空っぽの世界

道路の隅に
小さなお菓子の空箱が
落ちているのをみた

真ん中らへんが
ぐしゃっと潰れて
静かに転がっている

箱がそこにあることに
意味はない
なんの意味もない

それは人間もおなじ
その箱となんの違いもない

雑草がただ生えていることの
無意味さを
雑草はどう理解できるというのだろう

葬儀で親しかった人の亡骸を前にするとき
妙な違和感にとらわれる

確かに棺のその姿は
生前のその人のように見える
だが私の知るその人ではない

その容姿や肉体が
その人ではなかったのだ

その人のすべてとは
その人が意味づけていた世界のことだった
私はその人が抱えていた
その世界と関わっていたのだ

つまり人の死とは
その人が握りしめていた意味が
解放されるということであり
目の前に横たわっているのは
もはや私の知るその人ではない

彼女はどこへいったのだろう?
いや彼女はそもそも
実在していなかったのだ

名のなき肉体はその死をもって
握っていた手のひらを開いたのだ

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。→ . ご入会や入会の詳しい内容はこちらから確認できます→ 会員について


Notes , , , , , , , , , , , , , , ,

コメント・質疑応答

必ずお読みください
・会員記事のコメントはログインしないと表示されません。
・会員の方はユーザー名が入ってしまうので別名を希望の方はこちらで申請してください。
・連続投稿する時は自分の最初のコメントに返信してください。
・記事に無関係な投稿は禁止です。良識範囲でお願いします。
・規定の文字数に満たない短文、英文のみは表示できません。
・他の利用者を勧誘する行為、扇動するコメントは禁止です。その意図がなくても事務局でそのように判断された場合はその箇所を修正削除させて頂く場合があります。予めご了承ください。
・個人情報保護法により個人情報や会員情報に関する箇所が含まれている場合は該当箇所を削除させていただきます。
・投稿内容に敏感な方も多くいらっしゃいますので、他の利用者様へ影響を与えそうな文面はお控えください。
・スパム広告対策にセキュリティを設定しております。投稿後に承認待ちと表示される場合がありますがしばらくすると表示されます。

  1. Miko より:
    このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。
    • 涅槃の書-自分 より:
      このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。

コメント・質疑応答

  関連記事

-->