なんでもない日々

親しい人が死んだとき
この宇宙を隅々まで探しても
もうその人はどこにもいないのだと気づく

さほど知らない他人についてなら
それは当たり前なことに思えるが
しかし親しかった人であるほど
当たり前などとは到底思えないだろう

「どこにもいない」
それはなんともいえない奇妙な感覚にある

昨日まで”当たり前”にそこにあった
あの笑顔があの声が
キッチンに立っていたあの姿が
もうどこにもない

そうして当たり前が当たり前でなくなるとき
いかに己が常日頃から
当たり前という幻想に包まれているかを
思い知らされる

だから大事なのは

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