「他人の問題」を生きない

あなたは”力”を生まれながらに持っている

ところがあなたは
その力を自らで支配しようとしていない

そうして力を支配しないことは
まさに”致命的”だといえる

その力こそが永遠なる命であり
すなわち安らぎや癒しや
人生の充実そのものなのだからね

なによりいまもこうして
あなたに現れている世界を”生み出してる”
万能の源泉でもある

ゆえに生命の本当の意味
理解しなければならない

この力を支配しないかぎり
現実とあなたの間に常にギャップが刻まれ
まさに生命感の乏しい光景として
人生は映り続ける

つまりすべてに命は宿っているが
それが”ひとつの命”でないがゆえに
互いに反発しあい
まるで無法の国のように
みんな好き勝手な方向に動いていく

“あなた”にはそのようにみえていることになる

 

疲れ果てていた原因にようやく気づく

その苦しみから抜け出すには
“見かけ”のこの人間の世界と
世界の隅々まで行き渡っている生命とを
混同しないこと

見かけにこだわるから
あなたからすれば
命はバラバラになるのであって

だからその逆で”見かけ”ではなく
すべてに宿っている命そのものと
直に関わるようにしよう

そうしてあなたが力とひとつになるとき
見かけはバラバラでも
実はそれで同じ方向に動いてることに
気づいているようになる

つまり現実を表面ではなく
深いレベルで捉えているようになるんだ

するとこれまでのように”見かけ”の上だけで
うまく整合させようとしていたことを
あなたは無益に感じてやめるようになるが
しかしそれによって
人生はまったく違ったものに変わりはじめる

つまりすべてが許され
人も物も出来事も起こるがままにあるわけだが

その光景を前にしたときはじめて
己は「他者の問題」を自分の問題だと思い込んで
生きていたことを知るんだ

 

世界は闇となるか光であふれるか

さてそうして
生命の力とひとつになったあなたは
自分自身の問題」を生きはじめるようになる

だがそれはまったく否定的な問題ではない

むしろそれは創造や探求のことであり
つまり「自分自身の問題」とは
“肯定性”が土台にあるからこそ
喜びや達成感にあふれた実りを
次々生み出していけるんだ

こうして創造と生命は同じであることを
覚えておこう

人生を新しい内容に変えていく力を
あなたは取り戻したわけであって
だから”力”を支配するというのは
端的にいえば他人の問題を生きないことにある

「あの人がいる限り人生が不自由だ」とか
「こんな境遇じゃ何もできない」とか

そうして人生にうんざりして
欲望で穴埋めしようとしたり
自暴自棄になったりするのは
ずっと他者の人生を生きてる様子にある

たとえばひどい親に育てられ
そのせいで人生が狂って
犯罪者になった人たちがいる

彼らは結局のところ
他人の人生を生きていることに気づかず
その恨みを晴らすことが自分の人生だと思い込んでいた

やがて罪を犯し人生はますます不自由になるが
それでもまだ
「親のせいだ、私は悪くない」と叫んでる

そう、その人は何も悪くない

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