鏡を見つける
心は鏡のようだと言われるが
別に固くて円いものが
あるわけではない
どんなものでもいいから
鏡を眺めてごらん
映し出される内容ではなく
鏡そのものをよく見てみるのだ
そうして鏡の本質を捉えてみなさい
その透明性
果てのない空間
それと同じものが心だよ
あなたの世界とはそこにあるものを
ただ映し出しているだけだ
光景や音、感触、
さらに思考や感情
そこにあるものを
映しているだけ
映っているものに囚われるから
心(鏡)を見失うのだよ
空
屋外で鏡を覗いていると
その中に沢山のものが
生まれては消えていく
通りを過ぎる人や車、鳥や雲
新しいものが現れては去って行く
時に多くの物事が映り
時に酷い光景が映る
だが鏡自体は何も変化していない
増えたわけでも減ったわけでもない
汚れたわけでも
綺麗になったわけでもない
不生不滅
不垢不浄
不増不減
般若心経でいうところの空
ボリビアの美しい湖のように
ただ静かに満ちている
水面はいろいろ映すけども
映る内容はそれではない
不生
悟りとは
すべてが鏡に映っているということに
気が付いたということだ
それはそこにはなかった
だがいまそれはある
消えては現れ、そして消える
内容(現実)に囚われていたら
あなたは何もわからない
「このおにぎりは”私”が買ってきたもの」
「健康のために”私”はジョギングをする」
「上司に怒鳴られる”私”がいる」
あなたにはいつも「私」がいるが
それは一体どこにいるのだろう?
ただ鏡に映っているものを
なぜあなたは
“自分がそうした”とするのだろう?
気付くことだ
そこにあるものが
ただ映っているだけなのだよ
明け方の星が消えるのを見て
蛙が水に飛び込む音を聴いて
釈迦や芭蕉は悟りを開いた
そこにあったものが消え
そこになかったものが現れる
そしてまた消える
部屋で静かに過ごしていると
外の音が耳に入る
音はただやってきた
拒むも受け入れるもなく
それはそこにきた
音を人の声だの
車の音だのしちゃいけないよ
その時点で「私」がいる
そうした一念を起こさず
耳を澄ませてみなさい
見性
人は底の抜けた箱を大河に浮かべて
覗いているようなもの
箱の底では何かが生まれて
消えていくように見える
だが箱を除けてしまえば
河は何も生んでいないし
奪い去ってもいなかった
物事の変化も存滅も
流れのごく瞬間を
捉えていただけに過ぎなかった
それらを構成するエレメントは
いまもここに充満している
神はいない
偶像にすがってはならないということだ
神に助けを求め続ける限り
白い服を着たペテンがノックする
そうではなく
あなたが自由に生きていこうとするとき
その姿が神なのだよ
自分の行き先を決めて
その通りに歩んでいく
その行為そのものが見性となる
思考や感情に引き摺り込まれぬように
日々鍛錬しなさい
やがて鏡の世界から抜け出るとき
無限に広がる空間を見るだろう
菩薩は旅を続ける
鏡を探している
鏡の中で──
私たちのことだよ
Notes あなたの世界, 世界, 唯我独尊, 宇宙, 心, 生き方, 観念, 観照
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いつもありがとうございます。
今日は中秋の名月で素晴らしい月が出てますね。
最近、突然かなりネガティブな感情をぶつけられて
引き込まれそうでした。今にあれ、ただ静かなものであれ
全ては支配もしない、されない自由な存在なのだと意識しつつ、
悪者はいないただ起こっているだけだと、感情の流れを観察してました。
無限の空間
観て、感じてみたいです。
私の好きなアーティストの夢の中へという歌の歌詞が正にこの世界のしくみのようで、
どういう波が起きて出来た歌なのだろうと思いました。
~
夢の外へ連れてって
ただ笑う顔を見させて
この世は光 映してるだけ
地天泰さん
横からすみません。
地天泰さんのコメントを見て私も、そのアーティストのこと、その歌詞のことを思い出し、読み返すことができました。地天泰さん、ありがとうございます。
