支配しようとすると支配されるという罠

誰もが人生に怯えている

だからどこかで見つけてきた
剣を手にして身構えている

自分を脅かす敵が
この剣をみて逃げていくようにと
もし襲い掛かられても
返り討ちにできるようにと

いつも震えながら
両手で握りしめている

ところがその剣はよくみてみれば
とても頼りないものだ
戦うことになったとしたら
まっ先にポキっと折れてしまうだろう

そんなことも気づかず
自分を守ることだけが頭いっぱいで
必死に剣を握りしめている

そもそもどうして
人生に怯えているのだろうか

どうして「自分」を誇示しようとするのか

それは「本当のもの」が
わかっていないからだ

だからこそ
本当でないものを本当にしてしまい
偽りの本当の世界」に浸かり込んでいく

その闇のなかでは
ひたすら敵が現れるだろう

剣が折れても誤ちに気づかず
代わりの武器を探し続けるのだろう

 

 

納得いかない世界

さてこれを日常に置き換えてみれば
こんな感じだね

たとえば上司が
遠回しに嫌味を言ってきてると
あなたは感じている

「あ、自分のことを言われてる」と思うわけだ

察知したあなたは
反発心がフツフツ沸いてくる

上司を泣かせるようなことを
あれこれ引き出しはじめる

つまり遠回しに
上司に赤っ恥をかかそうとするわけだ
そうしてあなたはうまく
相手をやり込めたつもりでいる

ところがある日
上司からクビを宣告されたとしよう

もちろんあなたは上司に対して
卑怯な奴だという罵りで溢れる

そんな呪詛を繰り返して
人生という旅を転々とし続けている

上司でなくても
いろんな対象に置き換えてみよう
ネット上の交流や取引関係など様々あるはずだ

 

 

支配すると支配される

そもそもの発端はなんだろうか

「そりゃ悪い上司に当たったことですよ」
「向こうが吹っかけてきたんだから」

あなたはそう考えるだろう
「”本当に”そうだったんだから」とね

だけどもそんなこと言ってたら
どこにいても
常に相手に支配されていることになるね

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