あなたの奥にあるエリア

その場で回ってみる
右や左に顔を向ける
部屋の端まで歩いてみる

だけども同じ場所のまま動いていないような
あなたの奥に「不思議なエリア」がある
常にドンと鎮座している
常に広大な空間としてただそこにある
そういうエリアだ
何歳になってもそれは変わらず
つまりあなたが小学生のときも
いまも
それは同じ場所から何も変わらず
あなたの五感のすべてをただ見ている
時間にも影響されることがない

それを感じ取ることが出来ているなら
もっと研ぎ澄ませてみよう

そのエリアがあなたの意識を浮き上がらせている
右や左に顔を向けたとき
確かに肉体や視界は動くが
奥の方にある、それを認識している何かは
動いていない
というよりも「動く」というものではなさそうだ
どこまで進んでも
どっちを向いても
それは同じ状態で居座っている

そこに意識を向け続けていると
世界をファインダー越しに見ているようになる
視界はもちろん、聞こえる音も
肌に触れる温度も
何もかも間接的に感じるようになる
雨で体が濡れようが
上司に怒鳴られようが
いわゆる危機的状況になろうが
すべてどこか遠くの出来事に感じるようになる

そしてさらにその感覚を研ぎ澄ませていく
研ぎ澄ませるとは定着させるということだ

あなたが誰かと会話をしていても
もはやそれが何なのか、理解することも不能になる
会話をしているが、会話がそもそも何なのか
温度や音、光すら
言語を超えた受け取り方をするようになる
つまり、それらに意味を持たなくなる
意味を与えないから
目の前を「それ」が過ぎているだけになる
それらは香りを残さない
記憶を支配しない
今日歩いた道であなたの視界を通り過ぎた内
まったく覚えていないもの、
すべてがその状態となる

そこまで進んで
あなたはある違和感に気が付く
では私は誰なのか、とね

何かに気付いたり
考えたりするのは
意識を人間的なエリアに戻したときだ
熟睡や思考が後でそれがそうだったと気付くように
「あるエリア」から抜けたとき
そこにいたことを知る

だから違和感に気付いているときは
あなたは人間だ
熟睡もしておらず
何かに没頭もしていない
ひとつひとつの到来する波を
それを思考として
いつも過ぎた後に解明するだけの
ただの人間だ
つまり思考もそのまっただ中では
あなたは思考として認識できない
すべて「そこから抜けた後」に気が付く

あなたが深く「あるエリア」に佇んでいるとき
あなたに死はない
それが「この世」を浮かび上げている背景だ
背景はあなた
あなたとはその不動のエリアのことであり
肉体という五感、
認識という幻想を見ている

睡眠中の夢は一体誰が見ているのか
現実でもまったく同じ

物に触れる
指先に感触や温度を感じる
だがそんなものはない
全部嘘っぱちなのだよ
同じことを「あるエリア」から見てみなさい

そこに見えるのは
「感触」といった単一的な要素でなく
「いま」という全体的なワンシーンだ

心が幻想を創り出し
その心を含めたシーンを
あなたはただ見ている
すべてあなたの中のお話なのだよ
あなたはあなたの中で生きている

 


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  1. buruku10 より:

    この自分の奥にあるエリアという物が中々
    掴めないのです。
    どうしてもこの記事を読むと、もし日常を
    間接的に見ることができたらいいなーと思うの
    ですが、やっぱり意識が人間的なエリアに強く
    囚われてしまっている人は中々こういった体験を
    することは難しいのでしょうか?
    恐れに立ち向かい言い訳せず諦めず
    やり続けた果てに、どうにもならず諦め、それと同時に見られる
    エリアですか?自分を持ち続けている人には感じる事は
    できないのでしょうか?

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