心の世界の妄想から抜ける

外を歩いていて妙な人と遭遇する。相手は自分のことを見ている。あなたはその視線を感じている。

それがどういう意味であるかは不明なんだけども、駅や地下街の人混みの向こうから、店の陳列棚の向こうから、乗ってる電車の窓を眺めた遥か向こうに立っている人から、明らかにあなたを見ている。

「なんで私のことを見ているんだろう?」そう感じた経験があるだろう。

 

最低な1日

その妙な人たちは見るだけじゃない。直接的な体験を起こすこともある。

デパートのエレベーターで2人きりになった相手が、あなたを怪訝な顔で睨んでいる。抑えきれない憎悪のようなものを抱えて、あなたに悪態をついてくる。「何にも悪いことしていないのになんだってんだ?」

突然のことに小さくなってしまったけども、後になって怒りがこみ上げてくる。そしてそんな日に限って「どんな育てられ方をされてきたんだ?」と感じさせるまるでなっていない店員やら、威嚇するような運転をする車にいらいらしたりする。

 

怖い社会

そんな出来事が重なってくると、当然あなたは他者に対して疑心暗鬼になるわけだ。

レジでの店員にも「この人わたしのことどう思ってるんだろう」「あれ?いまちょっと笑った‥?」「なんで客の私の前でエプロンの埃を払うのよ」「買ったものなんだからもっと丁寧に扱ってよ」「お釣りをなんでそんな離れたところから渡すだろう、俺のことが気持ち悪いのかな」

と心がネガティブな方面にいくもんだから「いや、きっとそうではないはずだ(そうであってほしくない)」なんて反動が出てきて、世間に期待をしながら生きていくようになる。

だが期待をするということは、それだけ絶望を味わうことが多くなるということだ。そうなると街が怖くなり、ますます人間嫌いになっていく。

 

いつも狙われている

確かにあなたを見ている人たちがいる。そんなところから見るのかよ、という変わり種もたくさんいる。向こうからは判別できない場所にいるのに、向こうはしっかりとあなたを見ていたりもする。

ここでひとつ理解しておくべきは、彼らがなぜあなたを見ていることを「あなたが知っているのか」だ。それはもちろん、彼らが見ていることをあなたが見ているからだ。

だがこれは、よく「異性の視線を感じる」なんて人の相談に「それはあなたが見ているから、相手もその視線が気になっているだけ」と返される話があるけども、本当はそんなところに収まる話ではない。

 

彼らは何者なのか?

先日ある人がテレビで「昔、よく幽霊を見ていたんですよ」と話していた。でもそれは怖いという感覚ではなく、周囲に紛れてそこにいるだけなので、単に「なんで自分のことを見てるんだろう」という感覚であったという。

幽霊であるとわかったのは一緒にいた親に「ほらあの人見てるよね」と聞いてみると「え?どこにそんなひとがいるの?」という返事が返ってきたからだ。振り返るともうどこかに行ってしまっていた。それが繰り返された末に、親がお祓いに連れて行ったかなんかで、それ以来「見ることはなくなった」ということだった。

この人の話がテレビ向けに脚色されているのかはわからないが、良い参考になる。

「ええじゃあ、私のことをぼーっと見ている人は幽霊なの?」と言うだろうけども、その人だけじゃない。すべてが幽霊だ。

 

2.霊の世界

先に話したような、ある特徴的な体験(知らない人に見つめられる、店員や他人の態度が悪い)ばかりに注意がいって、そこにある「本当の光景」があなたには見えていない。

体験しているこの世界(この世)というのは、すべてあなたの五感で感じていることになるのだけども、その五感で伝わるものがどのような解釈をするのかというのは、あなたの信念によるものとなる。つまり心のことだ。

 

妄想

「すれ違いに笑われた」とあなたは言う。あなたがそうならば、それはそうなのだ。「あなたは笑われた」のだ。たとえその人たちが漫画の話で盛り上がっていただけだとしても、あなたは彼らに笑われたのであり、そして漫画の話を知ってホッとしたなら、それはそうなのだ。彼らは漫画の話で笑っていた。

だからといってすべてに真相を究明しようとしても堂々巡りとなる。犬が自分の尻尾を追いかけてくるくる回るようにね。なぜならば聞き出した「漫画の話」でさえも、あなたの「妄想」であるからだ。あなたがそれを「そう聞いた」から、それは「そうである」だけなのである。

わかるかね。

つまり対象は何も握っていないのだよ。あなたが握らせているのだ。

 

直接的な現象

では先のエレベーターの話はどうだろう。2人きりになった他人に悪態をつかれるというものだ。「これは明らかな『事件』でしょう?」とあなたは言うけども、それもあなたが生み出した幻想なのだよ。

その人はあなたを「睨んでいた」し、同時に「睨んでなどいなかった」のだ。つまりどちらもあなたの解釈であることがまずひとつ。そして最も重要なのは、その人がそこに出現したということにある。

これは言い方を変えれば悪魔を召喚させたようなものであり、あなたの信念がそこにそれを「見させている」のだ。信念=潜在意識と捉えていい。

 

天使と悪魔

例えば気分の良い日なのにそれを妨害する出来事が起こる。「気分が良い」と思えるのは「気分の冴えないとき」を知っているからであり、つまり今日は気分が良いと思うほど、心の内部では「気分が悪い」という悪魔のカードも同時に並べられているのだ。それが実体験として目の前に現れてくる。

この世はあなたの解釈によるものである。その解釈は「思考で考える以前」にそこに展開されるものであるゆえに、どれだけ「良いように」考えたところで、それは後ろから追いかけるだけでしかない。だからやがて疲れ果ててしまう。染みのついてしまった白いシャツを白く戻そうとしているようなものだ。

