黄金の玉座

学校で学んだことや知ったことが嬉しくて
そんな話をいつも聞いてくれた
お母さんや近所の人たち

あなたは浮かれて得意になって
しゃべり続けるだけだった

友達や恋人
結婚してるならその人もそうだね

会社の愚痴や
いつかこうなりたいと思ってる理想

みんながあなたの話を聞いてくれた

だがそうして
あなたの話に耳を傾けてくれた人たちは
いったい誰だったのだろう?

どうしてあなたの人生に現れていたのだろうか

自分の満足のためだけに
あなたはその人をそこに出現させていたんだ

そう、この夢のなかでね

 

1

あなたは喜びや嘆きの気持ちを
表現したかった

それを形にしたかった

そうして生まれたのが
そのときそこにいたその人なんだけども
より正しくいえば
ツタンカーメンの黄金の玉座に描かれたような
ワンシーンをあなたの意識は作り出していたんだ

──

ツタンカーメンとその妻
アンケセナーメン
この夫婦の話を知っているかね

王座の背面に施された見事な装飾
履き物を互いに片方ずつ履いた
仲睦まじい若夫婦の姿

現代なら2人して部屋で踊るのかな

──

もちろん話を聞いてくれないときもあれば
嫌な返答をされたこともあるだろう

だがそれもまた
あなたの意識が描き出したものだ

“期待”が強いと
そもそもそうして期待を抱く根拠となった
反対側の気持ちのほうが姿をもって現れる

そうしてみれば
人生で出会う災難や苦しませる人たちもまた
あなたのなかにあるその反対側のものが
作用してることがわかるかもしれない

 

2

エジプトの若き王の日々も
その手記で話してるように明るいものではなかった

玉座の絵は
ほんのひとときの彼の思いだった
過酷な運命のなかだったからこそ
その反対側のものがあった

──

彼らの時代は権力争い
そして戦争だった

若き王
彼は愛する妻と
愛する民
そして自らの運命を受け入れていた

──

奥さんと過ごしていた彼の時間は
玉座のように本当に素敵なものだったのだろう

苦難ゆえに希望があった
つまり反対側のものがそこにあり
そしてそんな素敵な夢が続いてほしいという期待の
反対側のものが彼を襲い続けていた

 

3

さてそんな二重仕掛けの幻想で
私たちの魂は各々の夢をみているのであってね

この話から学ぶべきことは
たとえば家族や恋人と過ごす時間は

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