大胆さと謙虚さ
人生が大きく変わるとき、その物事を引き寄せたことはもちろんだけども、もうひとつ重要な要素がある。それはその物事を受け取れるほどに「大胆である」ということだ。
たとえばいまあなたが結婚しているなら、相手と出会ったとき「どうしてあんなに己は積極的だったのか」と、いまだ不思議に思えているかもしれない。
仕事の面接だってそうだろう。生きるために自分を売り込むなんて誰だって辛いものだ。
まして初対面の知らない相手に自らの存在を否定されるリスクを背負いながら、困窮や絶望してることを相手に悟られないように、笑顔で乗り切らなければならない。
実際面接というのは、そんな日頃の自分を完全に忘れ切るかして、ぶっ飛ばないと大体はうまくいかない。
ネジが外れたみたいに「ぶっ飛ぶ」こと。部屋で膝を抱えて震えていた昨夜の記憶を捨て、新しい姿に脱皮して「蝶」のように羽ばたくこと。蝶はそれまでみていた地上世界の住人ではない。だが幼虫のままでは大空に放り出されても墜落するしかない。
つまりいま勤めてる会社のドアをはじめて開いたとき、あなたは大胆に自らをアピールしていた。話してる途中で緊張はどこかに吹き飛んでいた。きらきら輝く何かに包まれながら、マイペースに喋り続けている「ひとつの風景」がそこにあったんだ。
輝きを失うと理不尽が募る
結婚生活の例が出たので、今度はそれを逆の観点からみてみよう。
仮にあなたが女性で既婚者だとして、旦那さんと出会った当時、その見かけによらず、彼の大胆な力強さに惹かれたかもしれない。「彼になら人生を任せてもいい」と実感した。
ところがいまの彼の姿といえば、内気で頼りなく毎日反発するだけの存在に成り下がってしまった。
それが彼の本来の姿だったのだろうか。あの日あの瞬間にみた、彼から発せられていたあの輝きはなんだったのか。
また逆に、あなたが夫であり、奥さんと出会った当初、素晴らしい日々に包まれていたとしよう。
ところがいまや喧嘩ばかり、どうして昔のように仲良くなれないのだろうかと悩んでいる。どのように話しかけても、どのように接してもギスギスした関係は修復しない。
やがてはすぐに感情を爆発させる奥さんを恐れるようになる。どんな些細なことも口論に発展する。だからできれば顔を合わせたくないが、しかし生活を支えている以上、いつも理不尽な思いがつきまとう。
夫婦円満の秘訣
すべて彼女のせいなのだろうか。あの仲良かった頃というのは、実は奥さんに騙されていただけなのだろうか?
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