幽霊の足跡

ある金持ちが住民の反対を無視して
勝手気ままに大きな家を建てた

その土地は古くから愛されていた一画で
人々の憩いの場所だった

異変はすぐに起きた

門の前には
念仏を唱える人が立っていたり
恨みを示すためのオトギリソウが毎日置かれたり

しかし金持ちはそんなことに構わず
水を撒いて追い払っていた

ところがあるとき
そんな彼さえも仰天することが起きはじめる

誰もいない家のなかで音がしたり
階段には足跡が現れたりと
なかなかの光景が展開していくわけだ

侵入者の形跡がなかったゆえ
さすがに冷たいものを感じた

しかし専門家を読んで調べさせてみたところ
「これは科学で解明できますよ」

音はその土地の湿度や温度の変化による家鳴りであり
足跡もまた家主や工事業者の皮脂が
その湿度の変化で塗料に反応して浮かんでるのです
いろんな条件が偶然に重なってこそですが
稀にあることです

なんだそんなことかと金持ちは納得した

超常現象なんてありえない
こうしていくらでも種明かしはできるのだとね

だが金持ちは
より重要なところにまでは注意が及ばなかった

たしかに現象そのものは
科学で説明をつけることができる

全文をお読みいただくにはご入会後にログインしてください。数千本の記事を自由にご覧いただけます。→ . またご入会や入会の詳しい内容はこちらから確認できます→ ご入会はこちらから


Notes , , , , , , , , , ,

コメント・質疑応答

  関連記事

-->