潜在能力を自在に発揮するには

無意識的な活動をそのままにしておくのではなく「自分が無意識の存在である」ということを知ること、それが「意識的に在る(私は在る)」ということである。

これを正しく理解しておくと、人生から虚しさや不安は消滅し、生命感に満ちあふれて毎日が充実するようになる。さらに集中力やモチベーションといったフローを自在にし、いわゆる潜在能力を発揮することができるようになる。

今回はその偉大なる力について話をすすめていこう。一流のプロスポーツ選手や芸術家などが発揮する、類稀なる「あの力」を誰でも手にすることが可能となる。

意識をひとつに向け続けるということ

たとえば私たちは同時に2つのことに意識を向けることができない。もちろんコーヒーを飲みながら本を読むことはできるが、片方は無意識に預けることになる。

コーヒーを味わいながら読書に没入するというのはありえないということだ。やはり交互にそれをやっている。もし読書に集中しているならばコーヒーがそこにあることを忘れている。

つまり読書や勉強に集中できないという人は方々に意識が散っているからであり、いかにして「いましていることだけにフォーカスできるか」が大事となる。誰かと会話をするときもそうであるし、食事を楽しむときもそうだ。

日常生活のどんな小さなことも、フォーカスすることでより充実した成果を得ることができる。

意識をひとつの物事に向け続けるというのは「いま」に入ることを意味する。時間は静止し、行為していることとその対象が融合する。つまり瞑想的であるということだ。

無意識の見事な適応力

運転しながら助手席の誰かと会話はできる。運転はハンドルを切ってウインカーをかえて、アクセルやブレーキの操作をして、周囲の車の確認をしているが、同時に会話をすることができる。だが意識を向けられるのはひとつだけだ。そのとき他の動作はやはり無意識に預けられている。

だが「無意識」とはいったいなんだろう? 自分が「不在」でも完璧にこなしてくれる、この「無意識」とはなんだろうか。車の運転のような同時的な複雑な動作や判断は「意識」には不可能な芸当である。

もしすべてに意識を向けていくとなれば、それは順に切り替えることになり、とてもぎこちないことになるだろう。運転に慣れているひとというのは、道路標識でさえも無意識のうちに判断して適切な動作を行っている。

それはまるで、大きな会社のなかで企画部や広報部、人事部や経理部など専門的な分業が自動的に行われているようなものだ。それらは同時に活動しその総合として会社の運営が現出しているからである。車を運転しているというのはそれと同じであるといえる。

無意識は自他を超えて処理をしている

ところで会社の各部署は何に対して仕事をしているのだろう。もちろん内部的な受け渡しもあるが、企画部はマーケティングが重要となるし、人事部は雇用などローレベルでの社会との密接な連携が仕事となる。経理はいうまでもなく入出金の管理や、財務諸表の作成など常に対外的な関係のなかにある。

つまりそれぞれが対応する「外部」に対して仕事をしている。いわば外部と常時接続されているわけであり、それら部署の中枢として運営本体である会社が存在している。

となれば、会社とはなんだろう。それはまた社会全体を循環させている「機関のひとつ」であるといえる。会社が各部署で成り立った存在であるなら、同様に社会はそうした無数の会社で成り立っているわけだ。もちろんそれはお金と商品の流通に限られるから、学校や病院、役所なども加わって社会という総合がうまれている。

世界を見渡せば様々な社会がある。小さな社会があつまって大きな社会をうみ、大きな社会を文化や文明という観点でみれば、歴史という時間軸も縦断してより大きな「何か」を成立させている。その何かとは人類のことだ

つまり私たちが働いたり物を買ったり、電気や水道を使ったり、学校に通ったり、通院したり、そういった日常的な暮らしのすべては、人類そのものを循環させているものだといえる。

個人は常に人類全体のなかにあり、そのなかに流れる循環が、友情や恋愛、お金や情報、仕事などそうした「交流」として現れているのであって、いわば人類の血液が流れているものだと仮定することができる。

無意識を眺める意識

つまりなぜ「無意識」があれほどまでに完璧に為すのかといえば、それは個人ではなく全体として流れ続けているものであるからだ。

ふと車を1時間も運転していたことに気づく。思い返せば確かに途中で道を確認してきたし信号も守り、無事故でここに到達している。道中でガソリンも給油している。だが何も考えずに自動的に1時間後のいまにあるのだ。気がついたらここにいる。

このとき私は道路交通法というルールを無意識に従い、そしてガソリンがなくなれば走らなくなるという科学的な法則を想定して途中で給油していることに気づく。

つまりプログラム通りに、自動的に、私は1時間後の地点にいるのだ。ここで注意しなければならないのは、私が道路交通法の通りに運行していたのではなく、道路交通法という言説が私の代わりに存在していたということである。

確かにそれらひとつひとつの動作に意識を向けることもできた。だが大して向ける必要のないことについて人間は「主体」を無意識の流れに預けることができる。そうして現れた「主体」は記されたプログラムそのものゆえに、その通りに稼働する。

もちろん故意ではない事故は起こるだろう。出来事は常に不意に起こる。それも全体の流れなのだ。だが無意識そのものをただ監視している「意識」があれば、運転がぎこちないということもなく、そして事故が起こる可能性も大幅に軽減させることができる。

食べる動作のひとつひとつに意識を向けていてはスムーズに行為できないが、食べる動作は無意識(つまり全体の流れ)に任せておいて、なおかつ意識がその様子をちゃんと見ていれば、無意識的にお菓子を貪り続けて体重が増加するということもない。

それは自然のなかで風に揺れる草木を眺めている様子と同じ。

自らを通じて起きている「全体の流れ」を見守り、必要があれば自ら望む方へ正していくことで、気軽でリーズナブルな人生を歩んでいくことが可能となる。

誰でもプロになれる

さてここまで話してきた「意識をひとつに向ける」こと、そして「無意識という全体性」の関係をうまく合わせると素晴らしい力を手にすることができる。

つまり冒頭で話した集中力やモチベーションを維持し、いわゆる「潜在能力」を存分に発揮する力のことだ。

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