私の世界はあなたの世界

妻の両親が続いて亡くなったとき
彼女は悲しみに暮れていたが

しばらくして
両親が暮らしていた部屋の隅々まで
ペンキや柄物の壁紙を貼りつけて
つまり部屋全体を上塗りしはじめた

まるでそれは
彼女の世界だけで行われる埋葬のようだった

遺体は葬儀されたが
部屋に焼きついた彼らの影や残響は
主人を失いながらもまだそこにあったからだ

当時私たちは貧しくて
妻もフルタイムで働いていたけども

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