自己管理の法(2)

自己管理術とはあなたの現実を入れ替える技法だ
その言葉のイメージから堅苦しさがあるだろう
だが世界とはあなたのことだ
自己を知れば知るほど
あなたは世界を生きやすくなる
そこには何の摩擦もなく
ただ冴えたあなたが
すり抜けていく

それはラジニーシの112の瞑想
そしてクリシュナムルティの規律を包括するもの

自己管理術とは突き詰めれば
意識的に「いま」に在り続けることのできる
現代流の瞑想法となる

あなたの苦悩がスカッと消え失せた世界が
広がるようになる

本書は自覚という言葉をよく使うが
理屈的には「意識」という卓があり
その上にあなたの現実が立ち上がっている

古来も現代も教えは「卓」そのものを重視しており
立ち上がる現実は幻、夢、とされる
だからといって卓上の想起を捨て去ることは容易ではない

「全部幻だからすべて相手にしなくていい」と伝えたところで
あなたのマインドはより頑固な理屈を並べ出すだろう
今のままでは単なる「放棄」となる
寒空の下で凍えながら理不尽さと憎しみに駆られ
精神崩壊するのがオチだ

そこでマインドレッスン
そもそも「意識」という概念すらマインドのもの
つまりマインドを通さなきゃ
あなたは何も知ることはできない
「知るため」にそのマインドはあるのだ

自分を捨て去るために

一匹の蚊が仮にユタカという名前を与えられたとき
彼は世界から分離してしまう
「自分」という意味を持たせてしまう
以後、彼は意味を求め続ける
誰々は得をしたのに自分は損をしてるとか
これは好きでこれは嫌い、これは何とも思わないなど
自分を基準、中心とした世界観が広げられる
それが人間である

だが蚊が名前を与えられなければ
彼は自身に意味を見いださない
雨が降れば雨であり
蜘蛛の巣に掛かり食べられれば「そういうもの」だ

蚊を追えば逃げると
勝手に思っているのは人間の解釈であり
蚊は逃げているのではなく
ただそういうものなのだ

蚊は「蚊であること」を全うしているのではなく
世界を全うしているのだよ

つまりあなたは「あるもの」を捨てなければならない
それがマインドレッスンとなる
いまはまだしっかりと握っている
禅思想
ヨーガスートラ
ウパニシャッド

それらは人々を目覚めさせて
あるポイントを気付かせるためのもの

現在地がわからなければ
目的地までの距離を測ることができないように
すべての教えは
いま現在の「苦悩」から「解放」をさせるセオリーを持つ
つまり今の状態を知らなければ
そこからの展望はありえない

いま苦しんでいることを「知っている」ということ
そこから始まるのだよ


Notes, タオ, マインドハック

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