自分さん、ご無沙汰しております、夢太郎です。
いつも素晴らしい「涅槃の書」をありがとうございます。
しばらくコメント投稿していませんでしたが、更新される手記やそれらに対するコメントのやり取りを読ませていただいておりました。
以前、自分さんが私にくれた「針先の一点という世界で生きる」というアドバイスがなかなか身を以って実践できず、ここ数か月は雑踏の中に立ちすくんでしまった状態でした。
何か新しいことを始めようという気力も沸かず、ただ流されるだけで空虚な日々の連続。沸いてくるのは生活に対する恐怖や不安。気が付けば手放そうと決めたはずの絶望という名の希望にしがみ付いていまし、今もまだしがみ付いていると思います。
そんな中で今朝ふと思ったというか感じたんです。恐怖や不安と共に生きようって。そしたら、少し気持ちが楽になりました。
これからは、自分の気持ちに素直に向かい合って生きる努力をしていきたいと思います。
夢太郎さん
やあ元気にしていたかね
>恐怖や不安と共に生きようって。
>そしたら、少し気持ちが楽になりました。
よろしい
ネガティブという服をしっかり着なさい
どんな服よりもあなたにフィットするはずだ
やってみればわかるが
その服を着て生きるとき
しばらくすると恐怖や不安は
ありもしない嘘っぱちだったことに気付く
それどころか
その感情や状況が
自分にとってどんなに最高の喜びだったのか
それが身に染みてわかるようになる
だけども「しばらくすると」だよ
それを求めちゃいけないし
それを待ってもいけない
どっぷりと不幸に浸かりなさい
「不幸の帝王」となりなさい
あなたがそれそのものになるとき
灰色の世界は白い光で包まれる
なんでもやってみることだよ
動きの中に私たちはいるから
常に動いておれば良いのだ
それが人々の役割だよ
働かぬ者食うべからず、なんて言葉があるが
それは職業のことではなく
自然の摂理、循環に
従っているかどうかのことだ
あなたがその波に流れている以上、
世界はあなたをサポートしないわけには
いかなくなる
なぜならば
あなたが動くことで
世界は動くからだよ
old friendさん
そうですか。お役に立てましたなら幸いです。
この歌詞全文が仏教的なんですよね。般若心経というか。
ほかの歌の歌詞も正にそうなんですよね。
フィルムという歌など
アーティストの方々は感性が鋭いのだなと思います。
地天泰さん
そうですね。
あのアーティストの歌詞は、どれもcoolですよね。
フィルムの歌詞にも注目してみます。
地天泰さん、ありがとうございました。
地天泰さん
old friendさん
良い歌だね、調べてみたよ
ありがとう
一見平凡だと思える日常の光景ですら
あなたに何かを伝えている
買い物帰りのおばさん
夕暮れの踏切
電車の人々
そうしたことに瞑想をすると
最初は儚さがやってくる
すべては流れ行くものだから
あなたはとても寂しい気持ちになる
どんな瞬間も
もうそこにはないからだ
だからいま関わっていることも
すぐに消えていくことを予測してしまうから
寂しくなってしまう
だが、常に「いま」で在り続けると
すべてが永遠となる
いつも花が咲いていることに気が付くようになる
終わりのない祝福
ずっとそこにいたことが
わかるのだ
現世(うつしよ)
古の人は鏡の世界を看破していたのですね
ワモノさん
その通り
神社には鏡が祀られているが
それも同じ意味だ
マインドが真実を解釈しようとすると
「自分の姿が映っている」
「つまりすべてが自分なのだ」
というあたりで理解は止まる
そうではなく
その鏡がある光景すら
巨大な鏡が映し出したということだ
つまり「自分が映っている」という解釈も
自分が映し出しているということ
その深さに気付かなくてはならない
探求者は
己の中で探求を続ける
どこまで行ってもゴールには到達しない
なぜなら、すでにそこがゴールだったからだ
最初からそこにいたのだよ