だからエレベーターの悪魔がそこにいる時点で、あなたはその悪魔に戦いを挑もうとするのではなく、またその攻撃にひいひいと狼狽えるのではなく、自分がそこに生み出していることに気付かなければならない。

 

3.あなたはあなたのなかにいる

もし物理的な損傷を受けたならば、その傷でさえも解釈であるのだ。その後の事件やら裁判やらもすべて、あなたが作り出した幻想でしかない。

あなたはこう言うかもしれない。「目の前で友人が事故に遭って大怪我をしたけど、彼がそれを生み出したっていうの?」

いいやそうではない。友人が事故に遭っている光景をあなたが生み出したのだ。つまりその友人は実在しない。あなたの心のなかの存在、つまり彼は幽霊(精霊)なのだよ。

それはあなたの知っているすべての人々もそうであるし、その人々の人生やドラマもすべてが「あなたのなかで生み出されたもの」である。

 

最も大事なこと

さて日々の一連の出来事について、なぜそれら起きるのか理解できてきただろうか。あなたは「最も大事なこと」を忘れてしまったせいで、自ら生み出した幻想のなかに閉じ込められてしまい、その世界の源泉から分断されてしまった。アダムとイブが追放されたようにね。

大事なこととは「感謝する」ということだ。だがあなたは感謝の意味を間違えている。それは外の何かに向けるのではない。

あなたが学校や会社でいじめられようとも、騙されてお金を奪われようとも、街で喧嘩を売られようとも、人前で大恥をかかされようとも、なんであっても「良いも悪いもない」のだ。だからすべての人、すべての物事に「この世って凄い!」と感謝が起こるのだよ。それはどこに向けられたものだろう?

お気に入りのコップを誤って割ってしまったことも、帰ると「自分の家」という光景があることも、すべて「ありがとう」なのだよ。その意味はすべてが自分の生み出したものであるという、その神秘的なパワーへの「驚き」についてなのだ。

 

この世が変わるとき

だから一見嫌なことがあっても、それは自分の心がそこに生み出した「精霊の姿」なのであり、ありがとう(驚き)の気持ちを忘れないことだ。

もちろんいまの段階では「自分の家族が傷つけられたような出来事」があった場合には、複雑な気持ちになるだろう。だがね、家族は実在していないのだ。痛ましい出来事が起こるのは、あなたの心のなかにその種があったからであり、その「夢」を見ているに過ぎない。

だからそれを良いとか悪いとかいう判断をして、出来事のなかに閉じ込められてしまうのではなく、自分の心と向かうことだ。ならば出来事を超えられる。

 

4.心と向き合うことがすべて

結局は心の問題なのだ。以前の手記で、地球と社会、そして宇宙との関係のなかに私たちは存在していると話した。

地球や宇宙というのはあるがままに存在している。そこにあるのは「純粋な現象のみ」であり、それ自体は強烈にポジティブな質にある。ポジティブであるというのは、幸福であるということではなく「不幸がない」ということだ。

私たち人間はそれらから生まれたものであるから、本来は同様にポジティブな存在である。だがネガティブに陥るのはそれらに抵抗しているからであり、つまり「思考という抵抗」がネガティブそのもの、もっといえば「思考することがそもそもネガティブ」であるのだ。それは反自然的であり「あるがまま」と対峙するからである。

 

誰もが神経症にある

だから社会というのは、それ自体がネガティブであるといえる。社会で生きるゆえに「自然に従うと罪を追う」というのは、ここ最近伝えていることだが、そうした諸々の要点は「心の問題」とどう向き合うかにあるということだ。

現代社会で精神疾患と認定される人々は、社会と自然のギャップにあるのだけども、それが浅いか深いかだけで、社会に生きている誰もが同じ状態にある。すべて「心」の影響であり、そして心は誰もが持っているものだからだ。

 

心を知り、不死を知る

もっといえば「心の芽生え」が生なのであり、つまり心が生まれる前から、肉体はすでに存在していたことになる。そして心が自他の分離を生み出すということは、心以前の肉体は、それが子宮から離別するしないに関わらず、ずっと存在し続けていたことが見えてくる。母親、その先祖に遡り続け、ずっとあなたは存在していたのだ。

それは地球のライフサイクルそのものであることを意味する。始まりも終わりもない、円環をぐるぐるとただ循環し続けており、その全貌は「永遠のいま」がただあるだけなのである。

だから生は「心が芽生えてきたこと」であり、死は「心が消滅すること」となる。心が消滅するということは、いま体験しているすべてのゲームがリセットされることだ。だからあなたが死ぬとき(心が終わるとき)、世界も同時に消える。

このように社会とは「意味と理由だけで形成された、実体のない幻想」である。だから私たちはすべての人々や物事に意味と理由を与えて、それを「そうである」と認識しているに過ぎない。勝手にそう見立てて、それを真実であるかのように受け取っているのだよ。

じゃあ意味と理由を与える前には何があったというのだろう?

そこには名前も形もない「あるがまま」という純粋なポジティブ性、つまり地球という物質循環、さらにそれを促している宇宙のエネルギー循環だけがある。それが本当の私たちの姿であり、不死性というものだ。

 

自分という幻想

私たちの見ている世界が幻想であるということは、必然と私たち自身もそうであることになる。「自分のこと」というのは、社会や他人を通じてしか確認することができない。それに気付いているかな。

だから他人から向けられた意見、視線が直撃するのは当たり前なのだ。そうやって自分を作り出しているのだからね。だが他者も社会も実在しない。実在しないものの影響で生まれた「自分」ももちろん実在しない。

あるのは意味と理由という幻想の奥にある「エネルギー」だけだ。

 

5.潜在意識を書き換える

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