唯識と脳と現実変更(2)

前回話したように、唯識仏教は釈迦の教えをより理解しやすく体系化したものとなる。つまり凡夫(一般的な人間観点で生きている人々)に向けられたもの、つまりこの現実世界が絶対的で正しい世界だと信じている「凡夫の見方から」のアプローチとしてまとめられたものとなる。ここが重要なポイントだ。

よって釈迦は輪廻転生を否定したが、唯識ではそれを肯定していることになる。

だけどもそれは、凡夫が「自分」を前提としてこの世を捉えているから「釈迦は否定した」という捉え方となっているだけで、真にこの世がなんであるかを理解すれば、輪廻転生は「自分」が転生するのではない、だが永遠に何かが流れ続けているという、その本来の意味に到達することができる。

1.

このように唯識は一見は「釈迦の教え」から離れているように見えるが、それはそのままでは凡夫の固定観念を崩すことができず、そのために「あえて遠回り」をして伝えているということを頭に入れておく必要がある。

仏教はこのような部分でよく論争が起きるが、それは彼らが凡夫ゆえに主張しあっているといえる。本末転倒しているわけだ。

これまでもよく伝えているように、唯識にしろ新しい科学の発展にしろ、こうして人間の世界は「様々な発明ができる」ということ、そしてその発明において「本当はここには何があるのか」という逆説的な開示がされていることに気づいていることが大事なのである。

2.

もちろん発明だからといって、当てずっぽうなことを作り出しているのではなく、本来この宇宙に永遠に広がっている形なき本性を、唯識という「捉え方」で、また脳科学という「捉え方」で、それぞれ表現してみたというのが発明となる。

よって今回は最先端の認知科学(脳科学や神経科学など)と仏教の唯識が対応するポイントについて話しているが、もちろんこの「2つだけ」が照応しているわけではない。

スピリチュアルで高次の意識と呼ばれるもの、宇宙物理学や哲学などの学問が到達しようとしているところ、それにあらゆる芸術、人類の文明や社会の発展、そして私たちが絶えず求めている愛や幸せ、それらはすべて「同じもの」ということである。

宗教でも科学でも瞑想でも、どれもその同じものへ向かう「手段」であり、だから楽器の演奏も、スポーツも、他人と時間を分かち合うことも、もちろん恋愛や趣味に没頭することも、その目的に向かっていることになんら違いはない。

3.

さて話を戻そう。おさらいとなるけども、唯識は私たちは日頃の意識状態だけではなく、無意識という層を見出したことにある。そして無意識には2つの層があり、それぞれ「阿頼耶識(あらやしき)」と「末那識(まなしき)」と名付けられた。

まず知っておくべきは何を行為しても、何を心で思ってもそのすべては阿頼耶識に蓄積されていくということだ。蓄積されるものを「種子(しゅうじ)」という。実際的な行為だけではなく「何を心で思っても蓄積される」という部分が特に重要である。

あなたがいま見ている現実世界は「すべて阿頼耶識によって生起されたもの」である。だから私の見ている世界とあなたの見ている世界はまったく違う。

では本当はここには何があるのか、というのは知ることはできない。人間は必ず「心を通じて世界を捉えるから」だ。

「じゃあいま不幸な世界を送っているけども、外には不幸な何かがあって、自分はその何かを不幸なこと、たとえば貧乏とか病気とかいじめとか、そういう風にみているのか」となるだろうが、それも違う。

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