みえない力が満ちている場所
たとえばあなたと私が
24時間、行動も思考も同じであるならば
別個の存在である必要はない
だが1秒でも違う思考が生ずるとき
もうそこから別々の存在となる
だがそれはあなたから
その存在が離れたのではなくて
あなたが元のひとつから離れたんだ
つまりそうしてあなたは
たくさんの存在を生み出したが
しかしそれはあなたが”自分”として
分離し続けているからにある
存在しないものに苦しみはない
ところで普段
意識に上っていないものがたくさんある
たとえば「呼吸」という文字をみたら
あなたは”自分”が呼吸していたことを思い出す
鼻腔を通る空気の冷たさや
肺や横隔膜の動きを感じはじめるが
それは意識を向けるまで
呼吸は「存在してなかった」ということだ
つまり呼吸として存在しはじめたもの
より正しくいえば
あなたのなかで”自分”が分離することで
生じたその呼吸とやらは
ずっとあなたとひとつにあったわけだ
空気も肺の動きも
あなたという純粋さそのものであり
つまりそれはこの宇宙全体があなただった
だからそれは呼吸などではなかった
それゆえ
枯渇するかもしれないという不安も
得ている満足もなかった
対立は同一の現れ
同様に”この世”をあちこち眺めてみよう
眺めた先には何かが存在しているが
それは眺めることで自分が生まれ
自分が生まれると同時に
そこになにかが現れるのであるから
自分もその現れも「真の実在」ではない
だが真の実在でない分離の世界こそ
あなたが人生体験をしている”この世”なんだ
だから良いことも悪いことも
その良し悪しは虚妄にすぎないのであり
本当の「よい」とは
そうした分離が生まれていない状態にこそある
つまり分離が消えたただひとつのものが
真にここに在るものだけども
しかし自分が世界を眺めるとき
まさに”自分”が眺めているがゆえに
真なるものはみえていない状態にある
よって分離世界(カタチの世界)を通じて
その背後にあるもの、
すなわち高次の統一性に
“いつも気づいていること”が大事となる
たとえば対立している意見があるならば
それはお互いに逆のことを主張しているようで
相互に補完し合っているわけで
実は互いに同じことを言ってる様子にある
なによりそうした対立をみている自分もまた
その物事とひとつにある
この気づきはやがて
大勢の人がはじめから存在しているのではなく
「ただひとりの実在」がその心のなかで
無数の分離を創り出し
そうして生まれた夢の世界をみている視点のひとつが
己のこの世なのだとわかるようになる
だがそれは
「じゃあ悪夢をみないためには
そのひとりの実在にかかっているのか」
ということではない
なぜならそのひとりの実在とはあなた自身でもあり
つまりどのような夢をみるのかは
“あなた”がその意識上で分離を作ったり
分離していたものを統合させたりする
その変化によって決まるからだ
出会えた本当の意味
ここでもう一度冒頭の一文を読み返してみよう
──
あなたと私が24時間、
行動も思考も同じであるならば
別個の存在である必要はない
だが1秒でも違う思考が生ずるとき
もうそこから別々の存在となる
──
あなたが大切な人といるのに
顔をみれば喧嘩ばかりで
いつも後悔しているならば
それは一緒にいながらも分離しているからにある
それが恋人や結婚相手なら
その人と出会って間もない頃に
とても満たされていたのは
あなたはその人とひとつだったからだ
そしてここが大事だけども
そうしてあなたがひとつの実感に満ちるために
その人はあなたの前に現れたのであり
つまり一度分離を生み出す必要があった
よく話すように
ダイヤは自らの輝きを知ることができない
それを知るにはダイヤそのものから
離れなければならない
“だから”こそ
あなたがその人との出会いの奇跡を
思考ではなく直感を信じて
その人を誘ってみたとき
その人は快く応じてくれたんだ
街は素敵な背景だった
時間を忘れて一緒に笑い合った
それは分離していた自分が元の暖かい場所へ
再び戻ってこれたことの喜びなのであって
それがあまりに幸福であるから
恋愛の遍歴を重ねたり
人恋しくなってしまうわけだね
仲直りするには
もちろん出会った瞬間の喜びだけを
求めて生きてしまえば
“現実的”な方法論に依存することになり
やがては分離の迷宮に閉じ込められてしまう
だからその幸福感を
ひとりの相手とずっと分かち合うには
つまりその人と”仲直り”して
またあの楽しかった頃に戻りたいならば
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