夢日記

これまでも話しているけども
眠っているときにみた夢の記録を
昔から残す習慣があってね

記録といってもメモのように
状況や設定、出会った人、光景全体の印象などを
簡単に収める程度なんだが

それをたまに読み返すとき
その断片的な情報だけで
その日みていた夢の映像を
ありありと思い出すことができる

 

少年の夢

たとえばひとつあげてみれば

人や車が賑やかに往来してる
国道沿いの歩道に私は立っていて

そこで顔も名前も知らないが
親しい間柄の人と
その路面で一緒に店をはじめたところだった

その店がなんなのかもわからないが
私たちは明るい気分で楽しく語り合ってた

そこに中学生ぐらいの夏服を着た少年が
私たちに声をかけてきた

彼は自分の母親を探していた
どこかで働いているらしいが
そのお店を知りませんか?

どうやら私たちに声を掛けたのは
少し先で同じように商売をはじめてる女性たちに
あそこの人に聞いてみたらと案内されたかららしい

私と友人はしばらく相談しているうちに
ある確信的な答えが浮かんできて
少年にそれを教えてあげた

彼は笑顔でそちらへ走っていった
そして私は夢から覚めた

 

夢の舞台

まあそんな感じで
メモには断片しかないが

だがそれらをみただけで
その寛容な街の雰囲気や空の蒼さや
友人が顔を持たなかったことや
現実では会ったこともない少年の姿が
克明に思い出される

ここで大事なのは
夢のなかの少年の役に立つために
私はあらゆる設定を生み出したということだ

なによりその少年とは
私自身のことにある

つまり私は私を案内した

もちろんその夢をみていた頃には
なんらかの迷いがあったんだろう

だが夢全体の印象としては
爽やかで寛容さに満ちていた

つまり少年が心を焦らせるのではなく
人々が偶然にあちこちで現れていることに
解決の筋をみることができたなら
彼はその流れに乗っていくだけで
なにも案ずる必要はなかった

ところでなぜ夢の私は
友人と商売をはじめていたのだろう?
また少し先の女性たちもなぜそうだったのか?

私たちは”私たち個々”に
その原因を探そうとしても
その本当のことはわからない

だがこうして
たとえばあなたがタバコ屋をはじめたのが
実は生活のためや家業を継いだという理由ではなく
もしかすると
雨の日にやってきた子猫を拾ってやることが
その理由だったかもしれないということだ

猫にしてみれば
雨の日に小さな屋根があったのは偶然だった
そしてそこで誰かの目に留まるのも偶然だった

だがその「猫の偶然」を知っているのは
タバコ屋のあなたなのであって

ところがまさか
己がその偶然であることなど
なかなか気づくことができない

なぜならそれは
己をこの世の一部分として
客観的に眺めることであるからだ

 

すべてが存在する理由

眠っているときにみる夢は
己に”そのこと”を伝えている

夢のなかでどれほどに災難に見舞われても
その災難を与えているのはまさに己であり

現れる人々をそこに立たせているのも
なにをしゃべらせているのかも
己が決めていることなんだ

“少年の夢”において
私は突如として
友人と何かをはじめようとしていた

私は突如として
国道沿いの路面で立ち話をしていた

だがこの「突如として」は
夢だけではない

なぜ私はいまこんな手記を書いているのか?
そもそもなぜ私は男性であり
日本で暮らしているのか?

知ってる人々や知ってる街並みや
知ってる世の中の有様が
なぜあるのか

すべては突然に、偶然に、
たまたまそうであったにすぎない

だがこの突然で偶然なのは
“私”があの大雨の日
全身がびしょ濡れで
もう先が短いと悟ったとき
タバコ屋のちいさな軒下をみつけて
かろうじてそれを凌げたように

私が私自身を案内しているんだ

夏服の少年が路面で女性たちに
そして私たちに導かれたようにね

 

夢日記を眺める者

夢の光景を写真に撮って残すことはできない

だからこうして
メモとして残しておくしかないのだけども

じゃあ現実は写真に残せるから
それですべてなのかといえばそうではないね

つまり夢と現実には奇妙な二重性がある

というのは
現実で写真を撮ったとき
その撮った写真を眺めていること自体が
夢の光景だからだ

“死んで”しまえば
現実だったか夢だったかなど
なんの違いもない

どちらもあなたの人生の光景だったわけで
あなたのみていた夢の光景だったんだ

だがもしあなたが”死んでもなお”
夢日記を眺められるならば

それはいまもそうであり
つまりあらゆる出会いや出来事は
あなたがあなたを案内するために

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