猫とマグカップ
ある物をみて
「それは好きじゃない」と感じたとしよう
薄い水色のマグカップかもしれないし
袖にラインの入った上着かもしれない
どうしてかと聞いてみれば
「ある人を連想させるから」だと
あなたは答えるかもしれない
その人が使っていたものか
またはその人の心貧しい印象を
そのマグカップの水色から
思い浮かべてしまうのかもしれない
逆にこういうのものあるね
猫の仕草をみて
「あの愛しい女性のようだ」と思う
たとえば懐いている飼い猫が
あなたの近くでわざと背中をむけて
座っているのと同じことを
その女性があなたのそばで
みせたことがあるからだ
当時あなたは彼女のその仕草から
好意的なアピールを感じていたが
いまは飼い猫の姿に同じものをみている
現実の”材料”はとても少ない
さてこうして現実を眺めてみれば
それが好きであれ嫌いであれ
「似たもの」ばかりであることに気づくだろう
Notes あなたの世界, 他者, 存在, 幻想, 真実, 神秘, 自分, 観念