未来の自分に力を与えてもらう(後編)

朝はやく、近くの森林公園で緑の深さや靴が土を踏み込む感触を感じながら歩いていると、子犬の散歩をしている人とすれ違った。飼い主の彼はこのまま家に帰ったら支度をして出社する。この1時間ほどあとにスーツ姿で駅に向かっているのを、何度か見かけたことがあるからだ。

犬はリードに繋がれていながらも、くるくると踊るように楽しそうだ。私と同じようにいまここにある大きな力を感じている。だが彼は手にしたスマホにちらちらと目をやりながら、心が急かされている様子にある。まあこれから仕事だからね。

犬と人間は別の世界を歩いている。もし彼が休暇を取って「癒しの森」なんてところに到着しても、その言葉に癒されようとするだけで、出社しているときと何もかわらない。自然と溶け合うことを、心が許してくれないのだ。

 

不在の人生

彼はいつの日からか「自分以外のものに任せてみる」ということが怖くてできなくなってしまった。森を見るのはいいけども、そこから連想される別の物事だとか、先の予定とか、誰かのことやお金のこととか、つまりいまそこにあるものとはまったく無関係のことばかりで心の中は埋め尽くされている。

それは小説なんかを読んでいて、目は文字を追っているのにまったく頭に入っていないようなものだ。それと同じもどかしさ。人生の無意味な浪費。なんの手応えもなく、ただ年齢だけが重ねられていく。

そんなことじゃ、貴重な日々や人々と真に分かち合うことなんてできないし、その本当の姿を見ることもできない。まして自分のやっていることでさえも信じることができない。自信だとか、信頼だとか、それ以前の問題だ。まったく「見ていない」のだからね。

 

弱さの原因

あなたにとって風や雨は邪魔者でしかないだろう。太陽を浴びれば、光の神秘よりも紫外線がどうだとか汗をかいてしまうとか、くだらない知識に包まれる。だがそうやって自然と距離を作ってしまうのは、自らで全体から切り離されにいっているようなものだ。宇宙空間にひとり放り出されているのと同じ。それは恐怖でしかない。そりゃハードな世界をみることになる。

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