奇跡のなかで”奇跡”は起こらない
大切なものはいつもあなたの近くにある
だけども遠く離れないと
人はその大切なものがみえない
つまりそれは
“いまも幸せに暮らしていたこと”が
いずれわかるということだ
もちろん物事や不安に囚われて
いまが幸せだなんて
とても思えていないがね
だがいいかい
それはこれまでも同じだったんだ
遠く過ぎてから
そこにあったものがようやくみえてくる
だから毎日を”大切に”生きなければならない
大切に生きるとは
いつもあなたのすぐ近くにある大切なものを
みつける努力をするということだが
言いかえれば
いまここにないものに
心が囚われるのをやめるということだ
明日の不安や
あれが手に入ればという期待
それらを抱えている限り
明日になっても
やはり次の明日が不安となり
期待していた何かを手にしても
また別の何かが欲しくなる
永久に「いま」をみつけることができず
唯一の生きた証だった「いま」は
過ぎた日のなかにだけあり続けてしまう
運命の大逆転
だから毎日(いま)を大切に生きるとは
単純に捉えてみれば未来への不安や恐れへの
対処をしないということになるけども
だが”逆転劇”があってね
そうして未来や過去に囚われず
唯一の実在である「いま」に
完全に向き合うときこそ
自我が不安や恐れだと”思っていること”への
本当の意味での対処となるんだ
なぜかといえば
そもそも”不安”なのは
未来の出来事が襲いかかってくることに
対してではないからにある
たとえば良いことがあったりして
あなたの心に大きな余裕が生まれているとき
他人の言動であれ損失であれ
何が起きようとも平然と受け取れたりするだろう
恋愛初期の恋人同士の「愛の力」もそうだね
彼らはどんな苦難も乗り越えていける
力に満ちているとき
目の前のそれは苦難という衣装が脱げて
単なる物事にすぎないからだ
ゆえに”予定されていた暗い未来”を
変えていくことができる
だから出来事が不安なのではない
未来がどうであれ
唯一の生命の現れである「いま」を
見失っていることに動揺しているんだ
いまを生きるとき
外の物事はあなたを支配する力を持たない
つまりいまを見失うから
未来や過去、他人や出来事などに
支配されてしまうのであって
だがそれは支配でもなんでもないだろう
ただあなたが”生命”を失ってるだけなんだ
その観点からすれば
たとえ現実世界で主従関係があるとしても
また義務に追われているとしても
あなたが「いま」にあるならば
その力関係は”表現上のもの”にすぎないことになる
むしろ生き生きした社員であるあなたは
上司や会社を自らの生命活動の場とするわけで
支配関係は逆転することになる
これは日常の他のどんなことでも同じ
あなたが生命に溢れているかぎり
すべては”そのため”の現れとなる
そう、まさに逆転劇だね
豊かさの享受
ゆえに毎日を大切に生きることの
恩恵は多大であって
人生に後悔や嘆きがなくなり
いつもそばにいてくれる人や
いま己が携わっている日々の義務や
持ち物や住まいに
神秘的な直観が芽生えてくるようになる
どうしてこれらは
いまここにあるのだろう?とね
言いかえれば
これらと一緒にしっかり歩むことが
己の”導き”であり
同時にこの導きこそが
人生の保証(未来が守られること)であるともわかる
だがこの意味を間違えてはならないよ
一緒にしっかり歩むとは
それに苦悩し続けるということではない
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