何が起きても大丈夫である生きかた

仏教の教えに「空(くう)」というものがあるね。空とはなんだといえば、「あるけどない、ないけどある」を実現させているものだ。

たとえば、湯船のなかで洗面桶を沈めたとき、はたしてその桶は空っぽなのか、それとも満杯なのだろうか?

ある観点ならばそれは空っぽだと言えるし、別の観点からは満杯だとも言える。

釈迦はこの世のすべての実在について「あるといえばある、ないといえばない」と答えた。それは彼が桶の観点ではなく湯船の観点でみていたからだ。つまりそれが空となる。

しかし人は桶の状態がどうであるかにこだわってしまう。言いかえれば、そのこだわりが執着というものであり、その執着によって「自己意識=自分」が空のうちに現れているのである。

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だから執着を解き放てば、桶のなかがどうであれ、つまり「あるかないか」は問題でないことになるわけだ。これは当然だね、”執着していない”のだから。

あの人の気持ちが知りたい、自分のことをどう思っているのかが知りたい、そんな思いを募らせるとき、桶のなかの状態が現象してしまう。満ちているか空っぽなのか。そしてその桶をみている自分(小さな生)も同時に現象していることになる。

だがそんなことは気にならなくなったとき、満ちている湯船があるだけなのだ。

執着していないとは、まさに己はこの世という問題から切り離されているのであり、禅でいうところの「在りながらも死んでいる」にある。

この場合の死とは、小さな枠組みから解き放たれたということだから、死するゆえに「真に生きること」が実現される。つまり大いなる生命の流れ(不死性)とひとつとなる。

よって空を知るとき、生も死もどちらも同じことになるわけだ。恐れるものなど何もなかったと気づくのである。

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じゃあいま目の前にいる人たちの存在や日々の物事はどうだろう?

この世が湯船に沈んだ桶であるならば、出会いや別れというのは何のことだろう? いったい何と出会い、何と別れるというのか。

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