとなるのである。

3.

たとえば会社での業務はその「あなたの仕事というゲーム」のなかにたまたま選ばれてそこにやってきたものであって、また恋い焦がれるあの人はたまたま「あなたの恋愛ゲーム」のキャストとして選ばれただけにすぎない。家族や親しい人々の姿もそうだ。

だったら業務や上司や恋相手にいったいどんな責任があるというのだろう。みんな「あなたが参加しているゲーム」のなかで、その役割を演じているだけなのだから。

つまりあなたが日々悶々とした気分で「相手にしている」のは彼らではない。彼らをそのように見せている形式(ゲーム)なのである。

知らずのうちにゲームに参加していることによって、あなたは「そのように」彼らを見ているにすぎないのだ。

そんななかであなたは不幸になり続ける。あいつのせいだとか、自分はまったくだめな人間だとか、もうやけっぱちになれと他人に憎悪を撒き散らしたり、散財したり、酒を浴びたりするが、おかげでますます人生は可能性が狭まっていく。

4.

人生を成功させるということの意味を取り違えて、誰もがその形式の「背後に隠されているもの」を暴こうとする。

家族と喧嘩をしたときもそう、「どうしてこいつはこんなことばかり言うのか」「自分の話をどうやって理解させようか」といったい具合だね。あらゆる物事において「攻略法」のような知識やメソッドがあちこちにある。

人間関係ならば心理学であり、それがお金ならば経済学の示すところになる。確かにその攻略法によれば、形式の「背後に隠されているもの」は露わになるだろう。

だがそうして人は背後に隠されている内容にばかり気を取られて、その「形式そのもの」については完全に見過ごしてしまっているのだ。おかげで何も解決しない。一時的な効能しかない。見つけたそれは移動してまた隠れはじめる。あなたに見つけてもらおうとする。その繰り返しが永遠に続く。

つまりその背後に隠されているものは、その形式が生み出している幻だとも知らずに、あなたは追いかけ続けているのだ。

そもそもなぜ家族と喧嘩をするのか。それは家族というゲームがそこにあるからであり、なぜ他者やお金に苦悩するのかといえば、己が知らずのうちにそのゲームに参加しているからなのである。

5.

ゲームのなかではそのルールに沿った解決法を強制される。ゲームのなかでは役柄の力配分も強制的に割り当てられている。その制限された中でゴールを目指して攻略していなかなければならないが、実はクリアは不可能なのだ。

つまり人間関係もお金もそれ自体で勝者になることはできない。永遠に苦悩が癒えることはない。一時的に首位に立ったところでやはり勝ち続けなければならないからだ。それはゲームをクリアしたことにはならない。

もしあなたが実業家で多くの資産を獲得しても、事業がうまく続く保証はない。競合相手との熾烈な争い、市場のニーズ、そればかりか健康問題や資産を付け狙う親族やその他など様々な方面から、立場を脅かすイベントが盛りだくさんやってくる。

決してゲームのなかで、ゲーム自体を制することはできないのである。

6.

だからいまある現実を正しく見定めて、自分かいかに「遊ばされているのか」に気づかなければならない。そうしてはじめて独自のゲームを創り出すことが可能となる。そのとき既存のあらゆるゲームを制したことになる。

だがあなたは言うだろう。

「でも現実はそんなお気軽なものじゃない、現にこうして苦しんでいる、それに何を楽しもうとしても、何か得体のしれない不安がいつも心に漂っている」とね。

そして「じゃあすべてゲームと思い込めばいいのか」という完全に見誤った結論となる。その見解もやはり「ゲームのなか」でゲームをさせられていることによって浮かんでいるのだ。

そもそも私がいま言っていること自体が、つまり「涅槃の書」がすでにゲームであることに気づかなければならない。そこに気づいたうえで話を読み進めなければならない。

7.

あなたは苦しむために生まれてきたのではないはずだ。あなた自身そう知っているはずだ。だけどもなぜそのことを知っているのだろうか?

それは現実の日々に違和感を感じているからだ。つまり「これがすべてではない」ということを心の片隅で気づいている。

しかしその気づきが明確でないから、ゲームのなかで探そうとしてしまう。つまり苦しくなりたくないからと頑張っているが、それがすでにゲームの世界で剣と盾を持たされてプレイヤーとして歩かされているのである。

ではどうすればそこから抜け出せるのだろうか。どうすれば望みの人生を創造することができるのだろうか。

8.

ゲームの目的に走らされることなく、根本からその構造をひっくり返す方法がひとつだけある。

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