すべてはあなたの記憶
私たちは記憶を浮かべているのではなく
記憶そのものにある
だから記憶を司る脳も実在ではない
脳もまた記憶のなかにあるからだ
懐かしい光景
ところで何十年も昔の記憶が
ふと蘇るときがある
それはなんでもないようなこと
たとえば学生の頃のクラスに
ほとんど会話もしたことないような異性がいて
別のクラスメイトがその子に
ユニークな呼び名をつけたとき
その子は微笑んだ
その異性も名前をつけたクラスメイトも
何十年も思い出したことがなかった
むしろこのふとした瞬間がなければ
私の人生にそんな2人や出来事は
存在していなかったことになる
それを”知らない”わけだから
思い出そうとする意思さえ生まれない
だけども「あの日のあの光景」が蘇ったんだ
たしかにその同級生たちはいた
それをきっかけにして
顔や声が引き出されてくるけども
しかし本当に私は
その光景を経験していたのだろうか
そうしてみれば
昨日のことも
ついさっきのことも
本当にそれがあったのかとなるね
というより
もうすでに忘れていることのほうが多い
それを思い出そうとしても
それを”知らない”のだから
どうにもならない
現実が変わる
さてこの話を通じて
あなたもまた自らの記憶そのものを
少し離れたところから眺めることができたなら
いま当たり前に思えている風景も
毎日言葉を交わす人も
大切に思えているようになる
それはいつか忘れてしまうからとか
尊重すべきであるからだとか
そういった根拠ある理由からではなく
むしろなんの根拠もないがゆえに
Notes あなたの世界, あなたの正体, 世界, 奇跡, 幻想, 悟り, 永遠, 瞑想, 神秘