愛と恐怖
恋愛とはその相手に
愛を伝えようとすることではなく
また愛を感じようとすることでもない
恋愛とは運命を愛するということにある
いまあなたが結婚していたり
恋人と長年暮らしているならば
出会った頃を思い出してほしい
いわゆる「ときめき」が
あなたを包んでいたはずだ
すべてが素晴らしかった
相手のすべてが魅力的だった
だが日々を重ねるごとに
あなたとその「宇宙」との間に
障壁が形作られていく
魅力に感じていた相手の個性や
二人を取り巻く現実的な問題などが
頭を悩ませ始めるわけだ
誰もが昔ほど熱くなれないというが
それはそういう相手や状況が
見当たらないからではない
あなた自身の問題なのである
この世の裂け目
私たちは宇宙とともに在る
別の表現をするなら
神や自然の腕に抱かれているといえる
つまり生は私たちの意図ではなく
すべては神だけが知る流れに
あるということだ
私たちはどんな小さな物事も
脳内で因果関係という補完をして
「つじつま」を合わせて安心を得ている
だから恋愛の衝動とは
その相手が与えてくるイメージが
あまりに強烈すぎて
日頃の常套手段である「つじつま」が合わず
想定外、偶然、ハプニングとして
捉えられたものとなる
いわばデータ処理エラーみたいなものだ
あまり思考的でない人ほど
恋愛の本質に溶け込める術を得ている
表現は適切ではないが
それはバカだからだ
だがバカであるからこそ
素直で健気な神の子であるのだ
私もバカになれたから
人生が変わった
それも激変した
逆に理性的な人ほど
己のつじつまが強固であるゆえに
恋愛体験のチャンスには恵まれない
別に恋愛を避けているわけではない
楽しい思いをしたいし
何か人生を変えてくれるような出来事にも
動かされてみたい
日頃も熱い気持ちで仕事に挑みたい
だが彼の精神構造の設計図においては
神の意図などデータを乱すウイルスでしかない
ゆえにせっかくのチャンスが
セキュリティの検知に引っかかってしまう
つまり奇跡やハプニングが
すべて「処理」されてしまう
ゆえに彼はいつも机のまえで頭を抱えている
やりたいのにやれないのはなぜか
人生はどう考えてもつまらないのはなぜか
そりゃそうだろう
なぜなら彼の知っている範囲でしか
世界は存在していないからだ
だがそうした強固なガードを飛び越えて
一度彼の構造内部に恋愛ウイルスが回れば
強烈な誤作動を引き起こすことになる
高名な哲学者が時に血迷ったような行動を
みせてきたのはそのせいだ
それは彼が最も恐れていたことだ
そのために彼は理性という高い壁を
築き上げてきたのだからね
だが壁は外からは不落だったが
内側からはとても脆いのだ
壁にあいた穴から「彼女」はやってきた
このように何気ない日々が
突然崩れるようなある種の恐怖として
「恋愛」は現れる
それは日頃私たちが脳内だけでみている
幻想世界の「裂け目」であるのだ
悪魔との契約
一般にいわれる「恐怖」というのは
自分の力ではどうにもならないような
そんな無力感に囚われた時に感じるものだ
誰もが恐怖を避けたい
自分の知らない何かに
人生を握られるなんて嫌だと思う
そんな思いから「望み」を抱くようになる
望みとは一見ポジティブな響きのようだが
実際それが抱かれるのは
運命に逆流したい抵抗心があるときだ
だから人は運命を避けるように
自己解釈をしながら望みのほうへ
生きているつもりでいる
だが先に言った通り
人は「そう思い込んでいるだけ」にすぎず
実際は逆えてなどいない
流され続けているなかで
「自分で決めた人生を歩んでいる」と
思い込んでいるだけなのだ
結局は神の意図のままに流れているのである
つまり人生とは
その流れの中での「景色の見え方」が
当人にとってどうなのか、というだけなのだ
見え方はその人の信念に連結される
他者や社会への考えかたや人生観など
そういった当人の常識が
随時飛び込んでくる風景を染めていく
稀にそうした自己解釈の「つじつま」が
脳内で適合しないときに
人はその裂け目の向こう側を覗いてしまうのだ
そこで神の姿を見てしまう
それが恐怖として反映される
だが注意しなければならないのは
神が恐ろしいのではなく
その想定外で計算不能な衝撃を
どのような解釈として
そこで受け取っているかにある
つまりその恐れが
「恐れ」になるか「畏れ」になるかは
それもまた当人の信念(=見方)によるものだ
突然の単身赴任命令に
「自由になれた」と感じる人もいれば
「人生は拘束だ」と感じる人もいる
抵抗して辞表を出す人もいる
自由意志とは上の三択を
自由に決められることだと人は言うが
会社の命令が起きたことは
本人の自由ではない
つまり意志はできるが
意志を意志することはできない
その自由意志とはあなたの意志とは無関係に
テーブルに並べられた自由なのだ
つまり私たちは「NO」しか選択肢がない
望みが抵抗であるように
思考とは否定の産物なのだ
ゆえにその選択権の向こう側に
己を存在させなければ
人生に何度も到来する「会社の命令」に
頭を抱え続けなければならない
思考で生み出されたものが文明を作る
確かに便利だし様々な学問から
多大な知識を得ることができる
だが同時に大事な何かを失ってきた
何を失ったのかといえば
それが愛なのだ
思考という安心さは
悪魔との取引のうえで行われるが
悪魔は契約を不履行にしないために
ある縛りを設けている
それは
「愛が恐ろしいものにみえる」ということだ
人を愛するということ
愛する人は意識空間の「裂け目」として現れる
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