私たちとはそもそも何なのか(2)
前回に続いて次は創造について進めていこう。創造とは自己実現や願望の実現に関するものだ。創造の概念を知るには、それがなぜ創造となるのか、どこに創造されるのかを理解しておく必要がある。ゆえにいくつかの小さな説明をしていくほう良いだろう。話を読んでいくうちに「創造」とは何なのかを深く理解できているようになる。
1.すべては構造のなかにある
たとえば野球というものは実在しない。それは様々な要件が組み合わさったものであり「はい、これが野球です」と一言で差し出すことはできない。それは部屋や車、道路もそうであるし「人間」もそうだ。
「野球」を組み立てている要素をみても、そのひとつひとつを一言で表すことはできない。野球を知らない人にバットやホームベースをどのように伝えるだろう?関連した他の要素の説明が必要となる。
だから個体としては何も存在ができず、構造的な背景があってこそ、それは存在できるのだ。これは私たちが実体のない観念だけの世界を生きているということである。
2.何も実在していない
つまり他者も物も社会も自分でさえも、実在していないということだ。実在しているように見ているだけであり、そのつもりになっているだけでしかない。こうした思い込みが強固であるのは、様々な要素が構造がをつくり、さらにその構造がいくつも重なってより大きな構造をつくって、そのハリボテな中身が見えにくいためだ。
これら幻想的な構造の土台に流れているのは「人間が理解すべきではない、何らかの流れ」となる。それがすべての原動力となるエネルギーだ。なぜ「理解すべきではない」のかといえば、その流れを原子的なものだとかと見てしてしまった時点で観念を生み出してしまうからだ。そうなるとそれは解決すべき対象となり、人生を前に進めることができなくなる。ゆえにこの世の本性とは巨大なクエスチョンマークだとしておくことだ。
他者にしろ物事にしろ謎を感じることは多いだろうけども、この世に「本当のこと」なんてのはないのだよ。何らかの回答を得たとしてもそれはまた覆され続ける。つまり謎は解くためにあるのではなく「謎としてそれは存在している」のだ。
3.上位観念
前章の通り、仕事や家事など「やらなければならないこと(=労働)」がしっかり回りだせば、生活は呼吸をはじめる。
つまり「流れ」が人間世界では仕事や家事としてみえるのだ。お金もそう。だから「目に見えた流れ」を通じて、背後にある本来のエネルギーに乗っているということであり、それが先の「労働」となる。「労働」がどのように見えるかは当人の信念による。人間関係に見えたり、スポーツに見えたり、部屋の掃除に見える。
そしてその個々の世界、つまり普段よりも上位に位置する観念とは、野球でいえば単なる野球という構造を超えて「メジャーリーグでの舞台」や「スタープレイヤーになってCM出演」といったところにあたる。それらは野球が基盤にあるのだけども、野球そのものの枠を超越した高次の観念世界となる。
4.創造
さてこの上位観念を生み出すことが「創造」となる。つまり最下層では人智を超えたエネルギーが流れ続けて、その上に普遍的な人間の層が重なっている。それらも創造ではあるのだけども、個人的な世界観ではなく、集合的な信念(無意識)による世界観だ。
それは人類的な世界観、言語であったり、交流や経済であったりといったもの、すなわち基礎的な「労働」の部分となる。
だがその基礎のうえに個人的世界を開花することができる。鍋に水を満たし続けることが「労働」であるならば、それを火にかけたときグツグツと沸騰している部分が「創造」であるといえる。
5.工夫
「労働」が普遍的な人類の創造であったのに対して、その上位に重なる「創造」は個人的な世界の創造となる。つまりあなただけの世界だ。
たとえば私は「仕事」や「家事」を処理するなかで、それらにただ追いかけ回されるのではなく、スマホのアプリを使ってうまく管理をする。だからいつも家は掃除が行き届いているし、生活品の補充も切れることはない。このような「工夫」も個人的世界の創造であるといえる。
食事ひとつでも、空腹を満たすためだけではなく、スパイスを揃えて香りを楽しんだり、食器や盛り付けで目を和ませたり、音楽を流してみたりと様々な新構造を生み出すことができる。それは食事を「楽しむもの」としての新しい世界の創造なのだ。
こうした高次世界の創造には共通したポイントがある。それは既存の要素とはまったく別の要素を掛け合わせているということだ。
さあここからが本題だ。
6.超越
つまり上位になるほど(創造的になるほど)超越が起きているといえる。超越とは組み合わせ、「コラージュ」のことだ。
たとえばヨーロッパのプロサッカー界がある。クラブチーム所属のセレブたちの豪華絢爛で優雅な暮らしがよくスクープされる。豪邸で暮らして高級車を何台も所有し、高価なブランドファッションに身を包む。彼らスター選手たちの姿は、メキシコで裸足でサッカーをしているキッズたちの憧れだ。
だがどうすればそうしたスターになれるのだろう? 確かに地道な努力は必要だが、それだけじゃ地元で貧しい子供達を教えるコーチになれる程度がオチだ。彼らは「そのうち誰かの目に留まって幸運が舞い込んでくるさ」という。だがそれはありえない。
ではどうすれば地元を抜け出すことができるのだろう?クラブチームで活躍する憧れの彼らはどのようにしてその上位世界に到達したのだろうか。
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